・1978年創設
・東京都山岳連盟所属
・例会毎月第1水曜日

研修会「ロープワーク、登攀基礎技術/救急法、搬送法&

2014/12/06(土)〜12/07(日)
報告者
大西
山域
神奈川県立山岳スポーツセンター、及びどんぐり山荘内
ジャンル
研修
天候
晴れのち曇り
行程

・12月6日(土)10:00~16:40神奈川県立山岳スポーツセンター
・12月7日(日)9:00~12:00 どんぐり山荘内

午前中
・20m×7mm補助ロープとシュリンゲ数本、カラビナ数枚を使って。
 ① 簡易ハーネスの作り方(安原)
 ② 補助ロープのフィックス(勝沢)
 ③ フィックスロープとの接続(ラビットノット、マッシャー)(松澤)
 ④ 補助ロープを使う下降(半マスト)(畠山)
午後
 ① プルアップの実習(渡邉)
 ② 懸垂下降の実習(バックアップの方法)(畠山)
 ③ 脱出の実習(ロープ登り)(松澤)
 ④ 確保の実習(トップロープとリード)(勝沢)
 ⑤ クライミングの実習

12月7日(日)救急法・搬送法・沢の徒渉方法、注意点
      講師:都岳連遭難対策委救助隊長 北島英明氏他1名
◆救急法:止血法/包帯法/三角巾での手当て/足首のテーピング
◆搬送法:ドラッグ法+吊上げ法/背負い搬送(スリング・雨具・ザック)/ヒューマンチェーン/ストック松葉杖/雪上搬送法
◆徒渉方法:スクラム法/徒渉時のアンザイレンの危険性

報告

入会後初めての泊りでの研修会(兼忘年会)、とても濃い内容を和気あいあいの雰囲気の中で経験できた二日間でした。L渡邉氏の依頼で不肖大西が感想、報告を致します。少々長くなりますが忘れないためにも皆様よろしくお願いします。(忘年会の感想は割愛)

◆成果・感想…四季を通じてより安全な山登りを楽しむための「知識と技能の大切さ」を「楽しく学び経験する」ができました。 知識と技能は様々なところで講習会などがありますが、今回のように「真剣だけど楽しく学び経験する(出来ることも出来ないことも自分のレベルを再確認)」は新鮮な体験でした。L、主要スタッフをはじめこの会のイメージが具体化されたと感じています。「まずは知ること、そして実際に使えること」この技能は山登りを豊かにする大切な「装備」となると思います。
☆特記事項:「女性が大活躍!」L渡邉、勝沢氏、一部を除き受講男性は後塵を浴びる結果となりました… 課題山積!特に私

◆初日、基本ロープワーク、クライミング講習について
 …L渡邉氏より「岩登りは山登りの楽しみの一つ。出来ることが偉いことではないが知識、経験があればより安心な山行が楽しめる」という優しい言葉からまずはスタート。

・トラバース準備運動…一部の女性を除き「準備運動」というにはきつかった内容。身体の使い方、基礎体力の重要性を再確認。L渡邉氏の設定、イメージトレーニング(ワニの川等)は楽しいがだんだん厳しい講師に…

・簡易ハーネス、補助ロープフィックスについてクライミングテープの種類、種類別の使い方、ロープの結び方、覚えるのは基本3点程度。みなさん復習しましょう。いざというときに確実に役に立ちます。*他人に結び方を教えるのは案外難しいことも学習。

・懸垂下降…下降器、予備ビレイの使い方、ロープに身を任せること、確実な準備と手順が安心を担保。

・中吊りからの脱出… 仕組みはシンプルですが「背筋と屈伸力、バランス感」がポイント。*筆者重点課題
・プルアップ(吊上げ)…滑車の仕組み(物理で習った)。女性の力でも吊上げることができる貴重な仕組み。身体に経験を通すことが肝要かと
・クライミングの実習…15Mの人口壁クライミング(完登したのは勝沢氏を除き女性のみ)一例)新人松木さんお手本のよう/ウーさん身軽でくじけないガッツ/森さん、安原さん楽しむ気持ちが溢れる軽やかな登り… 特に何度もトライする姿勢に感服

■二日目:どんぐり山荘内で救急法、搬送法を中心に受講、実習。
…都岳連遭難対策委救助隊長 北島氏、スタッフによるわかりやすい説明と実技にあっという間の午前中でした。まだまだ時間をかけて習いたい内容でした。

(救急法):まずは基本の消毒。感染症予防のため「沢水はNG」。500㎜のペットボトルの水の大切さと使い方(穴あき交換キャップ)を学ぶ。そして三角巾の使い方。これを魔法のツールにするかは登攀用具と同じく「状況に応じた正しい使い方」を知っているか、練習したことがあるかだと思います。使い方を知らなくては持っていても役に立たない…日本人の特技「風呂敷の使い方」と同じかと…。
・テーピングについて…一番身近で使いやすい道具ですが同じく「ポイント」を知っているかにつきます。講師のわかりやすい説明と実技(実際に自分の足で)はとてもいい経験でした。
受講できなかったメンバーは受講者に聞いてみましょう!

(搬送法)
・登攀用テープ・ギア、雨具、ザックやストック、マット、そして人員など登山シーンで必ずあるものを「工夫」して少しでも楽に負傷者を搬送する技術を短時間で学び実際に人を背負う、運ぶを経験しました。いかに負傷者だけでなく搬送者にも負担をかけないという言われてみれば当たり前の発想を具体化する技術が新鮮でした。

まだまだ感想は尽きないですが今回の研修で学んだことは『いざというときの「正しい技術」を多少でも知っている、使えることが心のゆとりを生む』ことではないかと思います。そして今まで思い込みで得た間違った知識をリセットできたこと、収穫の一つです。
 そしてこれからが重要だと思いますが個人でも少人数でも「今後繰り返し練習すること」、定期的なミニ講習会ができればと感じています。

最後に渡邉Lはじめ準備、段取りして頂いたメンバーの皆様に感謝!
(追記:終了後渋沢駅前の居酒屋で14名昼食兼また忘年会!どれだけ飲むのやら… でも山談議で盛り上がりました♪)

まずは5Mの懸垂下降
勝沢氏の軽やかな登攀
ガッツあふれるウーさん
脱出完了の森さん、後は登攀中の安原さん
新人松木さんお手本のような柔らかい登攀 スパイダーウーマン!
滑車の仕組みを応用した吊り上げ実技 山崎さん負傷者役 
2日目の講習会。講師による三角巾実技
テーピングの実習 グループワークで楽しく
スリング搬送の実技
ザック搬送を実際にやってみる
女性同士でもザック搬送なら背負えます
楽しみながら色々な搬送方法を経験
搬送法の一つ、ヒューマンチェーン。怪しい儀式ではありません
6人いればこの方法で比較的楽に搬送できます。
女性チームで負傷者役熊さんを搬送。本人ご満悦
雪上搬送法の実技。保温、安全性がまず重点