・1978年創設
・東京都山岳連盟所属
・例会毎月第1水曜日

谷川岳 天神平

2021/12/19(日)
報告者
加藤隆太郎
山域
ジャンル
雪上訓練
天候
行程
報告

2021-1219 雪山訓練山行谷川岳天神平 
 当日の天気予報は確認する時間により変わった。風が強く曇りというのが出発時点の天気予報だった。天神平で訓練が出来るだろうか。しかしそこは山キャリアの長いY講師のこと代替案が出ていた。「水上で降りてすぐの所にあるノルン水上スキー場でも訓練可能、スキー場のトップから登れば2時間ほどで「吾妻山」に登れる。天神平へのロープウェイが動かない、天神平が強風などの場合はそちらにしましょう。」とのことで出発した。
 谷川岳に到着すると天候は快晴である。ロープウウェイで天神平へむかう。天神平は例年にもまして雪が多い。昨日も降雪があったようだ。
 天神平に到着すると雪はタップリとあるがリフトは未だ動いていないものが多かった。雪上訓練に来ているグループはいくつかあった。
 本日の雪山が本年度3座目の猛者もいた。雪はたっぷりありラッセル訓練も十分可能だった。私などはラッセルは初めてでこんなに体力を消耗して登って行けるものだろうかと考えた。Y講師は「5分間隔で交代しながらでも、なかなか進めません。」とのことそれはそうでしょう。
 楽しく様々な雪上訓練を行った。昼食を摂った後あたりから曇りだした。本日はまことに充実した訓練山行となりました。Y講師はじめ皆様ありがとうございました。以下に訓練内容の心覚えメモを記しておきます。

【訓練内容の心覚え】
○ピッケルについて
ピッケルの長さはくるぶしぐらい。
使用しないときのしまい方はザックの肩ベルトに通して運ぶ。
ピック、ブレード、石突きの名称確認
歩行中の持ち方、つなぎ紐の長さは手を上に一杯に伸ばせるほどとする。

○雪上歩行
アイゼンは氷結しているような場合を除いては着けないで行く。アイゼンを着けないツボ足が基本
ただしツボ足は、傾斜や雪の付き方で歩き方が変わる。
平面が有るときは靴底を平らに置く。
傾斜で滑るときは逆ハの字に足を開いて靴の内側のエッジを効かせて歩く。
さらに傾斜がきつい時は、膝から下を振り子のように振って軽く蹴込んで歩く。力を入れると疲れてしまう。力を入れず蹴込む。
さらに急傾斜は横向きになって歩く。山側になった靴のエッジを効かせて歩く。
もっときつい傾斜の時は横向きになって登りながら、動かす足をつま先から蹴込んで歩き滑るのを止める。
○ラッセル訓練
雪がたっぷりで腰より上であればラッセルが必要になる。急傾斜のラッセルは大変体力を要する。
ピッケルを両手で横向きに持ち、前方に突き出し倒れ込む。足は左右に回しながら出来るだけ大股で前方に送る。左右の膝を前に出し膝を雪に押しつける。そのくぼみにわかんを履いた足で踏みつける。これを左右繰り返す。足を前に出す距離が短いと進まない。

○滑落訓練用斜面作り
今回は降雪が多くふかふかなため滑落する斜面を作成した。斜面に座り尻制動で滑りながら面を固めていく。全員で3回ほど固めたが中々滑りをよくするのは難しい。

○滑落停止訓練
雪上訓練と言えばまずは滑落停止訓練を思い浮かべる。滑落の仕方は傾斜や周囲の状況で異なるが、ピッケルでの止め方は基本的に同じだ。
右利きの場合ブレードを右肩の下に当てて、体重をかけてピックを雪に差し込む。その時足を必ず曲げて雪面に引っかからないようにする。両方の肘は身体になるべくつける。そうしないと力が入らない。この体勢をなるべく速くつくる。右利きの場合右手はピッケル上部を握り、左手は石突きを持つ。ピックを刺したら左手の石突きを持ち上げピックを雪により深く刺す。

下降中に滑落した時、尻餅からの場合
足を引っかけて前のめりに倒れた場合
 でんぐり返しをしてからの場合  などを繰り返し練習した。

○雪上確保訓練
様々な方法があるが今回はスタンディングアックスビレーを行った。
ピッケルを雪の中に深く突き立て短めのシュリンゲを上部に取り付けカラビナを通す。
ビレイする人の身体から伸びているザイルをこのカラビナに通し、肩がらみで姿勢を起こす。
ピッケルを踏み込み雪に沈める。
ビレイしている人が滑落したらザイルを握って止める。

○対風姿勢
足を大きく前後に開き姿勢を低くする。
体重をかけてピックを雪に深く刺す。
 私は飛ばされるような強風に山であったことはないが、そのような風が吹いたらどうなることか想像するだけでも恐ろしい。

今後は実践雪山登山を行いつつ、機会があれば、残された雪上野営訓練を行いたい。雪崩に埋まった場合の訓練も必要であろう。
Y講師、同行の皆様ありがとうございました。