・1978年創設
・東京都山岳連盟所属
・例会毎月第1水曜日

木曾御嶽山

2022/07/16(土)〜07/18(月)
報告者
加藤隆太郎
山域
木曾御嶽山
ジャンル
夏山
天候
雨曇り晴れ強風など
行程
報告

22-0716 ひぐま宅から木曾御嶽キャンプベース泊
ひぐまさん、濱邊さん、舟久保さん 加藤の4名での御嶽山登山、濱邊さんと私は百名山の一座となる。何やかやと準備を整えて13:40ひぐま宅を出発する。天候は雨。
始め小雨だったが次第に本降りになっていく。
ひぐま宅では奥様から野菜類、スイカ シシトウ きゅうり なす 枝豆などを差し入れして頂いた。ありがたい。ひぐまさん濱邊さんと運転を交代しながら順調にドライブ。
ただ問題は私が行動食とビールなど酒類を途中のコンビニで調達しようと考えていたのだが、まだ先にコンビニがあるだろうと車を進めたところで、コンビニがなくなってしまったことだ。やはり何があるか分からない。食料計画は事前に準備しておくべきだった。
ビールだけキャンプ地途中の新築ホテルで買うことが出来た。よかった。今晩一切酒類なしになるところだった。
17:00過ぎにロープウェイ駅に到着、17:00までが受付だったので入り口は施錠されていたが運良く係に方がいて明けてくれた。ロープウェイ駅に駐車場だったところがキャンプ場になったそうで少しくだったところにテントが十数張りはってあった。中ゴムを替えたポールはパチパチと気持ちよくつながる。
雨が降り続くなかテントでの宴会を始める。ひぐま家の野菜でのアヒージョ、焼き肉などひぐまさんが用意してくれたものを頂いていくが食べきる前にお腹が一杯になった。今夜はここまで。なんとスイカは濱邊さんが担いで行くと言う。それは上で食べるスイカはとてもおいしいが大変だ。
そんなことを考えながら22:00頃就寝。感想、ひぐまさん濱邊さんはよく飲む。

22-0717 キャンプ場からロープウェイ駅 御嶽剣が峰 摩利支天山 五の池小屋泊
朝明るいので晴れかと思ったが、雨模様。雨の小やみをねらってテントを撤収する。
キャンプ場からロープウェイ駅へ移動。7:00から運転開始を待って乗り込む。2人は傘 2人はカッパにて出発する。傘も良さそうだ。
遠望しても大きな山だが、登り始めてみると信仰の山、霊山と言われている山だと納得する。御嶽山、白山、月山と日本三大霊山と言われるわけだ。白装束の登山者が多いし、途中の休憩所も山小屋もみな宗教上の施設のようだ。歴史も感じる。山伏姿の人もいる。この2人の山伏姿の人は後になって分かったが今夜の泊まりも今日明日の行動予定も我々とほとんど同じようであった。所々で持参のホラ貝を吹いていた。
雨が降ったり止んだり、日が差したりガスったり、天候のバラエティがすばらしいというかめまぐるしく変わる。カッパを着ているがロープウェイ飯森高原駅が標高2150㍍なのでそれほど暑くはない。
1000㍍ほどの登りという事になるが調子が出ない。2週間ほどの運動不足が悪かったか。
結構な登りに感じる。
 覚明社、八合目女人堂、石室山荘、剣が峰とやっと歩いた。
 頂上はガスで真っ白だ。56名(不明者もまだいらっしゃる。)の登山者が犠牲になった平成26年の噴火の記念碑があちこちにある。今回の噴火口は登山してきた人が礼拝する地点の奥である。頂上直近には避難のための四角いブロックが幾つか並んでいた。あらためて56名とは大きな人数だと思う。
頂上で自ら後期高齢者だとなのる男性がいた。75歳過ぎて登っている。立派だ。自分が71歳だから最近特にそう思う。この人も途中かなりばてていた。いっぽう奥さんは元気。
二の池小屋、不思議な場所だ。目の前に広がる砂原、向こうには大きな雪渓が斜面を覆っている。そこから溶けた出した水が池になっている。砂浜を歩いているような錯覚を覚える。
麻利支天山へ向かう頃から少しずつ青空がのぞく時間が長くなった。
麻利支天山山頂は本当に狭い。立った人をカメラに納めるために下がるスペースがないぐらい。
三の池、きれいな緑色、銅が溶けた毒々しい緑ではない。片側に雪渓が残っている。池が弧を描いており、ここにもドラゴンアイが出来るようだ。
14:00ごろ五の池小屋に到着。大きなテラスが目の前の山と池に張り出している。山に向かって座り心地の良さそうないすが十数脚あり、いすの目の前の手すりはテーブルを兼ねている。飲み物や食べ物を置くことが出来る。ビーチでのように寝そべることの出来る寝椅子が4脚、さらに畳敷きのスペースが設けられている。今日は空いているのでどこでも座ったり寝そべったり出来る。これらのいすやテーブルは全て木製でプラスチック製のちゃちなものではない。心豊かにゆったり出来る。 
ここでひぐまPはテーブルを囲み生ビールで乾杯し、濱邊さんが担ぎ上げてくれた甘いスイカを堪能したのだ!! 何というぜいたく!! あとで覗き込んだ男性がスイカの皮を見て「スイカ食べたんですか!?」と驚いていた。そういえば濱邊さんには奥穂の上でドリップコーヒーをごちそうになったことがあったな。その節もありがとうございました。
14:00に到着して17:30に夕食、この時間を皆さん楽しんでいたが、見たところ一番楽しんでいたのは濱邊さんのようだった。普段の仕事の大変さが想像できた。ひぐまさんはいつも楽しんでいるように見える。失礼。
 室内には薪で温めるストーブオーブンがありここでピザやアップルパイを焼く。もちろんひぐまPはピザもアップルパイも頂きました。
五の池小屋1泊13000円は以前と比べると高めだが一人一人のスペースがきちんと確保され、頭部部分はしっかり仕切られており快適だ。敷き布団、掛け布団、毛布、枕が個々に用意されている。小屋全体も木の香が香るようなまだ新しい建物だ。
今日も2人の酒量に驚いた。
山の話あれこれ時間はいくらあっても足りないが消灯は20:30。山小屋の良さを実感した一泊だった。

22-0718 五の池小屋から継子岳 下山
5:00起床、寝床荷物の簡単な整理をして5:30朝食。小屋の女性が7:00過ぎにアップルパイが焼けます。継子岳にピストンしてくるとちょうど良い時間になりますとのこと。
ひぐまPはもちろんお願いする。
6:30ごろ継子岳へ出発、なんと継母岳もある。継子岳へのピストンから帰った頃にアップルパイが焼けているとはいうものの、内心継子岳には行かなくとも良いのにと一瞬思った。そういうことは滅多にないのでやはり昨日はくたびれていたのだなと確認した。
今朝は早い時間からガスがとても濃い。昨日は午後から好天に恵まれ夜間は月も出ていたのに今日はどうだろう。ガスに巻かれながら登っていく。小屋を出たところから横殴りのすごい風だ。       
尾根筋の風がすごい。15㍍ぐらいか。カッパを着ていたが頭は覆わなかった。耳が吹きさらしになっていた。翌日耳が赤くなってかゆい。少ししもやけになったようだ。
途中こまくさの群生地がある。高山植物の花は概して小さくて可憐である。にもかかわらずこの強風にさらされながらも立っている。小さな方が強風は避けやすいのは確かだ。
頂上に近づくと奇妙な形の岩が林立している。火山活動で出来たのであろうが岩がうどんにかけた鰹節のようにめらめらと立ち上がりそのままの形で岩になっている。
山頂付近に来ると風が止んだ。ガスも切れている。360°とはいかないまでも300°ほどの景色を楽しむことが出来る。
こうなると来て良かったとうれしくなる。現金なものだ。
小屋に戻って行くとまだ尾根筋は強風が吹いている。
小屋でコーヒーを入れてできたてのアップルパイをいただく。ぜいたく山行だ。
小屋の方と別れの挨拶をして、写真を撮っていただく。小屋の女性の一人は数年前にひぐまさんと三条の小屋で会っているそうだ。ひぐまさんは顔が広い。
下山路は小屋の人は勧めなかった眼前のピークのトラバース路をとる。小屋の人が勧めなかった理由はピークを巻くトラバース部分がざれているのと尾根に出る直前部分が急で岩も不安定で危ないとのことだった。その通りの登山路だった。しかし時間短縮の意味では大きい30分ぐらい短縮できたのではないか。
二の池小屋で山伏姿の2人と会う。杖に焼き印を押してもらっていた。しばらくお話をする。衣装が機能的だ。麻製のトビ職のズボンのようにだぼだぼになっている。汗でぬれてもすぐ乾き空気の層ができているので寒くないとのこと、地下足袋は祭り用で岩の上でも滑らない。なるほど見た目は昔風だがなかなかに機能的だ。
五の池小屋を出てから3時間でロープウェイの駅に到着した。下山は早い。途中トレラン帰りの人たちが登ってくる。昨日大会があったようだ。男性の一人は百キロ以上を昨日走ったという。そして今日御嶽山に日帰りで登ろうというのだ。すごい体力に驚いた。
帰路はやはり混んだ。3連休最終日の夕方である。中央高速は渋滞だった。
ひぐま宅では奥様からやさいのお土産までいただきありがとうございました。
ひぐまリーダー、濱邊さん、舟久保さんいろいろとお世話になりました。とても楽しいぜいたくな山行でしたね。またお願いいたします。