谷川岳 マチガ沢東南稜
土合駅4:00-マチガ沢出合-巌剛新道-マチガ沢6:00-東南稜取付11:00
-稜線(登攀終了)14:00-トマの耳-肩の小屋15:00-天神尾根-天神平ロープウェー駅下山17:00
明るく開放的なマチガ沢、そして実質3ピッチの短くて易しい東南稜の組み合わせは、紅葉の時期にのんびりとクライミングを楽しむには最適のルートで、わたしは大好きだ。
前夜は上越線土合駅で宴会・ステビバする。同じような山登りの人たちは、合計で20名ほどいただろうか。暖かく定宿にしていたロープウェー駅6Fが、数年前よりボヤ騒ぎで夜間の出入り禁止になって以来、谷川岳の仮眠場所はいつもここだ(残念)。
巌剛新道より下降して、マチガ沢に着いたころ夜が明けた。身支度をして沢を詰める。
5年ほど前にここを登った時には、一度もロープを出さずにスタスタと東南稜取付まで行った記憶があるのだが、今回は間違えて高いところまで登ってしまったりロープを4回ほども出したりと、やたらに時間がかかった。メンバーのせい?体調のせい?・・よく、わからない。たぶん年をとったせいだと思う。
そんなわけで11時をまわった頃に東南稜基部に着いた。先行パーティは8名。3+2+3の3パーティでクライミングをしているため、取付で1時間、さらにピッチごとの渋滞で30分ほど待たされた。
結局、登攀を終了して稜線を出たときには、午後2時をまわっていた。ふり返ると、われわれの後のパーティは、まだオキの耳をめざして東南稜をダイレクトに登攀している。彼らはたぶん、ロープウェーの最終時間に間に合わないだろう。
マチガ沢東南稜の登攀は、西黒尾根やトマの耳~オキの耳を行く登山者からよく見える。私たちも稜線に出た途端に「すごーい!」「よく、あんな場所を登りますねえ」と行き会う登山者に褒めそやされた。じつは、それもマチガ沢東南稜の登攀が好きな理由の一つかもしれない(・・最低の男です。すみません)。
肩の小屋に向かって稜線を早足で下降するころ、斜めに傾いた日差しが、谷川岳の岩稜の紅葉を美しく染め上げていた。