・1978年創設
・東京都山岳連盟所属
・例会毎月第1水曜日

八経ヶ岳・大普賢岳

2024/05/24(金)〜05/26(日)
報告者
せがわ
山域
大峯山脈
ジャンル
ハイキング
天候
25日(土)快晴、26日(日)曇り時々雨
行程

5/24(金) 東京6:00~東名高速~東名阪自動車道路~名阪国道~フォレストかみきた15:00

5/25(土) フォレストかみきた5:00~行者還トンネル西口P5:50→奥駈道出合6:35→弥山小屋8:50/9:15→八経ヶ岳9:40/10:20→弥山小屋10:50→奥駈道出合12:25→行者還トンネル西口P13:05~和佐又ヒュッテ

5/26(日) 和佐又ヒュッテ5:00→和佐又山5:30→コル→笙ノ窟6:35→小普賢岳7:25→大普賢岳8:15/8:40→日本岳(孫普賢岳)9:45→和佐又のコル11:00→和佐又ヒュッテ11:20~温泉~帰京

報告

吉野から熊野本宮まで70kmものルートはいくつものピークを繋ぎ、大峯奥駈道と呼ばれる修験の道である。うち2つの主要ピークを訪ねる企画だった。初日、前泊地から早朝に駐車場に到着したが、さすが八経ヶ岳は百名山かつ標高1915mの近畿最高峰。第1駐車場は満杯、第2に案内される。身なりを整え、さっそく奥駈道の稜線にある出合を目指してジグザグに高度を上げる。出合からの修験の道は朝の陽光を浴び、意外にものどかな雰囲気だ。ただ、修験者が祈りを捧げる靡(なびき)と呼ばれる場所は、1000年以上にわたって蓄積された独特な空気感を放ってくる。

稜線にシロヤシオの木は多いが今年は外れ年なのか、すでに咲き終えた白い花が地面にちらほら落ちている程度だが、空は快晴で木々の間からも周囲の山々がよく見えた。ルートに険しいと感じる箇所はない。弥山を経て見晴らしの利く山頂でゆっくり過ごし、紀伊半島のど真ん中から360度の眺望を楽しむ。東は大台ヶ原、西は高野山から伯母子岳を経て熊野に伸びる熊野古道の小辺路。去年歩いた小辺路からは奥駈道が紀伊半島の背骨あるいはゴジラの背のように見えたが、今そこにいるのだなと思う。見晴らしは本当に素晴らしく、北は吉野から、南は熊野本宮への奥駈道をずっと確かめることが出来た。山座同定の楽しい時間を過ごし、後ろ髪を引かれる思いで下山。

2日目の天候は曇り、途中から一時小雨が降り出した。大普賢岳は険しい岩場に囲まれ、ハシゴ、鎖がたびたび登場する。靡も岩窟にあるものが多かった。山頂からの眺めはガスに阻まれ、昨日の八経ヶ岳も見ることができない。稜線を国見岳、七曜岳と歩いて周回する計画だったが、そのままピストンで下山することにした。大普賢岳の隣には小普賢岳、孫普賢岳(日本岳)があり、写真のように3つのコブが並んで見える。せっかくなのでそれぞれを登ってみた。どちらも登山道は巻くように付けられており、とくに日本岳は朝日ノ窟、笙ノ窟の岩壁上にあって少々手強い登りが待っていた。下山は山レコなどにいくつかのルートが記録されているが、そのまま下りるのが賢明と判断。さすがベテランの危機管理と感じ入る。

紀伊半島の中心部は元々雨の多い地域である。リーダーたちはこれまで悪天候による中止や視界不良のガスなどに阻まれている。今度こそはと強い意思で臨んだようで、ようやく積年の課題をクリアし晴れ晴れとした様子だった。私もそれに乗っかる形で2つの山を楽しみつつ、いつか歩きたいと思っている奥駈道のイメージを掴むことが出来たのは収獲だった。

稜線上の奥駈道出合
奥駈道は意外にもなだからで明るい雰囲気
神仏が宿る場所、靡(なびき)の1つ
明日登る大普賢岳がよく見えた
立派な弥山小屋
弥山の山頂
八経ヶ岳。熊野本宮へ続く奥駈道をバックに
大普賢岳の手前が弥山。小屋が小さく見える
2日目、和佐又山に立ち寄る
今日は一転して神秘的な雰囲気
笙ノ窟。靡(なびき)の1つだが、ここは雨風をしのげる
巨大な岩の下に窟がある
大普賢岳の山頂。バックはガスで真っ白
あそこを回って下りる計画だったが・・・
日本岳。下りるルートを調査中
快適な和佐又ヒュッテに下山