槍ヶ岳~西穂高岳(4日目)
穂高岳山荘~奥穂高岳~ジャンダルム~天狗のコル~間ノ岳~西穂高岳~西穂山荘~ロープウェイ~鍋平
8月16日(日) 昨夜から雨が降り出し心配していたが、天気予報通り朝起きると止んでいた。今日一日の行程が長いので、まだ暗いが4時20分に出発。奥穂高岳の手前で日の出となる。奥穂の頂上からはこれから辿るジャンダルム、遥か下方に西穂高岳が良く見え、自然と士気が高まる。まずは馬の背の下り、両側がスパッと切れたリッジを慎重に足場を探しながらクライミングダウンをする。ロバの耳の岩峰をトラバースしながら上へ上へと登っていく。鎖はあるが岩登りの世界である。ここを越えるといよいよ前半のハイライト、ジャンダルムだ。私は正面の壁を垂れ下がったスリングを持って強引に登る。他3名はジャンダルムを左に巻いて西穂側から登ってくる。ジャンダルムの標高は3163m、奥穂高岳に次ぐ堂々たる高さなので360度の大絶景。ここから天狗のコルまでは350mの大急降下。コル目指して足元の悪いザレ、ガレ場を下る。ここから天狗ノ頭までがまた難所の岩場、今日の全行程中一番傾斜の強い岩場を登る。天狗ノ頭からは岩屑の塊のような間ノ岳が目の前に見える。この先の間天ノコルの手前が写真で有名な、逆層のスラブだ。写真ほど傾斜はないが、つるつるに磨かれた岩を靴のフリクションをきかせて、慎重に下る。間ノ岳までも岩場の連続で気が抜けない。間ノ岳へ登るとやっと目指す西穂高岳が現実的な近さになってくる。しかし眼前はまた大きく下っている。西穂高岳ひとつ手前のピークの登りに難関の傾斜の強い岩場がある。そのピークに立つと西穂高岳は手に届くような近さだ。待望の西穂高岳の頂上でガッチリと握手を交わす。しかし、独標まではまだ気が抜けない。ここからは一般登山者が多いのですれ違いに苦労をする。独標へ到着してやっと一息つく。ゆるい下り坂を西穂山荘に向かって進む。西穂山荘に着くとさすがにほっとする。小屋で昼食を摂り、乾杯。あとひと頑張りでロープウェイの駅西穂高口に着く。鍋平で車に乗車。平湯温泉で汗を流して、松本から高速に乗る。思ったほどの渋滞もなく9時過ぎに自宅に到着。