・1978年創設
・東京都山岳連盟所属
・例会毎月第1水曜日

仙丈ケ岳~塩見岳 (仙塩尾根)

2025/09/15(月)〜09/18(木)
報告者
瀬川
山域
南アルプス
ジャンル
縦走
天候
15日:曇り、16日晴れ、17日晴れのち曇り・午後強風、18日曇り・強風
行程

9/15(月)府中3:45~中央高速~伊那IC~戸台パーク(仙流荘)8:05~北沢峠9:15→小仙丈ヶ岳12:00→仙丈ヶ岳13:30→仙丈小屋14:00
9/16(火)仙丈小屋4:30→仙丈ケ岳5:00→伊那荒倉岳8:05→野呂川越10:10→三峰岳13:40→熊の平小屋15:15
9/17(水)熊の平小屋6:50→安倍荒倉岳07:25→北荒川岳10:00→塩見岳12:45→塩見小屋14:10
9/18(木)塩見小屋6:25→本谷山7:55→三伏峠9:00→鳥倉登山口11:25→越路P12:15~タクシー~戸台パーク~温泉~帰京

報告

 戸台パークから朝一番のバスに乗ると、それまで降り続いていた大雨も上がり、日が差し込むほどに天候が急回復。そして4日間、最後まで雨にたたられることはありませんでした。初日に仙丈小屋に泊まり、ロングルートをこなす核心の2日目は快晴です。仙丈ヶ岳から大仙丈へ向かう途中で日の出を迎えると、これから歩く尾根がずっと先の方まで伸びて霞んで見えます。左手の北岳はしばらく歩いてもずっと左に見え続け、その山塊の大きさに感嘆しました。

 仙丈ヶ岳から三峰(みぶ)岳を越える2日目のルートは長いだけなく、標高3000mから野呂川越の2300mまで下降し、また3000m近い三峰岳に登り返すという、パーティの年齢にしては意欲的な計画です。ルートは強い日差しを遮ってくれる樹林帯と、大展望が楽しめる開けた尾根道が交互に続きます。展望の利くところから振り返ると白っぽい大仙丈カールが特徴の仙丈ヶ岳が遠くに見えます。前方は間ノ岳から右手に伸びる尾根が壁のように立ちはだかり、合流点となる三峰岳のピークへと道が続いています。長いこと歩いてきてあれを登るのかと思いましたが、頑張ってピークまで登り切ると目前に巨大な台形の西農鳥岳と農鳥岳が重なるように現れ、白峰三山の縦走路が一望でした。熊ノ平小屋までは1時間半の下り。よく頑張った一日でした。

 3日目は前日より短いとはいえ7時間の行程。2500mほどの熊ノ平小屋から3052mの塩見岳を越えていく、脚にこたえそうなルートです。概ね好天でしたが風が強く、ウィンドブレーカーを脱いだり着たり。目を見張ったのは後方の間ノ岳の立派な山容です。白峰三山はピークが同じような高さで連なっている印象でしたが、こちらか見るとそれぞれが際だって巨大な山塊です。北荒川岳あたりからは強風にさらされ、北俣岳分岐までウィンドブレーカーをバタバタ言わせながら急登をこなしていきました。登り切ると新たな展望が現れ、左に蝙蝠(こうもり)岳が優美な尾根を広げています。塩見岳はいよいよ間近に見えますが、ガスに覆われ始めていました。

 最終日はそれまでの疲れがないかのような軽快な歩行。なんと元気なメンバーであることか。タクシーで戸台パークに戻る途中から雨が降り始め、次第に激しさを増しましたが到着するや晴れ間が広がり気温も上昇。初日と同じ展開だねと顔を見合わせ、今山行の幸運をかみしめました。4日間、甲斐駒から鳳凰三山、白峰三山を眺めながらのロングルート。北アルプス中心に歩いていた自分にとって、南を理解するのに打って付けの山行となりました。山々の大きさや、岩稜が主体の北と違う伸びやかな緑の稜線。世話になった山小屋はいずれも素晴らしく、南にもっと目を向けるよう背中を押された思いでした。

1日目、仙丈ヶ岳のピークへ
良い天気です
2日目、仙丈ヶ岳を越えたころオベリスクの向こうに昇る朝日
大仙丈ヶ岳へ向かいます
途中、振り返ると女王様の白いカールが
右のピークが間ノ岳から延びる尾根との合流点
合流点の三峰(みぶ)岳。向こうの農鳥がデカい
強風の北荒川岳。崩落がすごい
北荒川岳を背に風を避けて一本
北俣岳分岐を目指します
蝙蝠岳への優美な稜線
塩見岳へ。ガスが出てきました
ガスの塩見岳・東峰。
同じく西峰。相変わらずの強風です
西峰からは岩稜を急降下
フィナーレは長い林道歩き