・1978年創設
・東京都山岳連盟所属
・例会毎月第1水曜日

朝日連峰縦走

2023/09/23(土)〜09/25(月)
報告者
瀬川
山域
朝日連峰
ジャンル
縦走
天候
23日:晴れ、24日:晴れ、25日:曇り
行程

9/22 新宿バスタ~鶴岡~(乗合タクシー)~大鳥登山口
9/23 11:30泡滝ダム→ 13:00七ツ滝沢吊橋→ 14:30大鳥小屋(宿泊)
9/24 5:30 大鳥小屋 → 8:45 以東小屋(休憩) → 9:30以東岳 → 11:50 狐穴小屋 → 14:30 竜門小屋(宿泊)
9/25 05:00 竜門小屋 → 05:23 竜門山 → 06:35 西朝日岳 → 08:10 大朝日小屋 →09:00 大朝日岳 〜 中ツル尾根 → 12:15分岐 →
14:25 朝日鉱泉=(タクシー)~左沢~山形~(新幹線)~東京

報告

東北の山は日本アルプスとひと味もふた味も違う。登山よりも山歩きという言葉が相応しい。山と格闘するのでなく辺りの風情を楽しむ。それも、アクセスの悪さを顧みず訪れた者だけが味わうことを許される。今回歩いた朝日連峰ではとくにそのことを感じた。

初日、沢沿いをしばらく歩き、急な斜面をジグザグに登っていくと、もう大鳥池は間近である。人は居ても静けさが上回る。小屋はキャパが大きく、客は20人を超えていたがスペースはゆったり。池の畔で、リーダーが準備してくれた最初で最後の共同食を囲み、翌日の長丁場に備えてたっぷり腹に収める。

2日目。以東岳まで直登コースを取り、クマの敷物のような形の大鳥池を時々振り返りながら高度を上げていく。避難小屋で管理人から、今宵の宿となる竜門山避難小屋の水が涸れていると聞いた。事前情報の通りだ。水は次の狐穴小屋で汲むこととし、ここではビールを各自が飲みたいだけ買って背負う。以東岳は実に展望が利いた。朝日連峰のほぼ全貌を目にすることができ、昨日登ってきた大鳥池までの沢筋も見下ろせる。大朝日岳までの尾根ルートは、至福の尾根歩きを僕らに約束するかのように見える。昨日知り合った地元のドローンカメラマンがいい人で、山頂で手を振る僕らを撮影し、下山後に写真を送ってくれた。

天気は快晴。薄手のウールTシャツ1枚でちょうど良い。トレーニングですっかり健脚を取り戻し90リットルのザックを背負うKさんが先頭を歩き、残りの4人は各自のペースで付いていく。どの避難小屋もピークの少し手前に建てられており、そのおかげで遠くからも小屋を目印にして大体の行程を見積もることができる。狐穴避難小屋で大休止を取り、水をたっぷり背負い込んだ。ザックが途端に重くなるが、明日下山までの命の水だから仕方ない。ここからはSが先頭を引き受け、寒江山などアップダウンのある尾根路を少々ゆっくり目に進む。今年の紅葉は遅れており、また花の時期もとうに終わっていて、見られるのは紫色のリンドウくらい。だが、見所は十分。三俣山荘辺りの北アルプスの奥地もよいが、森林限界を越えた緑の峰々が果てしなく続く眺めは期待以上だった。月山から鳥海山、蔵王と飯豊の間に見えるのは会津磐梯山。竜門山避難小屋ではビールで乾杯、日本海に沈む夕日を堪能し、早めに就寝。

3日目は早出して竜門山でご来光を拝み、大朝日岳に至る今山行のクライマックスを楽しんだ。雲の多い空で気温は低め。風もあって寒いくらい。それでも眺望はよく利いた。日本海の向こうは佐渡島に能登半島だろう。大朝日岳の避難小屋では帰り支度の管理人が、中ツル尾根は最近遭難者も出ており気を付けるようにと言い残して、小朝日岳経由で古寺へ下りていった。タクシーを呼んだ朝日鉱泉までの中ツル尾根は、予想以上に長く厳しかった。延々と急下降が続き、ようやく沢に下りて平坦な道を歩けるかと思ったら、ルートは大きく高巻きしたりザレ場をロープで登ったり。逆ルートを歩く機会があったら、ここは大変。鳥原山~小朝日岳~大朝日岳を選ぶのがよいのではないか。

JR左沢駅で最後の乾杯。次は花の時期か紅葉か。縦走もいいが周辺の尾根を歩くのもいいに違いない。東北の山にすっかり魅了された3日間の山行だった。

大鳥池のほとりで早めの食事
早朝、大鳥小屋を出発します
直登ルートから大鳥池を見下ろします
大朝日岳へのルートを背にドローン撮影
今日も良い天気。標高1771.9mの以東岳山頂
振り返ると以東岳からのルートが
大朝日岳が徐々に大きく見えるがまだ先です
今夜の宿、竜門小屋であと少し
あれが大朝日岳
標高1870.7mの大朝日岳山頂にて
竜門小屋から見た夕日
竜門山まで登って見たご来光
朝日を浴びながら大朝日岳を目指す
鳥海山と月山