・1978年創設
・東京都山岳連盟所属
・例会毎月第1水曜日

外岩トレーニング @阿寺の岩場(埼玉県飯能市虎秀)

2020/11/14(土)〜11/14(土)
報告者
篠塚
山域
飯能
ジャンル
クライミング
天候
晴れ
行程

岩トレのため、なし

報告

趣旨:
クライミングを行うにあたりハーネスとロープの結束方法を初めとする入門者へのアプローチと、初中級者はもう一度思い返したいこと、今更聞けないことを改めて確認する。 
詳細は、別紙「四季山岳会 岩トレについて」 
保存先:文書置き場⇒研修_資料⇒20201114阿寺の岩場。

報告
2020年度年間活動の計画にあったが、2月頃からのCOVID-19の感染者が国内外に発生し、あらゆる屋外活動が自粛となり5月に一泊で外岩トレーニングを計画していたが中心とした。最近COVID-19の感染拡大が回避されている状況を鑑みて改めて計画を立案し実施した。
 さて、前置きはこの辺にして、講習について述べたい。但し、以下に記載するのは特に注意したいことです。
①スリングとロープ摩擦による断裂のリスクについて
懸垂下降の際、スリングなどを支点にする経験が有るかと思います。ロープを張った状態でスリング一本を交互に動かす実験を行いましたが、使用した約10mmロープがあっという間に断裂しました。
これは、懸垂下降の後、下降地点でロープを引っ張り回収する際に摩擦で劣化すると言うことです。回避策として支点のスリング類は数本まとめて(残置があればそこにある数、持参の捨てロープも可能な範囲で同様に)使うことを強く推奨する。束ねることで接点が拡がり摩擦抵抗が下がるのである。
ロープ点検は山行後に必ず傷の有無を確認すること。山行前では遅く、最悪中止となる場合もあるので注意願いたい。

②懸垂下降の体勢
 懸垂下降は、足は揃えず股は開き気味にして、静かに下降する事。
足を閉じた場合、足を中心に回転運動が起き転倒し危険。逆に開き気味にすることで安定する。また、急ぐあまりに跳ねる様なことをすると支点に負荷が生じて破損し滑落する場合があり、早く降りる場合は駆け足の様にする。
 また、懸垂時に下でフォローする人は降りる人を観察し、動きが不安定の場合はロープを引くことで降りる人がその場で止まります。手を放しても落ちずに安定します。
大野さんのお言葉「若い女の子ではないので、誰も股は見ないから開け! アハハ」 ※ハラスメントではありません(笑い)

③ロープの末端は、すっぽ抜け防止に8の字結びなどで末端処理を行う。
 阿寺の岩場で実際に起きた事例です。スラブ状の岩で懸垂下降をしていた女性(上級者(当日は講師の立場))が、降下時に降下器(ATC類)からロープが抜けて岩に設置のハンガーと接触し深く切創を負い救急搬送された。どの様な状況下でも末端処理は忘れずに。

④最後に、講習内容で印象深かったもの
・懸垂下降をカラビナにロープをムンターヒッチで結束して行う方法。
・懸垂下降のスリングを使用したバックアップの作成方法。
・グローブヒッチなどのロープワーク。
・流動分散による支点構築
・支点構築における2本のスリング結束個所にカラビナをセットする固着防止策。