駐車場は、別荘地内にある8台程度の小さなものだが、既に3台止まっている。
貯水池までは平坦で晴天無風、体も温まってきたので軽装になる。
トレースも明確で、先に入ったパーティの足跡をたどっていける。
Hさんは過去何回か杣添尾根を登ろうとしましたが、天候が良くなく、断念したとのことです。
私にとって、今シーズン初めての雪山。
貯水池の広場で、天国の時間を少し楽しみました。
ここからが登り。
軽快に登っていきます。
やがて、頭の上でごうごうという風の音が響き渡りはじめる。
木立を縫って吹き抜ける風が強く冷たくなってきた。
森林限界になる前に、ハードシェルと手袋の重ね着をします。
私とKOさんはテムレスとインナーの二重でしたが、登り始めると血が巡って程よい暖かさでした。
強風対策をしていると、下山をしてくる登山者が一人。
上の方は強風で雪が深いために、途中で撤退したとのこと。
少し登ると、また一人、そしてまた一人と降りてくる方が。
山の上方は、吹き溜まりができて、胸まで雪があったとのこと。
ワカン装備でも撤退したようです。
Hさんは手袋を4重にしてましたが、やっぱり寒かったとのこと。
指先の保温は体質的な要素も大きいようです。
やがて、森林限界付近になると、粉雪が風に舞いあげられて横殴りとなる。
吹き溜まりに雪がたまり、膝上までずぶっと沈む。
トレースが強風のために消えている。
尾根をたどっていけば迷うことはないはずだが、雪の深さに適切なルートが見えない。
どうしようか迷っているときに、リーダーが力強いラッセルを見せてくれた。
膝に体重をかけてルートを作っていく。
なるほど、あのようにやるのかと、ラッセルの良い練習になった。
かろうじて、ところどころに見える赤テープを目印に交代でラッセルしながら登っていく。
やがて、尾根に出ると雪も硬くなり歩きやすくなる。
そのかわり、風が暴風に変わり、横殴りに襲ってくる。
風が強くなる時には、うずくまってやり過ごし、風が弱まったときに前へ進む。
スピードは当然上がらないが、尾根線に上がると横岳が目の前に現れる。
ということで、水平距離にして400m、横岳の手前でタイムリミットの1:10。
途中撤退することにした。
ちょうど、風よけになる窪地があったので、しばらく休憩。
写真だと風が見えないので、天気が良くて暖かそうに見えますが、暴風とラッセルで疲れてしばらく立てませんでした。
リーダーはソイジョイを持ってきたものの、凍って歯が折れそうだったとこぼしていました。
やはり、雪山はすごい存在感がある。
横岳の左に見える赤岳。
横岳もう少しだった。
1時間早く出ていたら登頂できたのに残念!