丹沢 大山
22-1210土 丹沢 大山
今日は久しぶりの大山である。5.6年ぶりだ。伊勢原駅で待ち合わせる。午前8:25発の大山ケーブル駅行に乗る。お試し山行の衣川さんも参加だ。衣川さんは緑色のダウンを来ているとのことだ。無事に改札出口で合流し8:25のバスに乗ることが出来た。15分ほどバスに乗り大山ケーブル駅に到着だ。ミカンや柿を無人で売っている。300円から500円。
参道を進む。両脇に湯豆腐、猪鍋の料理屋、お土産屋、旅館が続いている。
数年前に来た時はK先生と一緒だった。当時70歳だったと思う。不登校の子ども達と教育センターで勉強したり卓球をしたりしていた時の職場の先輩だった。大の甘党で羊羹やチョコレート、白い砂糖が塗られたせんべい等が好物だった。お酒はあまり飲まない。自宅の一階にコンクリートを打った書庫を造ったぐらいの読書家で毎月2万5千円ぐらい本を買うと言っていた。毎日のように書店に行くのが趣味のような人だった。私はこの頃ランニングで職場に通っており距離が足りないのでわざわざ遠回りをしていた。
あるとき運動の話になり腹筋を鍛える話になった。私はK先生に「一寸腹を固めてみて下さい。」と言って先生のお腹に指を伸ばして押してみた。指はずぶずぶと腹に刺さって腹筋に当たらない。「先生お腹に力を入れてみて」「入れてるんだよ」私は堅くならない腹筋が有るとは知らなかったので思わず笑ってしまった。K先生は憮然としていた。
そこで一緒に山に行きましょうと言う話になったのだ。高尾山ではあまりにポピュラーだし混んでいるので、大山ぐらいなら子どもでも登る山だから大丈夫だろうと大山に行くことにした。これが大変なことになった。三分の一ほど登ったところでK先生は疲れてしまった。今考えれば途中で止めて戻るという選択肢があったのだがその時は考えなかった。山頂まで登って休めば何とかなる。これが私の考えだったのだ。
2時間40分ぐらいのコースタイムに何時間かかったのか覚えていないが、山頂でゆっくり食事を摂った。内容は覚えていないがパンを主食にした豊かなバラエティに富んだ昼食だった。息子さんに大山に行くと言ったら「おやじ大丈夫か? 一緒に行く人に体力はあるとか言ったんじゃないか?」と言われたらしい。K先生帰りは「ケーブルカーで帰る。もう体力が持たない。」と言った。ケーブルカーは最終が午後5:00充分間に合うだろうと思った。普通に歩けばケーブルの駅まで1時間5分ぐらいのコースだ。
しかし、下りはとても怖かった。K先生の足運びが心許ないのだ。何回か足がつるし、事故無くケーブルの駅にたどり着けるのか不安だった。ケーブル最終に間に合わなかったら大変なことになる。この頃漢方の68番を持っていればと思うが、このころは体がつったときにそれを直すのみ薬があるなどとは知らなかった。
やっとケーブルの駅にたどり着いたのは7分前、事故がなくて本当に良かった。K先生もよく頑張った。
山行は同行者の体力をよく知らなければならないとつくづく思った。このことはリーダーの責任の一部であると思う。
2度目の山行に誘ったこともあったが実現せず、K先生は一昨年亡くなった。
今回の大山は初心者にこの山が適切であったか検討したい気持ちもあった。
大山男坂コースはメインコースだが、のっけから石階段の登り一方の道だ。休憩場所はあるし、道幅も広いがほとんど全部が石段で足に疲労が早く溜まり解消されることがない。
運動経験のない初心者に大山は向いているか。結論、向いていない。
今回お試し山行の衣川さんは山行の体力が充分にあり、これから様々なスタイルの山行をこなして経験を積まれていくことと思います。入会を歓迎します。
※大山の丁目は一丁から始まり二十八丁で山頂となります。