・1978年創設
・東京都山岳連盟所属
・例会毎月第1水曜日

朝日岳と沢口山

2022/12/10(土)〜12/11(日)
報告者
鈴木
山域
南アルプス深南部
ジャンル
日帰りハイキング
天候
晴れ
行程

12/10(土) 寸又峡温泉から朝日岳往復
12/11(日)寸又峡温泉から沢口山周回(日向山コース~山頂~猿並平コース)

報告

寸又峡温泉に泊まり、南アルプス深南部、寸又三山の朝日岳と沢口山に行ってきました。天気に恵まれ、旅行支援の恩恵も受けて温泉や食事も堪能でき、とても楽しい山行でした。

12/9(金)
14時にMaさん宅に集合し、Maさんの車で中央道~中部横断自動車道経由で寸又峡温泉へ。翌朝暗いうちに出るため、登山口への道の分岐を確認して、18時過ぎに光山荘に入りました(夕食は20時まで。お風呂は21時半まで)。夕食は鹿刺しや山女魚、椎茸の含め煮など山里らしい料理で品数がとても多く、配膳も心遣いが感じられ、どれもとても美味しかったです。寸又峡温泉は「美女づくりの湯」とも言われるそうです。光山荘のお湯はぬるぬるとして、お風呂場もとても滑りやすかったですが、いいお湯でした(源泉・加温循環)。

12/10(土)
朝食はおにぎり弁当にしてもらって、5時に宿を出発。前夜確認した分岐から先は町の明かりもなく、ヘッドランプを点けて歩きます。真っ暗な草履石公園の中を少しウロウロして(公園の中に入らないのが正解でした)、遊歩道を下り、猿並橋へ。長い吊り橋を滑らないよう揺らさないように、そろりそろりと小股で渡りました。登り返して登山口の看板のある林道に出、ひと休みしてから、Moさん、Tさん、S、Maさんのオーダーで登山道へ。暗い中、やせ尾根や急登が続きます。東の空が明るんできて、1030m付近の尾根に乗ったあたりですっかり明るくなり、ヘッドランプを外しました。
その先も、落ち葉が積もり滑りやすい気の抜けない急登が続きます。風もほとんどなく穏やかな晴天の下、木々を透かして前黒法師山などの深南部の山々が見えてきます。あたりは南部の山らしく常緑広葉樹が目立ちますが、傾斜の緩んだ落葉樹の斜面もありなかなか良い雰囲気です。
1220m付近からトラバースして、「合地(がっち)ボツ」で明瞭な尾根に乗りました。合地ボツとは変わった地名だなと帰ってからネットを調べたら、「ボツ」というのは土地の言葉で尾根を意味し、合地ボツは尾根が合わさる意味と書いてあるものがありました。地図を見ると「合地(がっち)山」という山も近くにあります。
合地ボツからは傾斜が緩み、木々の向こうに朝日岳が姿を現します。展望所が2か所あり、西側が開けていますが、どちらも展望は樹林越しになるため、葉の繁る夏場には展望はなさそうです。前黒法師岳、黒法師岳、丸盆岳、不動岳などが見えているようです。行く手の朝日岳は、最後の急登と大きく崩れたナギが大迫力で迫ってきます。
急登の終盤に「栗山沢の頭」の標識が立っており、そのあたりで足の速いソロの男性に抜かされました。この方は朝7時に出てこられたとのこと。結局この日、山の中で会ったのはこの方お一人でした。
急登を終え緩やかな尾根を辿ると、まもなく樹林に囲まれた朝日岳の山頂です。山頂付近にはうっすらと雪が残っていました。先ほどの男性が休憩されていたので、写真を撮っていただきました。山頂からは展望はありませんが、木々を透かして富士山が見えました。
帰路は落ち葉で滑りやすい急坂に備えて、安全のためチェーンスパイクを付けて下りました。南面でしばらく雨も降らなかったためか、良く乾いていて凍結個所などはありませんでした。
途中、山の見える場所では、山座同定好きのMoさんとSが地図と磁石を手にして、ひとしきり珍しい深南部の山々の眺めを楽しみました。登山口の近くからは、大間ダムの奥に小さく夢の吊り橋も望めました。
下山後はカフェでゆっくりお茶してから宿に戻り、温泉と、前日とはメニューの異なる美味しいお料理を堪能しました。

<コースタイム>
寸又峡温泉5:00-5:50朝日岳登山口-6:20/30休憩-7:15/25・1030m付近の尾根-8:00/05合地ボツ-8:35/50展望所-10:15/10:35朝日岳山頂-11:10/15休憩-11:25/35休憩-12:15/25休憩-12:30合地ボツ-12:40/13:05休憩-14:15/20朝日岳登山口-14:55寸又峡温泉

12/11(日)
朝食を頂き、ゆっくり8時過ぎに宿を出て、もう一つの寸又三山、沢口山へ。寸又峡温泉から反時計回りで周回しました。
登山口から日向山コースに入り、急登をひと登りで尾根に出ると、昨日より強い風が吹いていましたが、木の間越しに周囲の山々が見えてきます。前黒法師岳もかっこよく見えています。歩きやすい山道を登っていくと、ヤマイワカガミの群生地や、赤ヤシオツツジの群生地がありました。花の頃はさぞきれいだろうと思われますが、この辺りはヒルが多いそうです。
猿並平コースとの分岐、鹿のヌタ場や大ミズナラの木がある山頂直下の台地を過ぎて、最後のひと登りで山頂の一角に出て天水・山犬段方面への道を分けると、東屋のある山頂です。前日の朝日岳と違って、北面が開けており、古い木の山名盤も置かれていて、素晴らしい展望が得られました。朝日岳の奥に風イラズから続く大無間山や大根沢山、聖は雲がかかって見えなかったけれど、光岳から加加森山、池口岳に続く稜線、東側は木が多いものの、富士山や安倍奥方面の山々も見えました。
下りは分岐まで戻り、猿並平コースに入ると風も弱くなりました。分岐の直下に富士山の良く見える展望台がありましたが、その後は植林が多くやや単調なコースでした。
下山後は飛龍の湯で汗を流して温まり、紅竹食堂さんで渓流そば(美味!)を頂いて、帰路につきました。
寸又三山、残りのひとつ前黒法師岳にもぜひ行きたいと思いました。

<コースタイム>
寸又峡温泉8:40-11:25/12:05沢口山山頂-14:30寸又峡温泉