・1978年創設
・東京都山岳連盟所属
・例会毎月第1水曜日

南アルプス 仙丈ケ岳

2023/06/25(日)〜06/26(月)
報告者
加藤隆太郎
山域
南アルプス
ジャンル
夏山登山
天候
晴れ
行程
報告

23-06-25-26仙丈ヶ岳
 2023年の6月には4回週末がある。私事だが梅雨の時期にもかかわらず今のところ3回の山行は全て天候に恵まれた。6月最後の週末はどうであろうか。今回は仙丈ヶ岳である。言わずとも知られている百名山、南アルプスの女王と言われる山である。登り4時間下り3時間半、コースタイム7時間半の南アルプス入門の山とも言われている。
 コースは調布-伊那インター-仙流荘前駐車場-バスでこもれび山荘まえ北沢峠-テン場泊-大滝の頭-小仙丈ヶ岳-仙丈ヶ岳-仙丈小屋-テン場-帰京となる。
 7:30調布駅集合、時間は山としてはゆっくりだ。私は85㍑のザックに30㍑のザックを入れていく。マットも入ってしまう。手提げでロクテンを持っていく。中央高速は工事区間があったが比較的空いており気持ちよく走れた。
 仙流荘前の大きな駐車場には車がかなりな数止まっている。今日日曜日の午後にはかなり減ることだろう。バスの往復乗車券をもとめていると「11:00にバスが出ますから。帰ってくるお客さんを乗せてくるので。」この時間から帰りのお客が多くなるのだろう。我々としては12:00のバスの予定だったので良かった。こちらから乗り込んだのは私たち4人だけだった。
 バスは55分間乗車する。バスの運転手さんが途中植物や山、地層についてなどいろいろと話してくれるが残念ながら山の上には雲がかかっている。甲斐駒も仙丈も見えない。「朝6:00の便ではよく見えていたのですけど。」と運転手さんの口調も心なしか気の毒そうだ。
バスは林道を標高約500㍍から約2000㍍へと上っていく。1500㍍を一気に上がっていく。こもれび山荘前北沢峠でバスを下りると明らかに涼しい。気温が違うのが分かる。私は早速山荘で登山バッチをもとめる。甲斐駒と仙丈ヶ岳のバッチがそれぞれ3種類ずつあった。

長衛荘テン場、すぐテントを張ってしまう。12:00過ぎにテン場についてやることはテントを張るだけだから時間はたっぷりとある。きれいな沢が傍らを流れあちこちに水場のある水の豊富なテン場である。南アルプスは水が豊かだとFさんが言っていた。
陽が当たって暑いが日陰は涼しい。

午後3:30ぐらいから飲み出すが、少し前と違ってみんなあまり多くは飲まない。缶ビールと自分が持参した少しの焼酎、ワイン、ウヰスキーだ。
 いろいろな話をしたが、最近読んだ本の話になり、私がNさんに教わって読んだ角幡唯介さんの極北探検の話、そこから山野井泰史さんのアルパインクライミング、関谷吉晴さんのグレートジャーニー、沢木耕太郎のアルピニストと死、と話は広がって、一息ついて植村直己さんの「青春をやまにかけては面白かった。」とFさん、考えてみれば探検家となればまずは植村直己さんだ。よし今週は植村直己を読もう。
 ここいらが私の登山歴の浅さを露呈するところだと思う。山の本なんて加藤文太郎、トムラウシ遭難事故、八甲田山死の彷徨ぐらいしか読んでいない。きっとおもしろい本がたくさんあるに違いない。みんなに聞いて読んでいきたい。

21:30ぐらいに就寝。
就寝後、私の身体が変調を来した。右足の筋肉があちこち痛んで眠れない。寝相の問題かと身体の向きを変えるが良くならない。右をしたにするととても痛む。仕方なく起きて湿布を貼る。しばらくは良かったのだがまた痛み出す。痛む場所も一箇所二箇所三箇所とあちこちとなる。昨日おこなったいつもと違うことは、ロクテンを持って歩いたことに気づいた。自宅から駅、テン場まで片方の手で持つものだから身体のバランスを崩してしまったに違いない。それからもトイレに行ったりして、寝たのかも知れないが主観的には全く眠れなかった印象である。
起床して少し動けば楽になるのではないかと自分に言い聞かせる。途中でだめになればピストンだからテン場に戻るかと考える。途中で迷惑を掛けることになるかも知れないと朝一応メンバーに不調を伝えた。するとOさんが「どこか痛む時はそこが問題なのではなくて違う箇所に課題があることが多いと言いますよ。」と言った。「腰だ!」この痛みの原因は腰だ。私の脊椎は2箇所軟骨がつぶれている。そこが痛んだのだと思う。腰が痛む時もあれば右足部のこともある。間違いない。ロクテンを片手で持ってふらふら歩いたことが原因に違いない。
 4時間の登りが突然大変な難行に思えてきた。
 実際登り始めるとすぐ苦しくなった。足の痛みは感じないが心臓が苦しくすぐばてる。寝不足か高度による辛さかは分からない。おそらく寝不足と脊柱が原因だろう。
 ゆっくり登って行くが息が切れるしばてる。突然さださんが「ばてるってどういうこと? 私はばてたことがない。」等と言っていたことを思い出した。こういうことだ!
Fさんは夏のアルプスに向けて、ボッカ訓練、Tさんの2㍑Oさんの1.5㍑の水を担いで歩いている。たいしたものだ。山ガールの面目躍如。去年負傷で歩けなかった分を今年は取り戻しそうだ。この心がけがなければ長く山は続けられないと思う。自分などは荷を軽くすることばかり考えている。重いザックは苦手だ。

途中から山々の姿が見え出す。6月とは思えない展望だ。下の方には雲が湧いている。大滝の頭を過ぎやっと小仙丈ヶ岳、「ばてたところを撮って。」「ばてた顔をしてよ。それじゃあさわやかすぎ。」とTさん。カメラを向けられるとつい繕ってしまう。
 さらに1時間ほど登って仙丈ヶ岳、今年2座目の百名山だ。
山頂は360度の大展望、すぐそこに甲斐駒ヶ岳、あそこに鳳凰三山、少し離れて八ヶ岳、北岳も近い、間ノ岳は峰つながり、あれが塩見岳、富士山が奥に、彼方には北アルプス槍が認められる。名だたる名山が手にとって見るように見える。6月の梅雨の時期なのにありがたいことだ。文字通り雲上の楽園をしばらくたのしむことができた。大きな夏のような雲が、私たちが頂上を下りる少し前から甲斐駒、鳳凰と山々の姿を隠して立ち上り始めていた。時間的にも幸運であった。まもなく私たちが昨日バスで登ってきた時のような山頂になってしまった。

 仙丈ヶ岳、南アルプスの女王の名にふさわしい山でした。皆さん今回もありがとうございました。山行中に新たな山の計画も出来たし、実に良い山でした。
 私事ですが今回の仙丈ヶ岳で、私は6月中4回の山行、全部晴れでした。信じられない。私は晴れ男かも知れない。