北八ヶ岳
28日:茅野7:55-親湯入口8:35~親湯8:50/9:10~竜源橋11:50/12:00~亀甲池分岐15:25~亀甲池16:30(テント泊)
29日:亀甲池7:45~双子池ヒュッテ9:50~雨池峠分岐12:10/12:25~麦草峠分岐13:40~茶水池手前16:30(テント泊)
30日:茶水池手前7:25~麦草峠8:00~白駒池8:40~高見石9:15~渋の湯10:35/11:35-茅野12:25
28日:東京を朝出発だと茅野7時55分のバスに間に合わないので、前日上諏訪に泊まる。北八ヶ岳ロープウェイ行のバスでテント泊の大荷物は我々だけで、その他の人は日帰りか小屋泊の小さなザックだった。
親湯入口でバスを下車する。ここから親湯までツルツルに凍った舗装道路を行く。親湯先の神社の前で冬山装備を装着する。すぐに橋を渡り100m程行くと道が左右に分かれるが、足跡は左の伊藤左千夫歌碑の方へ向っていた。ここからトレースがなくなる。しかし鹿の足跡がはっきりとついている。幅の広い雪道をしばらく行くと雪が深くなってきたのでスノーシューを履く。北横岳・蓼科山が良く見えるようになる。コースタイムの1.5倍掛かって竜源橋の道路を渡る。
ここからトレースがついている。それも1時間程でなくなる。川沿いの道をしばらく行くと先へ進めなくなったので、引き返して左に一段登って正規の道を見つける。コースタイムの1.75倍で天祥寺原の亀甲池分岐に辿り着く。
しかし、亀甲池方向に道らしき物は見当たらない。iPadの山と高原地図のGPS機能を使って方向を定めながら樹林帯の左の急斜面をしばらく登ると正規の道に出る。
コースタイムの2倍掛かって、16時半にやっと亀甲池に着く。目的地の双子池までは時間的に無理なので、止む無くここでビバークする。夜半、雪と風とも激しかった。
29日:朝起きるとまだ雪が降っている。新雪が20cm程積もっている。昨夜は雪を解かす気力も無かったので、新雪を袋一杯に詰めて水を3リットル作る。
ここから双子池までの道も非常に不明瞭だ。徐々に登って下るのだが、道がまったくわからない。行く手を木に阻まれながら、GPSを頼りに登って行って、最上部に辿り着くと道らしき物が現れる。ここからの下りは比較的道筋は明瞭だが、雪の重みであちこちで木が倒れて道を塞いでいる。その木を迂回しながら、コースタイム(40分)の3倍(2時間)掛かってやっとの思いで双子池ヒュッテに着く。
ここから普段は通行止めの林道を雨池峠分岐まで目指すが、幸いに先行者が2名いてトレースを付けてくれた。そのトレースも雨池峠に向かって登って行ってしまった。
ここから雨池の横を通って麦草峠分岐までの林道はまったくトレースがない。比較的順調に麦草峠分岐まで着いたので、目的地の白駒池まで行ける目途が付いたと思った。
ここからトレースは無いが、赤テープの印が頻繁に付いているので、それを目指して深雪の中を登って行く。登り切った後、更に赤テープを辿って行くと道が急降下し始めた。おかしいと思ってGPS地図を見ると何と、先程の林道入口のすぐそばに戻って来てしまったようだ。訳が分からずガックリとするが、気を取り直して再び登って行く。頻繁にGPSでチェックしながらUターンした地点を特定し、新たな赤テープを目指して進むが、更に雪は深く困難になる。地獄谷分岐の広い雪原に出て再び樹林帯に入るが、赤テープが見つからず、GPSで方向を定めながら深雪のラッセルは続く。16時半になっても樹林帯を抜けきらず、精も根も尽き果て止む無く、ビバーク地点を探し、テントを張る。
30日:地図上ではすぐそこが麦草峠なのだが、昨日は樹林帯を抜けきらなかった。テントを畳んで、再び深雪のラッセルが始まる。少し行くと赤テープを発見し、正規の道に辿り着く。茶水池の雪原は木道なのだが、ここでまた苦労をする。少しでも木道を外すと腰まで潜ってしまい、脱出するのに一苦労する。ストックを使い、前に木道を確認しながら一歩一歩進む。50m進むのに15分もかかって、やっと踏み跡のあるメインのルートに出る。トレースがある道を快適に道路を渡って、麦草ヒュッテに着く。
トレースがあるすばらしさに感動しながら白駒池まで進む。足が先程までが嘘のように前に前に出る感じだ。順調にコースタイム通りに白駒池、高見石へと登って行く。
高見石から賽の河原を経由して渋の湯までの道もはっきりとトレースが付いている。途中の賽の河原の露岩はしっかりと雪で埋まっていたが、もの凄い地吹雪で、目を開けていられない程だ。しかし下り坂なので地吹雪で埋まった道をスノーシューでガツガツと降りる。
コースタイムより少し早く渋の湯に着く。バスの出発まで40分程しかなかったが、急いで風呂に浸かり、バスに飛び乗る。
今回はスタートしてから麦草峠までほとんどトレースが無く、重荷を担いでのラッセルとなった。不覚にも1日目も2日目も目的地に辿り着けない、前代未聞の事態であった。
ラッセルとなるとコースタイムの2~3倍の時間が掛かり、体力の消耗の激しさを感じた。
また、親湯から双子池までは赤布・赤テープがほとんど無く、トレースが無いので道を見失うことが度々あった。GPSを使用して何とか補正しながら進んだが、平らな樹林帯では方向を定めるのが難しくGPS無しでのラッセルは今回は無理だったなと思った。
つくづく雪道のトレースのありがたさを感じた山行であった。