下ノ廊下~仙人池~北方稜線~剱岳(3日目)その1
池ノ平3:40~小窓雪渓~小窓5:10~三ノ窓7:00~剱岳9:10~別山尾根~剣沢12:25(テント泊)
9月21日(月)小窓着5時を想定して、今日も3時40分真っ暗な中を出発。旧鉱山道を緩やかに登る、時折岩場があるが真っ暗なので高度感はない。やがて、雪渓に向かってガレ場を急降下して、小窓雪渓に降り立つ。雪渓はかなりゆるい傾斜だ。ピッケルを出して緩やかに登るとやがて急傾斜になるが、スプーンカットされた雪渓は適度な固さで歩きやすい。空が薄っすらと明るくなる頃、雪渓の最上部に辿り着く。ゴーロから草付きの急斜面を登ると、小窓のコルの少し上の北方稜線に出る。しっかりとした踏み跡を小窓王に向かって登る。空には一点の雲がなく、風もない今日は絶好の日和だ。
主稜線を辿らず、左側を巻くようにして登る。途中、急なルンゼの横断で少し前まで雪があった様子で、雪があったらいやな箇所だと思った。岩場の下で10人の学生風の団体に遭遇。その岩場をジグザグに登りしばらく行くと、小窓王の肩のような場所に着く。ここからバンド状の歩きにくいザレの急斜面を下って、少し登り返すと三ノ窓に到着。
数張りのテントがあり、目の前のチンネ左稜線には10人程取り付いている。稜線上を少し登って池ノ谷ガリーに取り付く、真ん中は崩れやすいザレの踏み跡がついているが、左端の岩壁に沿って登る。左手を岩壁に添えながら落石に注意をして慎重に登る。最後は崩れやすいザレのジグザグの道だ。辿り着いた池ノ谷乗越から今来た三ノ窓方面と長次郎谷右俣を見下ろすが共にすごい迫力だ。前方には岩場が立ちはだかっている。
凹角状の岩場を登りきるとようやくめざす剱岳本峰が見える。ここから長次郎のコルまでは稜線を左に巻いていくのだがわかりにくい。一度は上方に行き過ぎて行き詰ってしまった。元来た道に戻って下方の踏み跡を辿る。最後は岩場を登り返して大きなテラスをトラバースしてやっとの思いで長次郎のコルに着く。