羅臼岳
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羅臼岳は知床半島にある火山群の主峰・最高峰、標高1661㍍アイヌ語でチャチャヌプリ。
百名山ハンターならずともできるなら登ってみたいものだと思わせる山である。今回はその念願がかなって、知床半島までやってこられた。
早朝昨夜来の雨は上がっているが、曇り空の下を車で出発する。今日は岩尾温泉から登る。岩尾温泉に着くと立派なホテルがある。「地のはて」の宿とある。そういえばシレトコとはアイヌ語で地の果ての意味だそうだ。
ホテルの裏から木下小屋の前を通り登山口にとりつく。標高差1430㍍を登る。
樹林帯の中を行く。「しらかば」なのか「だけかんば」なのかわからないが、樹皮が白い木がとても多く、それぞれの木々が長い冬の雪の重みで横に寝ている。その木が登山道に張り出しており、何度も頭をぶつけた。90分ほど進むと極楽平、その名の通りまことにゆるい標高差の道を楽々と進む。
弥山吉水にはおいしい水が流れている。S氏は水筒に汲んだ1㍑ほどを一気に飲み干す。「天然ミネラル水だ」確かに冷たいが柔らかい印象の水だ。さらに樹林帯を進み、今度は水の涸れた沢を登る。沢登りの練習には良い。が歩きにくい。
さらに登り、はい松の群生する羅臼平に到着。かなり先まではい松の群生が続いている。ここから勾配は角度を増す。見上げると羅臼岳の頂上が見える。通常の山岳の上に岩稜がのっかっている。ここからが本番のようだ。登りはじめて今までの穏やかな登りはだまし討ちのように感じる。
羅臼岳が「(北海道の山を)なめんじゃねぇ!!」と何度もうそぶいているように感じる。
あえぎながら登りついに頂上にたつ。頂上は岩稜で狭く風が強い。強い風のせいで霧が晴れ周囲がある程度見渡せるようになった。山々とすごいほどの雲海である。シレトコの盟主にあうことができた気がした。まさにシレトコの最高峰にふさわしい絶景だ。疲れもあせも吹き飛ぶようだ。
ここに立つことができたことをSリーダー、メンバーに心より感謝したい。
羅臼岳の山頂に立てたことは本当にうれしい。またこの絶景が見られたことも得難い経験であったと思う。幸運の重なった山行であった。