黒斑山
車坂峠駐車場 8:15→登山口 8:30→トーミの頭 9:46→黒斑山 10:04→蛇骨岳 10:31→仙人岳 10:59→分岐→11:30 鋸岳 11:41→分岐→Jバンド11:39→12:36 賽の河原(昼食)12:50→湯ノ分岐→草滑り分岐→13:11 火山館 13:26→草滑り分岐→トーミの頭 14:38→分岐→槍ヶ鞘 14:49→車坂山 15:36→登山口 15:51
今回は浅間山によるプレゼンテーションを楽しんだ山行でした。
登り始めは曇った穏やかな秋日和。
トーミの頭を目指して登っていくと、次第に靄ってきて、下山してくるパーティに出会った。
リーダーが「もう登ってきたのですか?」と聞くと、「ガスで何も見えず、天候も良くなりそうもないので、トーミの頭で折り返してきました。」とのこと。
今は最悪の天候らしい。。
予報では午後には晴れるとのことなので、私どもはゆっくり登っていこう、そのうちにガスもなくなるだろう、と期待して歩みを進める。
次に下山してきたパーティも、ガスがひどくて黒斑山頂上から折り返してきた、とのこと。
私たちが黒斑山頂上に着いた時もガスがひどくて、写真を撮っても標識以外は真っ白。
黒斑山の次のピーク、蛇骨岳を越した頃からガスが次第に薄くなり、それと同時に山道も岩々に変わっていく。
左手には雲海も現れ、高山に登っている印象が気持ちいい。
仙人岳から先は岩々が多くなってきたので、浅間山は火山だからと持ってきたヘルメットをかぶりました。
黒斑山を含む外輪山の終点の鋸岳では、前掛山全体がきれいに見えました。。
鋸岳から少し戻ってJバンドを降り、前掛山との間にある賽の河原を歩き、再度トーミの頭に登り返す周回コースをとる予定です。
Jバンドを見下ろすと崖っぷち、こんなところを降りていくのかと不安になります。
しかし、実際に降りてみると、Jバンドは比較的安全な山道でした。
これも先人達が長い年月をかけて整備してきた努力の賜物でしょう。
Jバンドの名前の由来は、登山道がアルファベットの「J」の文字のように見えたり、急な登り坂が続いていることから「Jバンド」と呼ばれているとのことです。
Jバンドから見下ろすと、自動車くらいの大きさの岩が窪地にゴロゴロと転がっています。この外輪山から落下したものに違いありません。
ヘルメットをかぶっていても、あんな岩が落ちてきたら死んでしまいます。
Jバンドを降りたところで、前掛山と黒斑山を両側に、絶景を楽しみながら昼飯を食べました。
山に囲まれているので、風もなく温かい場所でした。
火山館にもよりましたが、小諸市の観光課職員の方が一人で火山館のテラスを修理したり、トイレ掃除をしたりと頑張っておりました。
毎日自宅から火山館に登ってくるとのことで、通勤中に二回ほど熊にも遭遇されたそうです。
観光課の職員の方が一人でハンドドリルを片手に火山館の修理と維持、登山客の相手をしているのには驚きました。
そして、最後にトーミの頭まで草滑りを登ります。
Jバンドのように岩々しているわけではありませんが、斜度はかなりの急登。
天候は快晴にかわり、前掛山がきれいに見えます。
高度が上がるに従い、少しづつ前掛山の表情が変わり、ゼブラ模様の縦筋に加えて、中腹にオレンジっぽい横模様が浮かび上がり、魅了されてシャッターを押し続けます。
黒斑山頂上からは見えなかった前掛山の威容が目の前に迫ってくる。
しかし、残念ながらその迫力を写真に写しとる腕前は持っていません。
やっとの思いでトーミの頭まで詰め上がると、ショータイムの終了を告げるガスが降りてきました。
登り返して黒斑山山頂で撮った写真は、朝登ってきたときに撮った写真と同じで、背景が真っ白なガスの写真でした。
ガスで景色を出し惜しみするようなスタートから、前掛山が見えたと喜んだ仙人岳と鋸岳、前掛山と黒斑山を見上げながら食べた昼食、目の位置が高くなるに従い変化していく前掛山を楽しんだ登り返し、登り切ったと思ったらガスでフェードアウトしたトーミの頭、と完成されたプレゼンテーションを見るような印象深い山登りでした。
このような楽しい、貴重な機会を設けてくれたリーダーに感謝します。