・1978年創設
・東京都山岳連盟所属
・例会毎月第1水曜日

東北 岩手山

2022/08/06(土)〜08/07(日)
報告者
加藤隆太郎
山域
東北
ジャンル
夏山登山
天候
雨・曇り・晴れ
行程
報告

22-0806土  調布から岩手山山麓 馬返しキャンプ場
7:00調布駅集合、少し早めについて登山靴からサンダル靴に履き替える。このサンダル靴は幌尻岳に登る途中にある沢の渡渉時にも使用する予定だ。ひぐまさん、大嶌さん、吉村さん、加藤の4名で出発する。出発前には4名で出発できるのか危ぶまれた時もあったが、無事4名で出発できた。何よりだ。
今日は岩手県馬返しキャンプ場まで568㎞約8時間の車での移動となる。長距離だがドライバーも4人なので手替りがあるのは心強い。途中上河内で餃子とラーメンの昼食を摂る。
本日の宿泊場所、馬返しキャンプ場は無料だがなかなかに良いキャンプ場だ。水場もトイレも近い。4テンを二張張り2名ずつの贅沢スペースで過ごす。
ここで船越さんと落ち合う。船越さんは今日舟釣りだったそうだ。ヒラメ、カレイねらい、残念ながら釣果はヒラメが1枚とのこと。船越さんには東北でいつもお世話になっている。本日船越さんはご自宅へ戻るそうだ。4人でビールで乾杯、吉村さんがトマトやソーセイジを切ってくれる。今日は途中でもとめた焼き肉と野菜で豪華な夕食となった。気になるのは明日の天気だ。
馬返しキャンプ場泊
 
22-0807日 岩手山登山
 朝起きると小雨である。昨日寝るころから降り出した雨がやまない。今日は岩手山に登る予定である。これぐらいの雨であれば登ろうと思う。
ひぐまさんが「あっちのほうは止めるんだって」と教えてくれた。大嶌さんが「山の上は暴風雨ですよ。」という。「麓のほうでは雷、上では熊も出ているらしい」と次々に怪しげな情報が入る。結局、大島さん、吉村さん、船越さんは八幡平へ今日は行き、明日天候を見て岩手山を考えることにした。ひぐまさんと私は今日登る。
0.5合目、1合目、2合目と次第に雨脚が強くなる。岩手山には「何合目」の看板があるのだ。これで風が強くなれば今日の山は断念しなければならなくなる。尾根に出れば風は強くなるだろう。それがどの程度かが問題だ。
休憩中もちいさなパンを食べながら雨に濡れる。6合目、7合目と登ってくると雲が時折切れる。「これはいいぞ!」と足を運び8合目の避難小屋につくと、風は強いが空は晴れ渡る。「やったー!」晴れ男ここにあり。この小屋で登山バッジを購入した。この避難小屋は市が運営しているようで宿泊は1700円、休憩は無料、コーヒーなどは100円である。コーヒーと言ってもスティックの粉末だが。帰りに寄ろうと歩を進める。小屋の前に清水があり勢いよく水が出ている。これが御成清水。おそらく風に飛ばされないようにと思われるがとても重たい金属製のコップが置いてある。水をごちそうになる。うまい。よく冷えている。
 森林限界を超えているので高い樹木がなく風が強まりガスが流れていく。さらに8合目から上は草もほとんど生えていない火山特有の姿となる。浅間山と似ている。
 お鉢巡りの尾根に出ると幅の広い登山道に沿って何体もの仏像が等間隔に立っている。様々な仏像だ。道ははるかに登り続けている。左側からは間断なく白いガスがひきつけられて飛んでいく。不思議な光景でこの道を行けばどこかこの世とは違う世界に行けそうな気もする。
 ついに山頂に立つ。ひぐまさんとグータッチで登頂を祝う。
 岩手山と書かれた板と、置かれてあった不動明王の持つ剣を手に記念写真を撮った。ガスは切れて周囲も見渡せるようになった。

 下山時8合目の避難小屋で昼食を摂り100円のココアを飲む。風もなくなった。休憩中に小屋の人が外のベンチで横になっていた若い女性を中に連れてきた。ストーブをつけている。「足をくじいて、寒くて」と言っている。登頂はあきらめてここから降りるようだ。今日は雨にふられたから濡れたのか。単独の登山者である。こちらは少し暑いくらいだが精神的なものもあるかもしれない。
 馬返しキャンプ場で我々のテントから少し駐車場よりに、テントを二つ張っていたご夫婦が避難所に来られた。奥さんのほうが、疲れたらしく今日はここで泊まると小屋の人と話している。
 私たちは昼食を摂りココアやコーヒーを飲み元気いっぱいで下る。途中お花畑に可憐な小さな高山の花たちが一面に咲いていた。虫たちも蜜集めに忙しそうだ。
 キャンプ場に降りていくとちょうど八幡平組の3人がテントを鬼又清水へ移動させていた。ここのほうが登山口に近くトイレがきれいだ。
 私たちはテントを撤収し170㎞を酸ヶ湯キャンプ場へと向かう。
 酸ヶ湯はとても有名な温泉だ。テントを張り温泉に向かう。ホテルの温泉に入りそこのレストランで食事をしようという計画だ。車からホテルに電話をして午後7時までと確認をとっている。風呂を浴びてから食事という考えだった。
 しかし、ここにきて判明したこと、午後7時はホテルに滞在しているお客へのサービスの時間で外来者へのレストランはない。
 仕方ない持参したもので済まそう。はっきり覚えていないが私はコロッケパンを食べたような気がする。ひぐまさんはお湯戻しの味噌カツをおかずにご飯を食べていた。
 酸ヶ湯は混浴であるが女性客は入っていなかった。明かりが少しくらい。湯は目に入るととてもしみる。なめてみると酸っぱい。まさしく酸ヶ湯だ。中で石鹸の類は使えない。 お湯を何度もかけて頭や体を洗った。だいぶさっぱりした。温泉内はすべて木造で昔の雰囲気をそのまま残している。
 出てくると先ほどレストランはやっていないと教えてくれた女性がひぐまさんに「明日の朝の朝食は今申し込めば可能です。バイキング形式です。どうですか。一人1650円です。」と言っている。「どうする?」とひぐまさん「頼みましょう。」ということで朝食は夕食とは比較にならないくらい豪華なものとなった。
酸ヶ湯キャンプ場泊