・1978年創設
・東京都山岳連盟所属
・例会毎月第1水曜日

杣添尾根から横岳

2021/01/21(木)〜01/21(木)
報告者
瀬川
山域
八ヶ岳
ジャンル
雪山登山
天候
快晴、微風
行程

4:30調布~7:20海ノ口横岳登山口=7:55貯水池=9:20中間地点=11:30アイゼン装着@2670m=12:10三叉峰=12:30/12:45横岳=13:00三叉峰=14:10中間地点=貯水池15:05=15:30海ノ口横岳登山口~18:20調布

報告

アイゼンとピッケルの練習も兼ねてベテランYさん、Mさんにご同行をお願いした雪山企画。週末までの天気をにらみ、移動性高気圧のタイミングをとらえて臨んだのが杣添尾根だった。この時期はラッセルが心配。四季の面々も幾度も跳ね返され、厳しいルートの印象があった。だが歩き始めてみると、登山口からずっとトレースはしっかりついており、おそらく前日とおぼしき一人の靴の跡まで鮮明である。ヒザ近くまでの雪の吹きだまりが幾つかあったものの、ツボ足のまま樹林帯を好ペースで進ことができた。途中、ダブルストックをシングルに変え、ピッケルを背中とザックの間に刺して足元の変化に備える。シングルストックに慣れたい考えもあった。

途中2回の休憩をへて、2300m辺りの中間点と言われる看板にも気づかず、森林限界から雪面の眩しい開放的な尾根に飛び出す。だしぬけに雪をかぶった木製のテラスに出くわした。最近設置されたと聞く真新しい木材。見渡せば展望台と呼ばれるにふさわしい眺めである。地平線からくっきりと輪郭を見せる富士。強い光を放つ迫力満点の赤岳。これから歩く白いルートを見上げれば起伏の先に横岳が手を振っている。そこまでのトレースはばっちりだ。

2600m辺りでテントを撤収中の男性がいた。昨日も好天、素晴らしいテント泊を楽しんだようだ。いよいよアイゼンを付け、ピッケルに持ち替えて急斜面を攻める。斜面にアイゼンを当てるて直登すると足首の後ろ側が伸ばされて痛いくらい。稜線の三叉峰に登り詰める。その勢いのまま奥の院まで進んでしまう。雪は少なく、しばしばアイゼンをガリガリ言わせながらゴール。Mさんは久しぶりだからとご自身の体力不足を心配していたようだが、なんのなんの、まったくの計画通りのペースで登り切った。

風は穏やか。まるで春山の陽気である。ハードシェルは樹林帯の下部から脱いだままだ。こんな条件はなかなかない。北アルプスはもちろん浅間、妙義、尾瀬、日光まで遠望が利く。いつものように山座同定を楽しんでからゆっくり三叉峰に戻る。途中でチェーンアイゼン装備の女性とすれ違った。今日のような雪の少ない稜線においては合理的ではある。下山にかかる。Yさんによれば、前を向いて真っ直ぐ下りられるギリギリの斜度だと。ゆっくりと慎重に下る私を見かね、がに股で歩かなきゃ、俺が先に行くからとYさんはスタスタ。がに股にぜんぜんなってないですよ、と後ろからMさんのチェックが入る。たしかにここでアイゼンを引っ掛けては危ない。

くだんの展望台を過ぎて樹林帯に入って気づいたのは、トレースが荒れていること。踏まれてトレースが広げられた感じだ。今日の好天に誘われて展望台まで往復した人が何人もいたのでは、と話し合う。いつもなら強風に手もかじかむ厳冬期の八ヶ岳。雪山もこんなコンディションなら何度でも来たいねと、うなずき合う3人だった。

登山口にて。登山ポストがある
稜線から左手に伸びるのが杣添尾根
標高2300mを越えた辺り。ワカンは不要だった
森林限界を抜けた所に設置された展望台
アイゼンを付けて稜線を目指す
天気は最高だが傾斜がキツイ
三叉峰に着いた
奥の院まで楽しい稜線歩き
横岳なのでこんなハシゴも
本日のゴール
振り返ると赤岳、阿弥陀などなど
記念写真1 シェルなんか不要の陽気
記念写真2 ほとんど風もない
急斜面を抜けるところまではアイゼンで