・1978年創設
・東京都山岳連盟所属
・例会毎月第1水曜日

白駒池~天狗岳~本沢温泉

2008/12/29(月)〜12/30(火)
報告者
浅井
山域
北八ヶ岳
ジャンル
雪山
天候
晴れ
行程

ピラタスロープウェイ山頂駅11:40~雨池峠11:55~雨池入口12:30~麦草峠13:35~白駒池14:05(テント泊)5:50~高見石6:35~中山7:40~黒百合平8:20~東天狗岳10:00~夏沢峠11:20~本沢温泉11:55~本沢入口13:20~稲子登山口バス停14:15~海尻駅14:55

報告

2月にピラタスロープウェイを使って黒百合平まで行ったが、天狗岳に登れなかったので、今年最後に再チャレンジをした。
茅野からのバスを降りるとロープウェイ乗場はスキー客の長蛇の列、しかし100人乗りのため10分待ちで乗れてほっとする。
山頂駅に着くと標高2200m、そこは白銀の世界。冬山完全装備で出発。今回は雨池峠を直進して林道に降り立つ。
トレースはあるが、せっかく持ってきたのでスノーシューを装着。トレース横の新雪を進む。麦草峠への分岐からは山道になる。
麦草峠手前の道路は除雪されていてヒュッテの前には車が数台停まっている。白駒池までトレースされた明瞭な道を快調に進むと白駒池青苔荘に到着。受付を済ませると水は池に氷を割って穴が開いているのでそこから汲むように言われる。
テント場は一番乗り、最終的には3張りだった。3時から食事を始めて、5時に就寝。夜半から風の音が大きくなる。
4時起床、6時少し前に出発。まだ辺りは真っ暗だ。高見石まではかつて知った道、不安はない。高見石で明るくなる。
長い中山までの道は重荷に喘ぎながら一歩一歩登る。山頂手前の樹林が切れたところは強風が吹き荒れているので急いで樹林帯に入り中山頂上で一息つく。中山峠へ向かう下り坂から雪煙舞う天狗岳を望む。強風に気合を入れなおす意味で黒百合平によって一休み。急斜面を登ったすぐ上の段から強風に身をさらす。風が強いのでトレースがいまひとつはっきりしない。岩に書かれた白丸を目で追いながら強風とルートファインディングに苦労しながら登る。強風のため時折、身体のバランスを崩す。
中山峠からの道と合流するとトレースがはっきりとする。この時期は中山峠から登るのが正解のようだ。東天狗岳の頂上に着くと、思いのほか風が弱いので荷物を降ろして写真を撮る。ここから根石岳越えが最大の正念場。天狗岳頂上から一つピークを越えた根石岳との鞍部からが本当の風との戦いが始まる。ゴーゴーと強風が吹くときは風に背中を向けて立ち止まって踏ん張る、時々風が弱まるので前進する。この繰り返しで根石岳山頂にたどり着き、眼下の根石小屋を見るとそこが一番風が強いと言わんばかりに雪が全然ない。とても休憩するような場所ではない。耐風姿勢を取りながら箕冠山の樹林帯まで逃げ込む。
頭上では樹林を風が揺らすゴーゴーをいう音がするが、今までの直接たたきつける風の音がピタッと止んだせいでシーンとした静寂感が訪れるから不思議だ。ここから夏沢峠まで樹林帯を下る。いままでの風から開放されたおかげでルンルン気分だが、夏沢峠から本沢温泉まで下る道に踏み跡があるかどうかが心配だ。夏沢峠に着くと学生山岳部の団体が休んでいた。九州から来たらしく、帰りの交通機関の相談をしている。今、山は若者が少ないので思わず心の中でうれしくなる。それはそうと、本沢温泉への道を見ると立派なトレースがついていたのでほっとする。ここから急斜面をジグザグに下ると、日本一高所にある野天風呂が右下に見える。ひとり入っていた。温泉に浸かっている時は暖かいけれどこの低温の中、出たら悲惨だなと思いながら本沢温泉に昼前に到着。ここに泊まる予定だったが、午前中に着いたら翌日の3時間の林道・車道歩きを決行すると決めていた。
軽く昼食を済ませてすぐに出発。3分程下るとこじんまりとしたテント場ですぐそばに水もあり、なかなかよさそうな所だ。
左にみどり池の道を分けて程よく雪の積もった林道を行く、時折登り坂が出てきて汗をかく。車止めのゲートを過ぎ少し下ると稲子湯へ続く立派な舗装道路へ出る。ここに駐車スペースがあって、下山してきた登山者が車に乗り込む所が見られる。
舗装道路を横断してなおも林道は続くがとたんに道が凸凹して悪くなる。廃屋状態の稲子小屋を左に見て淡々と下ると稲子登山口と書かれたバス停に降り立つが、バスは午前中だけで午後はない。ここから小海線海尻駅まで標識がないので地図を見ながら舗装道を歩く。すぐに川に突き当り、川沿いに右に曲がって川を離れると駅まで一気に下る。国道に出るともう少しだ。目の前に踏切が見えるが駅は見当たらない。踏切に立ち左右をみるとすぐ左に無人の駅が見えた。小淵沢方面の時刻表を見ると何と1分後だ、何と幸運なこと。ここから小淵沢まで1時間余り、野辺山と清里では多くの乗客があったが、他はほとんどない。小淵沢で10分待ちで特急あずさに乗る。

縞枯山荘と北横岳
雨池横の林道。左は通常のトレース。右は新しくつけたスノーシューのトレース
麦草峠より茶臼山・縞枯山を振り返る
白駒池青苔荘。気温氷点下5度
白駒池に氷を割って飲料水用の穴がある
穴の拡大写真。水は直ぐ凍ってしまうのでコッヘルで割って水を汲んだ
小屋のすぐ横に張ったエスパースマキシム
黒百合平。テントが数張りあり、なんとなく活気がある
東天狗岳山頂より硫黄岳・赤岳を望む
東天狗岳より西天狗岳を望む
根石岳手前より左、西天狗岳、右、東天狗岳を振り返る。風が強いのでカメラを持つ手がぶれる
根石岳山頂より根石小屋を見下ろす。すさまじい風のため雪がつかない
夏沢峠手前より西天狗・東天狗を望む
夏沢峠と九州から来た学生たち
本沢温泉のテント場。こじんまりしているが飲料水あり
本沢温泉1時間程下った林道より今歩いてきた天狗岳を仰ぎ見る