荒島岳
23-0916-18荒島岳
9月16日(土)
7:00集合、今日は長い距離を走る。東京から福井までだから当然だ。東名を名古屋まで行き福井県永平寺を目指す。福井までいくのだから永平寺は是非見学したい。482㎞は混み具合により何時間かかるかは分からない。6時間ぐらいか。
調布を7:00に出発して14:00頃永平寺到着。途中昼食時間などとり7時間かかった。
永平寺は曹洞宗の大本山である。まさしく山腹に建っているお寺だ。七道伽藍を屋内から回ることが出来る。曹洞宗は大本山が二つある。永平寺と等持寺だ。等持寺は鶴見にあるので見学に行ったことがある。立派なお寺であった。現に多くの修行僧がいて見学中にもすれ違った。永平寺は行く年来る年で毎年のように雪に埋もれた様子を画面を通して見ていた。美しいお寺の屋根と大きな木々の重なり合い、緑の苔がハーモニーを醸し出していた。
永平寺の門前には多くの土産物店が並んでいるがお土産としては「ごま豆腐」が代表のようだった。
永平寺の見学後、朝倉氏の一乗谷遺跡を見に行った。戦国時代に朝倉氏五代が103年間にわたって越前の国を支配した城下町跡だ。城下町は復元されている。
買い出しは本日の夕食と明日の朝食だ。私はカツ丼とカップ麺を購入した。どうも山に来ると食べ過ぎる傾向がある。カツ丼は多すぎた。Sさんは夜にはご飯は食べないそうだ。私はどうしてもご飯を食べたい。
本日の宿泊地、勝原園地のテン場は無料だ。水場トイレがある。水は飲料としては少し心配、水は購入していく。芝生で近くを川が流れている。キャンプ自体をみなさん楽しんでいるようだった。
9月17日(日)
4:00起床、まだくらい。寝袋をかたづけてあまり空腹ではないがお湯を沸かしカップ麺を食べる。山に来ると舎利バテしてはいけないとついついものを食べる。従って山行が多いと体重が増える傾向がある。9月に入って大分体重が増えてきた。
今日は荒島岳を登る。そのためにはるばるやってきた。昨夜は暑くて寝苦しかったがテントはほとんど濡れていない。テントをたたみ支度を調えてまだ暗い中車で出発する。テン場から幹線道路に出るまで人の家の庭を通るような細い道を行く。まだ暗いが次第に明けてくる。
自分のことで恐縮だが荒島岳を登れば百名山82座目となる。今年中に85座を目指している。百名山の目標が出来てから山へ行く頻度が増した。沢へ行く頻度は激減した。百名山を優先すると沢と比較的高山の登山適期が重なってしまうのだ。仕方がない。今は数を稼ぎたい気持ちが強い。
人間だから年を重ねていけばいつか必ず山に登れなくなる。それどころかいつか必ず歩けなくなる。自分の親を見ていれば分かる。体力を伴う趣味は体力の低下と共に継続することが困難になる。一方囲碁将棋、絵画、数独、俳句短歌などの趣味があれば命の消えるまで出来る可能性が高い。お世話になった大学の先生などは幾つになっても相変わらず仕事とも趣味とも言える研究を続けている。続けようと思えば命がつきるその日まで続けることが可能でありそうだ。体力を必要とする趣味派(登山)としては少しうらやましい気もする。などと考えていたら三浦敬三さんのことを思い出した。
三浦敬三氏99歳でモンブラン大滑降をやり遂げた。トレーニングで90歳から99歳の間に3回骨折した。毎年立山を滑降した。101歳で亡くなるまでスキーヤーであった。
止めておこう。常人ではない人のことを考え自分と比べると身体と精神に悪い。
目標を持ってなるべく年を重ねても動ける身体でいたいものだ。趣味でも目標が在ると良いとは思う。百名山踏破は私にはもちろんできすぎの目標だ。
5:35ごろ駐車場到着、荒島岳中井コース登山口の駐車場だ。広い駐車場で60台ぐらい止められそうだ。トイレもきれいだ。車はまだ集まっていないが百名山なので今日あたりにはこれから多くの登山者が集まるだろう。
5:50出発。実に良い天気だ。SさんFさんも調子が良さそうだ。私は最近どうもテントで寝ると右足が痛む。
はじめは緩やかな登りを快調に進んでいく。歩きやすい。小荒島岳、シャクナゲ平と過ぎる。しだいに登りはきつくなりストックが邪魔に思える場所も増える。
前荒島岳につくと荒島岳が正面に見える。ここはよい天気だが荒島岳に厚い雲が覆い被さり滝雲のように流れている。実に雄壮な景色だが、このままでは山頂はガスになる。強い風が向かって右から左に流れており雲はここには届きそうにない。風が雲を吹き飛ばしてくれないものか、そう願いながら進んでいく。
途中一息入れ歩き始めようとするところで、私はストックがゆるく曲がっているのを発見して直そうと反対方向に曲げた。するとストックが折れてしまった。
「何年ぐらい使っています? 5年ですか寿命ですよ。毎週行っているのだから。」とSさん。来週も大朝日岳が待っているというのに。ダブルストックになれているので一本ストックはどうも具合が悪い。少し重いが予備のもう一本と合わせて2本にして使うか。そんなことを考えながら歩く。
山頂が近づいて来るとガスがあたりを囲み始めた。山頂では晴れてほしい。何しろ荒島岳の山頂は素晴らしい見晴らしなのだ。正式な晴れ男になった訳だし(会員番号01546)と思う。ただし正式の晴れ男が常に晴れを保証するわけではないのだが。
さて山頂は、ガスの中だ。いざガスの山頂で、おもしろくないのかと言われれば、全くそんなことはない。82座目の登頂を喜ぶ気持ちの方が断然に強い。良かった。今回も無事に登れた。もう少し待っていれば晴れる気すらするのだ。雲に青空に通じる穴を貫通させそこから晴れを拡張するのだ(これは妄想です。)。ただ風が少々強い。汗まみれの身体は風に吹かれると寒い。少し休んで下りにかかる。
「カーボンのストックが良いですよ。軽いですから。」とSさん。今度はそうするか。