・1978年創設
・東京都山岳連盟所属
・例会毎月第1水曜日

北ア 爺ケ岳・鹿島槍・五竜・唐松縦走

2025/07/31(木)〜08/01(金)
報告者
せがわ
山域
北アルプス 後立山
ジャンル
縦走
天候
31日:晴れ、1日曇り時々晴れ
行程

【30日】車中泊@扇沢駐車場
【31日】
柏原新道登山口(04:30)・・・種池山荘(07:20)・・・冷池山荘(9:20)・・・鹿島槍ヶ岳南峰(11:30)・・・北峰(12:10)キレット小屋泊(13:45)
【1日】
キレット小屋(04:45)・・・五竜岳(08:20)・・・五竜山荘(10:00)・・・唐松岳頂上山荘(12:10)・・・八方池(13:45)・・・アルペンリフト山頂駅(14:40)・・・白馬村に下山(泊、翌2日に白馬駅から扇沢へクルマを回収)

報告

 後立山連峰の主脈のうち、ここだけが未踏だった。二度挑戦したがいずれも悪天候に阻まれた。三度目の正直の目的達成だった。今回は気になっていたキレット小屋に泊り、2日間の行程ですませる計画とした。扇沢での車中泊はトイレも使えるし便利。朝になると平日だが駐車場はいっぱいになっていた。ヘッデンで歩き始め、柏原新道の登山口からは数パーティを追い抜き、若者3人組みには簡単に抜かれる。案外登山者が多い印象。皆、熊を意識して熊鈴、大声、拍手など様々に対策。天候は上々で左手の剱岳を終始眺められた。前回登った爺ケ岳は巻き道をずんずん行く。

 冷池山荘で一服して、鹿島槍へ。登山者の多くは山荘に泊まってサブザックでピストンする様子。南峰の登りで追いついた単独女性と山頂で写真を撮り合う。北峰へは登山者がぐっと減る。八峰キレットを通過し、予定より早くキレット小屋に到着。持参したつまみでビールを2缶飲みながら『国宝』(後編)を読んで過ごす。宿泊者は全部で10人強と少ない。その大半が女性。キレット小屋の食事は朝夕とも想像以上に旨かった。化学調味料が使われていない感じ。もてなしの心も感じる。翌朝は宿泊者の半分以上が4時ごろ出発していった。

 前日のコースタイムと自分の歩きのペースから、2日目はゆっくり目に歩いても良かろうと判断。予定より遅く日が昇るころに出発し、せっかくの初ルートを楽しみながら進むことにした。ただ、五竜の手前で少々ルートを外し、危険な目にあったのは想定外だった。尾根の右側をトラバースしながら岩場を登る箇所で×マークに出くわした。その上を行こうとしたが途中で難くなり引き返す。ならば下から行こうとしたが、岩がもろく、足場は砂地で蟻地獄に落ち込みそうな場所。もう一度そこから引き返すべきだったが、実線ルートなのにこんなに難しいなんて変だと思いながらも、なぜか強行突破を試みてしまった。結局事なきを得たが、判断力の不足?衰え?を反省。時間の余裕は十分だったはずだが、八方のゴンドラ終了までに着かねばというプレッシャーがあったのかも。もう少し戻ってあらためてルートを確認すべきだった。単独行はこういう面も怖いなと思った。

 五竜山荘が見えてからは楽ちんの尾根歩きと思っていたが、キレット小屋にたくさんあったミネラルウォーターが登山者の多い五竜山荘では売り切れ、コーラやジュースも同様、残っていたのが天水とアルコール飲料だけだったのには気落ちした。手持ちの水でしのぐことにしたが、唐松岳は想像以上に遠く、急登が続いた。昨年逆ルートであるいたときの記憶よりも、岩稜も長く険しかった。それまでずっと楽しめた眺望も唐松岳に近づくにつれてガスに遮られるようになり、黙々と急登歩きをこなした。最後のピークを越してようやく目前に唐松岳頂上山荘が見え、山荘で求めた粒入りオレンジジュースを喉に流し込む。

 唐松からは楽しい尾根歩きに違いなかったが、長い一日だったので脚の疲労がだんだんこたえてきた。金曜日とあって登ってくる山荘泊の団体客が後を絶たない。午後のこの時間だったからか白馬三山は拝めなかったものの、八方池が見下ろせるあたりまで下ると青空が広がった。インバウンドのお客さんに混じって、池のほとりでようやく心安らぐひとときを過ごした。

種池山荘までは熊を警戒
鹿島槍へここで一服
鹿島槍ヶ岳、南峰。眺望は最高
北峰から南峰をのぞむ
キレット小屋で夕陽が沈むのを待つ人々
翌日の夜明け
鎖があるので安心ではある
G5の手前でルート外れによるピンチを味わう
五竜の南側は手応えのある岩場の連続
五竜岳。ここでも最高の眺望
五竜岳と山荘を振り返る
唐松岳へ、あんなに登るのか~
急登のあげくにポンと現れた唐松岳頂上山荘
青空を映す八方池