・1978年創設
・東京都山岳連盟所属
・例会毎月第1水曜日

北海道山行 幌尻岳

2022/08/13(土)〜08/13(土)
報告者
加藤隆太郎
山域
北海道日高
ジャンル
夏山登山
天候
晴れ
行程
報告

22-0813土 幌尻岳登山
 4人は朝4:00に出発した。私たちは水量が減るのを待って8:00ぐらいに出発の予定だ。
うまく登ってくれると良いがと願う。
 5:30単独の77歳の男性が下山する。
 6:00、ご夫婦の2人が出発、登ってほしい。
 6:20、4人が戻ってくる。やはり「渡渉が難しくて、水流が強くストックを差しても流されるような状態で」と録画してきた渡渉地点の沢を見せてくれる。後から来た若い男性は最後岩から飛んで向こう岸にたどり着き進んでいったとのことだった。それでも片足は水に浸かったそうだ。4人は予備日を使ってしまっているため今日は下山しなければならない。しばらく休んで下山していった。
 こうなるとご夫婦の2人には是非とも行ってほしい。
 8:00少し過ぎ、ご夫婦2人が戻ってくる。昨日から今朝まで出会った9人全員全滅となった。やはり渡渉が難しい。この2人は私たちの出発を待って戻らないことが確認できたら再出発するとのことである。
 8:00に出発予定であったが少し早まり7:00過ぎに「行きますか」「行きましょう」4:00前から準備の音などで目が覚め準備は万端に整っている。
 外に出てみるとベンチの所に男性が1人いる。聞いてみるとチロロ林道からのルートを目指したが道が雨のため崩壊しており通行止めで、こちらに回ってきたとのことである。チロロ林道から新冠コースまで車で何時間かかったのだろう。何百㎞か。そしてそこから19㎞歩いてきたわけである。これから山頂を目指し登頂し19㎞を今日中に下るという。移動距離がとにかくすごい。他の人と違って見えるところはない。おとなしめな服装だが体力はぬきんでていると思われる。
 10分ほどすると道が沢沿いになる。今日は水量が多いのでその道を避け山腹に取り付く。道が崩壊しているところもありロープをツタってのトラバースが続く。歩を進めて1時間弱、渡渉地点に到着する。見て正直なところあまり難しそうには見えない。ロープなど使うまでもない。ここでサンダルが活躍する。ひぐまさんのサンダルはビブラムソールの本格派、私のサンダルはワークマン。しかし、水でもすべらないソールなのだ。私とひぐまさんはサンダルに履き替え、重本さんは登山靴で行く。動画にあるように3人とも転ぶことなく無事渡渉を完了する。
 やったー!!あとは登るだけだ。重本さんには100座目、ひぐまさん95座目、私60座目である。がんばりたい。
 しばらく登ると、ホイッスルの音がする。熊よけのようだが良く鳴らす。近づいて来ると私たちが帰ってこないことを見定めてから再出発すると言っていたご夫婦だ。
 2回ご主人に徒渉点まで水量を見に行ってもらったと言っていたが、往復約4時間だ。そういえばご主人マラソンをすると言っていたがたいした体力だ。抜かれたり抜いたりして進む内に、雨が降り出した。本降りにならなければ良いがと思っていたところ、先行していたご夫婦が下ってきた。「行きたかったけれど雨なので戻ります」おそらく沢が又増水することが怖いのだろうと思う。あの増水は一晩中降り続いた豪雨が原因で、このような小雨は影響を与えない。ご主人は山の経験は奥さんより無いようで奥さんの意見を尊重せざるを得ないのだろうが大変だと思う。
 中間点という表示を過ぎてさらに行く。雨はすぐ上がったが、ガスはなかなか切れてこない。
 標高1650の所にある水場は普段小さな沢だったようだが、今日は白い水煙を上げる沢となって流れている。
 登っていて雨にも降られるが楽しい。今日は幌尻岳に登れる。今日登頂できたらきっと忘れられない一日になる。それにしても沢で断念した人達は気の毒だ。おそらく沢の経験がほとんどない人達であったのではないかと思われる。あの沢の渡渉、数時間ぐらい前なら安全に渡れたのではないか。あの沢には流されたところで深いところはなさそうだった。沢登りの経験も岩の経験も山には必要なのだと思わされた。総合的な力が登山にはいるのだ。それが無ければあの程度の渡渉でもゴウゴウとうなるように流れていると渡る自信がなくなってしまうのではないか。
 そんなことを考えながら歩いていると、ホイッスルの音が近づいて来る。あのご夫婦だ。
我々と別れてご主人が「何のためにカッパを持っているんだ。みんな登っているのにこんな雨であきらめるなんておかしい。」と言って説得し登りを再開したらしい。
 奥さんの意見が良く変わるのでご主人もついに怒ってしまったようだ。この2人体力は大丈夫、先に行ってもらう。
 ついに山頂に立つ。少しガスが多いがそんなことはかまわない。我々としては登頂したことがうれしい。重本さん百名山達成おめでとうございます!!重本さんは万歳を繰り返している。ひぐまさんは来年の聖岳でフィナーレになりそうだ。

 新冠ポロシリ山荘に戻ると1階に5人2階に2人の登山者が上ってきていた。天候の回復を見ての行動だろう。明日なら大丈夫だ。
 新冠ポロシリ山荘泊