・1978年創設
・東京都山岳連盟所属
・例会毎月第1水曜日

北海道 トムラウシ山

2022/08/26(金)〜08/26(金)
報告者
加藤隆太郎
山域
北海道
ジャンル
夏山登山
天候
晴れ
行程
報告

22-0826 トムラウシ山登山
昨日、トムラウシ山登山短縮路への林道が崩れていることが分かった。トムラウシ温泉国民宿舎の方に聞くと「道が崩壊していて車が通れません。皆さんもう一つの道で行っています。」とのこと。地図を見ると往復35分の短縮路に対し、トムラウシ温泉コースは往復3時間20分かかる。トムラウシ山は短縮路を使ったコースタイムで往復11時間55分約12時間かかる。これがトムラウシ温泉コースだとプラス2時間45分、休憩なしで往復14時間40分かかることになる。
貞さんが言う。「こんなにはかからないよ。20%減ぐらいでいけるのじゃないか。」0.8を14時間40分にかけて11時間44分、そううまくいくだろうか。貞さんは確かに健脚だから可能だろう。私は貞さんほど速くは歩けない。しかし行くしかないのだ。
午前4:00出発としてコースタイム20%減で1時間の休憩を入れて12時間44分、午後4時44分帰着予定。
コースタイム通りだと休憩1時間を入れて15時間40分、午後7時40分の帰着予定となる。コースタイムで歩くと遅すぎる。
午前3:00起床、4:00出発とする。これ以上早くは難しい。
午前4:15出発。予定より15分遅れ「誤差の範囲だ。」と貞さん。誤差が重ならないと良いが。
トムラウシ山はアイヌ語の名前からして良い。トムラウシを登ってきたと聞くと、うらやましくなり自分も行ってみたいとずいぶん前から思ってきた。登るのは幌尻岳に次ぐ困難さだと思う。
暗くて登山口が良く分からない。発見して登り始めると私のヘッデンに比べて二人のヘッデンが明るい。私のは確か160とか200ルーベンで二人のは500ルーベン、テントの中では明るすぎる所もあるが、暗い登山路を歩く時には500の明るさがほしい。はじめは急登が続くがしばらくして緩くなる。次第に空も明るくなってくる。
短縮路との合流点に到着。2時間のコースタイムが1時間30分で来られた。良かった。一息入れて美しい木々の密生した道を1時間歩いて「カムイ天上」。ここから道はほとんど登らないが、水たまりぬかるみが続く。さらに沢に向かってジグザグ急激に下る。「こまどり沢」の水場だ。
沢まで下りた道を今度は登っていく。1時間弱で「前トム平」進んで「トムラウシ公園」という開けた場所に出る。盛りには高山植物の花が美しそうだ。今は少し時期がおそかった。ここから大きな岩場を登っていく。「今鳴きました!」大嶌さんが教えてくれる。時折ナキウサギの擬音にするのが難しい声が聞こえる。「ギッ」とか「ジッ」の間の声だ。岩場なのでナキウサギが隠れる場所には困らない。
「トムラウシ分岐」尾根に出る。ここにテン場がある。十勝岳から縦走してここにテントを張るらしい。目の先にトムラウシの山頂が見える。カラフルな登山者達の姿も見える。岩場が一気に山頂へと突き上げている。あえぎなら登る。山頂だ。
ここで雲が切れて陽が当たり始めた。今までもう一つ透明度がなかった空気がぬぐったようにさっぱりと山脈を見せてくれる。
山頂で昼食を摂るような時間はないがコーヒーを一杯飲む。言わずもがなだがうまい。貞さんにコーヒーをあげたがカップを探している内に時間が過ぎてしまった。

下りはやはり長かった。下山が終了したのは午後5時45分頃、かかった時間は13時間27分、休憩も入れてなので良しとしよう。累積標高約2000㍍を上り2000㍍を下っている。
今日の宿泊地もトムラウシ野営場なので移動がなくその点は楽だ。下山し国民宿舎の風呂にすぐ入る。温泉である。全身に浸みる。温泉から野営場まではわずか車で5分ほどだ。
食事をして一杯飲むがすぐ眠くなる。あまり早く寝ると翌朝が都合の悪い時間に目覚めてしまう。もう少しみなさんとおしゃべりをして休もう。夜空は東京ではとうてい望めない大量の星だ。金星が普段より大分大きい。星明かりという言葉があるが、星明かりで何かを見ることなどはなから不可能だと思っていたがこれだけ明るいと多少見えるかも知れない。
北海道百名山困難度2位のトムラウシにも無事に登ることができました。最高でした。大嶌リーダー、貞さんありがとうございました。