報告
今回の会山行はコロナ禍が勢いを増す中、何とか少人数で実行することができました。
計画や予約に時間を割いていただいた方々に感謝します。
東京は連日暑い中、北アルプスは晴れ、曇り、雨と目まぐるしく変わり、天気予報が当たることは一回もありませんでした。
それでも、一日中雨が続くような日はなく、ガスが晴れる瞬間には北アルプスの山々の雄姿を堪能できました。
また、コロナ禍のために登山者が少なく、例年なら混雑している頂上やキャンプ場に余裕があったのはよかった。
静かな山行ができました。
8月9日、10日、12日は6名全員が行動を共にしましたが、8月11日はルートを分けて3名づつの2パーティで活動しました。
・元気組パーティ:雲ノ平→祖父岳→岩苔乗越→鷲羽岳→ワリモ北分岐→水晶岳→岩苔乗越→高天原
メンバーはHリーダー、Hさん、Kさん
・セーブ組パーティ:雲ノ平→祖父岳→岩苔乗越→高天原
メンバーはSさん、Kさん、Nさん
セーブ組の11日の活動報告は本報告に、また、元気組の11日の活動報告は雲ノ平後半の報告に記しました。
今回のコースは、薬師岳から雲ノ平、高天原と危険度が低い場所ではありますが、念のために輪ロープを一本持っていたことは役に立ちました。不測の事態に対処できるロープの所持は、山登りに必須と改めて感じました。
8月8日(土) 折立キャンプ場で前泊しました。
翌朝5時に出発して薬師岳まで登るためです。
熊避け高圧線で囲まれた広い敷地、コケで覆われたふわふわした地面、屋根のある炊事場と、天国のようなキャンプ場です。
高圧線の外側にはテーブルと椅子があり、バーベキューもできる。
地元のスーパーから買ってきた夕飯とお酒を飲んでリラックスしていました。
近くでバーベキューをしていて、おいしそうな匂いが漂ってきます。
その時、急に緊張が走りました。
「熊だ!」 バーベキューをしていたグループが周囲の茂みから一斉に離れていきます。
あわてて高圧線の内側に入り、様子をうかがっていると、茂みから子熊が顔を出して左右を見ています。
子熊の近くには母熊がいるはずなので危険。
みんなで大声を出しているうちに、茂みから顔を引っ込めて、去っていきました。
8月9日(日)早朝4時起き、5時出発
薬師峠キャンプ場まで荷物を担ぎ上げてテントを設営し、荷物をデポして軽装で薬師岳へ登ります。
太郎平小屋に近くなってくると、木枠で囲まれた石ころの緩やかな坂道に代わります。
緩やかな道になると、余計にザックが重く感じてしまう。
薬師峠キャンプ場に到着して、テント設営。
コロナ禍への対策として4人用テントに3人、それを2張り。
当初、テントを張るスペースがあるか心配していましたが、心配は無用でした。
水場もトイレも近くにあり快適なキャンプ場でした。
テントに荷物をデポして、軽装で薬師岳に登りました。
薬師岳の上の方は、ガスで視界が利かない。
キャンプ場に戻ってくると、午後3時にもなるとカラフルなテントがずいぶん増えています。
それでも、かなり余裕がある。
キャンプ場内のテーブル岩の上に座って一休み、この後で夕飯もこの岩の上で食べました。
まったりしているのにちょうど良い場所でした。
8月11日 祖父岳分岐から高天原周遊コース3人です。
このケルンは祖父岳頂上。
昨日の天気予報では晴れのはずが、ガスがかかって時折雨模様。
水晶池--天気が良ければ水晶岳が映るといわれているけれど。
基本的にこのルートは下りなので、地図にある水晶池という名前にひかれて行ってみました。
しかし、そもそも水がない。ほとんど沼地状態でした。
高天原山荘の前の道に設置されている入浴料箱に300円いれて、高天原温泉に向かいます。
高天原山荘のキャッチフレーズはランプの宿。
ほかの場所ではテント泊でも、ここだけは宿に泊まりたいという方に何人か会いました。
その方々の中には、11年越しの夢がかなったという方も。
また、高天原温泉のキャッチコピーは日本一遠くにある秘湯。
この写真は高天原温泉から温泉沢の上流側を撮ったもの。
このゴロゴロ沢を下ってこようという案は、無謀と言われてもしょうがありません。
男風呂のようす。
服を置く棚もあるし、囲いもあるし、屋根もある。
日本一高い場所にある本澤温泉とはだいぶ違います。
小さなT字状の湯の花が硫黄泉の中を漂って、繊細さを感じさせます。
1.2mくらいの青大将(へび)も出てきて、岩風呂の岩をなめてます。
たぶん岩の匂いをかいでいるのでしょう。
しばらく岩壁で休んでいて、ゆっくりと去っていきました。
高天原温泉の露天風呂。
屋根のある風呂から沢を挟んで反対側にあります。
手ぬぐいで腰を隠して沢を渡り、露天風呂に。
温度も低めなので、長時間入っていられます。
高天原から雲ノ平キャンプ場までの登りが厳しい。
せっかく温泉で流した汗も、新しい汗でぐっしょり。
昨日までの足の筋肉の疲れは取れたものの、急坂の負担が再度筋肉の緊張を強いる。
急坂、はしご、岩場と一通り経験して雲ノ平に至ります。