・1978年創設
・東京都山岳連盟所属
・例会毎月第1水曜日

表妙義(白雲山→金洞山)

2019/12/15(日)
報告者
中島
山域
西上州
ジャンル
岩稜ハイキング
天候
晴れ
行程

○12/15(日):(圏央道)日の出IC:0430→(上信越道)松井田妙義IC:0600→道の駅みょうぎP:0630→妙義神社:0645→大の字:0730→奥の院:0800→見晴:0840→ビビリ岩→大のぞき:0925→天狗岩→相馬岳:1030→バラ尾根→堀切:1115→鷹戻し:1300→東岳(金洞山)→中ノ岳:1500→主脈のコル:1545→中間道(関東ふれあいの道):1600→中ノ岳神社:1630→(タクシー)→道の駅みょうぎP:1700→(温泉・ごはん)→帰京

報告

次に登る方々の参考に、
1.この時期は服装が一番気になります。
登り下りが激しいので、汗をかきます。
一方で、尾根に上ると北風にさらされていきなり寒くなります。
(私たちの山行では9時までは強風でしたが、それ以降風が弱まり、最高のハイキング日和になりましたが。)
毛局、薄手のインナーを数枚着て、ライトダウンとウィンドブレーカを持ち、休憩時に服装調整することになります。
下ってからも、中ノ岳神社から妙義神社までのタクシーを待つ時間が長く、結構冷えます。

2.手袋については、岩登り時のホールド感は素手のほうが確実ですが、素手で鎖を持つのは冷たいので必要です。。
ちなみに、リーダーはワークマンの作業手袋、Kさんは皮手袋、Hさんはラバーの手袋、私は滑り止めのイボイボ付き軍手をしていきました。
鎖と手袋の摩擦は必要ですが、鎖を手の中で滑らせながら登っていきますので、あまり粘着力が強いと危険です。
リーダーは数回登ると手袋が痛むので、消耗品感覚で選んでいるとのことです。
私は何回も使って洗い、粘着力が弱くなったイボイボ手袋を使いました。

3.靴については、Kさんはなんと沢靴のラバーソールを履いてました。(両神山に次いで2回目)
フリクションが効くので岩登りに適しているとのことです。
しかし、表妙義は岩場だけではなく、砂地の急下りもありますので、靴底に大きな凹凸のない沢靴は万能とはいえません。
岸壁は溶岩の固まった岩で、結構フリクションが効きますので、靴は履きなれたトレッキング用で十分だと思います。
10時間弱の縦走になりますので、長丁場で足やひざへの負担も大きいです。

4.鎖への自己ビレイの仕方は大きく分けて
A 鎖の長円の輪の中に小さな(細い)カラビナを掛けて、登るにつれ、カラビナを短ピッチで上へ上へと架け替えていく方法
B 大きなカラビナを使って、その中に鎖を通して、山側の鎖の支点まで登ったら次の鎖に付け替える方法
の2つがあると思いますが、自分で経験してみて、表妙義はBの方法が適していると思いました。

Aの方法は自己ビレイとして確実ですが、欠点は鎖の輪が小さいとカラビナを付け替えるのに手間がかかり、腕力を消耗することです。
岩登りの途中でも、短ピッチでカラビナを架け替える必要があります。
岸壁でカラビナを架け替えようとすると、岩に体を近づけることになり、足が滑り易くなります。
それを止めるために腕力で鎖に頼るという悪状況になります。
特に、鷹戻しに掛けられた鎖は古いので鎖の輪の溶接部が太く、輪の内径が小さくなっています。
それまでの岩場では、それなりに架け替えられたカラビナですが、ここでは鎖の輪から抜きずらく、岸壁の途中で格闘する羽目になりました。
リーダーのアドバイスに従って、途中でBの方法に変えたら、カラビナを気にせず登れるのでなんと楽なこと。
ちなみに、へそ曲がりの私以外は最初からBの方法で楽に登ってました。
鎖の支点は、たいてい足場のしっかりした場所に作られていますので、カラビナの架け替えもスムーズです。
Bの方法は、自己ビレイといっても、落ちたら谷側の鎖の支点まで滑落するので、体は岸壁にたたきつけられますが、死亡は免れるという保険です。
それでも、Aの方法で登るのに比べると、腕力の消耗がなく登りやすいのでトータルとして適していると思います。
登っている途中で休憩したい場合は、Aの方法で自己ビレイを確実にとるのがよいでしょう。

5.最後に、腕力は使い切らないように、鷹戻しまではなるべく温存しましょう。

妙義神社6時45分、さすがに私たち以外誰もいません。 事故の起こらないことをお願いしてスタートしました。
まずは緩やかな鎖場 朝9時ごろまでは強い北風の予報でしたが、こちらは南斜面なので、風は尾根にさえぎられています。 少し歩くと体が温まってきたので、汗をかかないうちに服装調整しました。
大の字の岩まで来ました。 Kさんがまず登ります。 溶岩でできた岩なので、表面がざらざらしていて滑りにくい。 訪れる人が多いのでしょう、足をかける窪みができていて困らない
岩の上には人工物の「大」の字のモニュメント 大日如来の「大」とのことで、ふもとからも大きく見えました。 奥の院に祀られた大日如来を、ふもとからでも崇拝できるように作った目印だそうです。 去年の表妙義研修に参加された方々も、この場所で記念撮影してましたね。
奥の院に到着して、ここでクライミングギアを装着しました。 奥の院の洞穴に大日如来が祭られていたとは知らなかった。 拝んできたのはKさんとHさんのみ。 階段を上るのがめんどうで、横着してしまいました。 奥の院の横にある岩場を、自己ビレイをとりながら登っていきます。
ビビり岩 すごい高度感、谷底まで丸見え。 ここで滑落したら必ず死ぬ。 風が治まってきて煽られずに済みました。
大のぞき 表妙義の景観は下から見ても、上から見ても異様。 こういう場所の大好きなKさん、はしゃいでます。
背びれ岩 狭いリッジを登ります。
相馬岳頂上 まだ10時半です。 ピンぼけですが、「トントンと愉快な仲間たち」という感じの写真です。
中間道へのエスケープルート地点の堀切では、 「もう半分終わってしまった!」と嘆いていた人が約一名いました。 そこから15分程度歩くと、常に凍っている斜面のトラバースになります。 ここは鎖がありますので、持ち上げて突っ張り、斜面と足が直角になるようにしてトラバースしたほうが滑りにくいです。
鷹戻しが見えてきました。 4人ほど登っているのが見えます。 渋滞しているのでしょう。 しばらく眺めていましたが、登っている人々が動かない。 岩壁の途中で待つのは避けたい。
鷹戻しを登っていきます。 登り始めで、自己ビレイの仕方がまずく苦労しました。
見晴し最高、というか高度感がありすぎ。 鷹になったような気分。
登ったら降りなければなりません。 懸垂下降の支点を調整してます。 Hさん、仕事柄ロープの扱いが上手。 写真で見ると、結構の崖だったんですね。
ここも懸垂下降でおります。 リーダーから蛙飛びの降り方を習いました。 この方法だと楽に降りられました。
中ノ岳神社駐車場 無事、事故もなく帰ってきました。 ここから妙義神社までタクシーで帰ります。 あまり時間が遅くなると、タクシーの配車を断られることもあるそうなので注意が必要です。