高妻山
5:00キャンプ場発-5:15事務所-5:25牧場-7:45一不動避難小屋-9:00六弥勒(五地蔵山)-11:30十阿弥陀・高妻山山頂12:00
-13:10六弥勒(五地蔵山)-15:30分岐-16:00戸隠キャンプ場16:30-20:30帰着
24.1103(日)
京王稲田堤駅6:00集合、Yさんの自宅からはここが近い集合場所となる。駅に到着して外を眺めるとYさんAさんがすでに車の近くに立っている。朝のご挨拶をして雑談となる。Nさんは少し遅れるとのこと。今回は着ていくものに少し悩んだ。かなり冷えるだろうか。先月までの山行時より厚手のシャツを着てきた。今は丁度良いが現地ではどうだろう。しばし後全員集合し出発した。
空は晴れ渡っている。この好天が続いてほしいものだ。はじめは土曜日出発だったが天候を見て一日ずらしたので良い天気を期待したい。私事だが私は会員番号を有する正式の?「晴れ男」なので天気は気になるところだ。これならいけそうだ。
途中トイレ休憩をはさみYさんNさんに車の運転をしていただいた。道中長いので運転は大変である。今日は朝食が早くて10:00ぐらいになるとお腹が空いてくる。しかし昼食は戸隠でおそばを食べる予定なので我慢する。
上信越道を信濃中野で降りてつるやによる。つるやは四季の人はごひいきにしている人が多い。確かに美味しいものが多いように感じるスーパーだ。つるやでは本日の夕食食材と明日の朝食昼食の買い出しをする。夕食食材はNリーダーが作るものをお鍋とアヒージョと決めてくれているのでおおよそ決まっており何を仕入れようか迷うことは少ない。
一人2200円ぐらいで酒類まで用意できる。自分たちで料理すると大分安くなる。今日はバンガローの宿泊なので調理も可能な広さがある。白菜、鳥胸肉、うどん、蒸し野菜、寄せ鍋のスープ、長ネギ、オリーブオイル、アヒージョの素、ささみ、エリンギ、しめじ、日本酒、ワイン、ビール、ポテトチップス、チータラなど今思い出せる食材。
Nさんの話では戸隠そばは量が少ないそうなのでNさんと私はおにぎりを一つ食べる。
戸隠神社に近づくと車両がとても多くなった。道路が一本なのでよそに逃げることが出来ない。ゆっくりと進んで行くと戸隠忍者の里?などのアトラクション、そばを中心とした飲食店がすべてこの道路沿いにある。そこで問題なのが駐車場となる。どこも一杯で止められそうにない。しだいに中社に近づいていくが満車の看板を出して係員が満車ですと伝えている。するとY車が駐車場の入り口にさしかかった丁度その時一台の車が出て行き係員が「一台駐車できます。」と一台だけ入れてくれたのだ。なんとも幸運なことだった。
戸隠神社中社をお参りする。参詣の方々がかなり並んでいるので我々は写真だけ撮り脇の方からお参りをすませそば屋さんに向かう。中社の周りにはそば屋が多いが中でもうずら屋というそば屋が評判が良いらしい。ところがすごい人だかりである。順番待ちかと近づいてみると何と「本日のそばは売り切れました。」とある。人だかりはそばなどのお土産をもとめる人達なのだ。これは他のそば屋を探さなければならない。参道を下がって行くが途中の店も「売り切れ」の看板が出ている。これはそばを食べられるのかなとしばし心配になる。少し歩くと人は並んでいるもののまだ「売り切れ」でないそば屋さんが見つかった。早速並ぶ。Yさんがもっと空いた店があるか見に行ってくれたがやはりなかったようだ。ここで40分ほど並んだだろうか。やっとそばを食べることが出来た。箸休めのような小皿が二つついていた。注文はざるそばと月見であった。
思ったより時間を取られたが戸隠でスパゲッテイというわけにはいかないのでいたしかたない。店を出て奥社に向かう。歩きながら行き先について話をしているとAさんが「鏡池を見に行きましょう。」と言われた。先ほどのそば屋でパンフレットをAさんだけがもらって地図を見ている。なるほど40分ほどかかるようだがではそこを見に行きましょうとなった。200㍍ほどですぐ小さな池があった。ここを見て進んで行く。Nさんがヤマレコをみて「一つ山を越えるようですね。」とつぶやく。色づいた紅葉の林をぬって歩いて行く。このあと奥社に行くと思うと少し足が速くなる。
「鏡池」はすばらしかった。池を隔てて黄葉の林が見え、その後ろには戸隠山がその偉容を聳えさせている。雲が頂上付近を流れており岩山の厳しさをさらに際だたせている。Aさんが「あのあたりがありのと渡りですね。」尾根を指し示す。なかなか登るには厳しい山のようだ。ここは戸隠山への登山口もあるようでヘルメットをつけた登山者の姿も見える。ザックはコンパクトになっているしすそがひらひらするようなアウターは着ていない。登った山の険しさを感じさせる登山者の姿だ。
奥社行こうかと時計を見ると4:00に近い。中社まで戻ってさらに奥社へとなるとキャンプ場に到着すると暗くなってしまう可能性がある。Nさん「奥社は戸隠山の時にしましょう。」の言葉でキャンプ場へ向かうことにする。気温も下がってきている。
往路とは異なる道で中社へ向かった。往路は足元に水があったり泥濘の様子を呈しているところが何カ所もあったからだ。Nリーダー地図を読んで道をえらんだ。
今回のキャンプ場はバンガローを予約している。車を近くに乗り付けて中を見てみると思ったより広い。5.5㎡ぐらい。テントと比べるとかなり広く当然だが床は平らだ。調理もしやすい。荷物を運び込んで早速調理を始める。こんな時間も楽しい。この前自宅で調理をしたのはと考えると何年さかのぼっても思いつかない。たまにするからおもしろい訳である。コンロを3台持ち込んでいるので切ったりむいたりして食材の準備が整うと調理は手際よく進んで行く。ビール、ワイン、日本酒もありおいしい鍋、アヒージョをいただく。
明日は10時間におよぶ山行となる。どなたも深酒は避ける。ただYさんと私はうどんを最後にいただく。私は明日の山行にむけ炭水化物を摂取しておきたいと考える。7:00になるとお開きとなる。片付けをして7:30には就寝した。明日は3:30起床である。
24.1104
3:30起床。スマホの目覚ましが鳴った途端全員が起き出す。昨夜は7:30には就寝したので睡眠時間は充分足りている。各自手際よく寝具を片付け朝食の用意を進める。私は昨夜残った豆腐とカップ麺、コーヒー、Yさんはいつも通りバナナとパンの朝食。今日持っていく装備をザックに入れ不要なものを取り出す。ヘッデンが壊れたNさんの足元を照らすために私はヘッデンの電池を取り替えた。洗い場へバンガローを出て行くと寒い。昨日キャンプ場の受付の方が「明日の朝は2度ぐらいになるでしょう。」といっていたのを思い出した。空は見事な星空だ。10時間近くの道のりになるが天候は良さそうだ。
私はこの春に母を亡くしたり、持病の薬で体力を大幅に低下させたりで今年の前半は山行が不活発であった。なかでも妙高山の時間切れ撤退はかなり自分にとり打撃が大きかった。加齢のせいで体力が落ちたかと自信を失い、ひぐまさん企画の赤石岳、悪沢山行を辞退し、妙高山のリベンジ山行も辞退した。さらに聖岳の通行止めによる撤退が重なり夏は良いところがなかった。
それを9月から、岩木山、八甲田山、鹿島槍ヶ岳、白山、妙高山と巻き返し今回の高妻山で今年の百名山を締めくくるところまで来た。高妻山を成功させれば百名山も93座となる。何より自分の体力が年齢のせいで落ちたわけではないということがはっきりするのだ。個人的に出来うる限り成功させたい山行となっていた。
暗闇の中、戸隠牧場を進む。辺りの景色はまるで見えず広いので進むべき方向探しに少し苦労する。しばらく行くとユーチューブで見た登山道の入り口が現れる。牛が通らないように狭くコの字を二回重ねたような入り口を二回通って進んで行く。
落ち葉を踏んで行くと東の地平線が赤く明るんでオレンジからしだいに青色に変化している。足元も次第にはっきりしてくる。沢音が近づいて一度目の渡渉をすると何度も渡渉を繰り返す。5,6回それ以上あるように思う。3本目ぐらいの渡渉で傾いた石を踏んでAさんの左足が足首まで沢にドボンした。足が濡れては気持ちが悪いのは確かだがAさんはあまり気に留めず歩いているようにみえる。
しばらく進むとナメ滝が現れる。滝の左岸に鎖が繋いである。滝を登り右側へトラバースしていく。注意を要する箇所だ。鎖がしっかり止められている。
2時間10分で一不動避難小屋、さらにひと登りして一不動の石社がある。二釈迦、三文殊、四普賢と過ぎて8時26分(52分)五地蔵山到着。すばらしい眺望が広がっている。
Yさんは昨日これらの十祠全てにお賽銭を置いていく計画を立てていて数種類の硬貨を祠毎に置いては安全登山を祈願していく。
六弥勒、七薬師、八、九勢至にたどり着いた時には5時間近くの時間歩いていた。ここまでピークを幾つか越えてかなり疲労していたが、九勢至から高妻山を見上げるとまだ300㍍の高度を残して高妻は堂々たる山容を誇っている。傾斜もきつい。
噂通り、九勢至から十阿弥陀は今日の山行のハイライト、最困難な一行程となった。この一行程の残り3分の一はストックをしまい岩をよじ登って行く。ただ景色は素晴らしい。360度の展望が広がっている。これ以上のものを望むのは無理だ。
11時3分(2時間5分)標高2353㍍高妻山頂到着。沢山の人達が山頂を占めている。登山口の駐車場に数多くの車が止まっていたがその人達がいるのだ。みんな今日の登頂を喜んで、360度の景色に疲労困憊しているが笑顔だ。
私たちも楽しくポーズをきめて山頂の記念写真を撮る。高妻山は疲れるけれど最高の山だ。360度の名だたる山々が全員姿を現し登頂を祝ってくれたのだから、それが今日の登頂者全員の意見だと思う。
ゆっくり休み昼食を摂り下山する。下山は阿弥陀尾根を下る。Nリーダー下山はけっこう飛ばした。かなりの急坂を山頂から戸隠キャンプ場まで3時間23分だった。戸隠牧場でとても濃い牛乳を飲み疲れを癒して帰路についた。
Nリーダーメンバーのみなさま最高の山行をありがとうございました。楽しかったですね。