日光 男体山
20210926-27男体山
今回の野営地菖蒲ヶ浜キャンプ場は中禅寺湖に臨むバンガローとテントサイトのある野営場だ。静かで美しいところだ。消灯は午後10時である。空木の山荘は午後7時半だったので比べると大分遅い。お陰様で楽しい時間を持つことが出来た。今回は3名での泊まりとなったが、ビールのあとは、ワイン、焼酎、ウイスキーとそれぞれで好みが異なった。九月の末とはいえ夜は少し冷えてダウンを着ての宴会となった。息は白くなっていた。
起床後朝食荷物整理テント撤収後、野営地菖蒲ヶ浜キャンプ場から車で二荒山神社へ向かう。距離が4,5㌔はある。歩いたら大変だ。二荒山神社は大きな神社だ。下野国一宮、旧社格は国弊中社、現在は神社本庁の別表神社、ご神体は日光三山(男体山、女峰山、太郎山)である。どの山も美しいが、男体山は中禅寺湖を裾野に持ち、特に錦秋の時期は黒いような濃い青空を背景に、ご神体であるため各種の落葉樹がおのおの紅葉を競い合い見飽きることのない姿だ。また目の前にそびえて山が大きい。
車を二荒山神社の登山者用駐車場にとめ参拝する。受付で入山料一人1000円を支払うと、登山の安全と交通安全などが祈念されたお守りを渡された。神官から「登山後は交通安全のお守りとしてお使い下さい。」と言われた。神社を奥に進み登拝路へと導かれる。この山では登山道とは言わず登拝路という。約3時間の登りだ。登拝路には一合目から目安となる指導標がある。
山と高原の地図にも記されてあったが、はじめから急登である。
一昨日の雨のせいで道は滑りやすい。樹林帯の中を張り出した木の根に気をつけながら歩く。三合目まで約30分。ここからは林道を歩くことになる。林道をショートカットする道もありそうだが破線の道でもあり林道をいく。15分ほど歩くと白い鳥居が現れる。この先はこの鳥居を潜っていく。男体山は独立峰的で登山路は一貫して登りだ。
四合目五合目六合目まではやはり粘土質の土と木の根と岩石の道だ。約40分。あたりはクマザサが生い茂っている。四合目と五合目には十畳ほどの避難小屋がある。他の山の避難小屋と比しては小さめだが男体山には平地が少ないようだ。
七合目までは岩のガレ場だ。涸れ沢と言って良い。ストックは邪魔になる。両手を遣いながらの登りだ。
八合目までは岩場が続く。ここまで視界は開けない。ここへきてやっと開けてくる。八合目には瀧尾神社がある。小さいがこった作りのきれいな社だ。お祀りされているのは妃神だ。なるほどと思う。
九合目まではネットに詰めた土嚢がしかれた道が続く。大変な量だ。土嚢がないと土が流れてしまうのだろう。はじめは黒い土嚢で途中から緑にかわる。
土嚢地帯を過ぎると、山頂までは赤い砂礫の道で右手には分厚く溶岩の壁が続く。この山が火山であることを如実に表している。遮る物が一切なくここで吹かれてはたまらないだろう。今日は風がなくありがたい。立木の枝が皆一方へなびいている。強風が吹く証拠だ。
アメリカの動物学者エドワード・モース(来日は明治10年一八七七年)が男体山の山頂からの眺めを述べた部分を紹介する。
「頂上に近づくとあたりの山々の景色はまことに壮大であった。近い山は海抜八一七五フィートという我々の高度よりも遥かに低い。遠くの山の渓谷には雪が見られた。・・・・我々は頂上に一時間いたが、百五十マイル向こうの富士山が、地平線高く聳える景色は驚くべきものであった。高く登れば登るほど、地平線は高く見える。この高さから富士を見ると、その巨大さと、またがる地域の広汎さとが、非常にはっきり理解できる」
奥白根山、太郎山、大真名子山、女峰山はごく近くに座しさらに懐かしい山々が数多く見渡せる山頂だ。
中禅寺湖をはさんで眺めると男体山は独立峰的だが、男体山の頂上は南北に長く続いている。晴れていれば多くの山脈が見渡せる。今回は残念ながらガスの中であった。
今回も百名山の一座に登ることが出来た。宴会もありまことに楽しい山行となりました。
リーダー、Tさんありがとうございました。