大峰山脈 八経ヶ岳~釈迦ヶ岳(2日目)
8月21日:稲田堤5:00-東名川崎IC-伊勢自動車道津IC-尾鷲-和佐又山キャンプ場16:00/18:20~和佐又山18:45/18:50~和佐又山キャンプ場19:00
8月22日:和佐又山キャンプ場4:20-行者還トンネル西口P5:00/5:15~奥駈道出合6:10~聖宝ノ宿跡7:05~弥山小屋8:00/8:10~八経ヶ岳8:40~弥山辻9:00~楊枝ヶ宿小屋11:25/12:25~鳥の水13:40~釈迦が岳15:15/15:30~鳥の水17:05/17:20~仏生ヶ岳18:05~楊枝ヶ宿小屋19:10
8月23日:楊枝ヶ宿小屋6:55~弥山辻9:30~八経ヶ岳9:50~弥山小屋10:15/10:30~聖宝ノ宿跡11:10~奥駈道出合12:05~行者還トンネル西口P13:00
8月22日:暗いうちにキャンプ場を出発。国道に降り少し走って行者還トンネルに向かって右折する。急に道幅が狭くなるが1度通っているので不安はない。行者還トンネル西口Pに到着するとすでに2台車が停まっていた。管理の軽トラックもすぐに到着して料金を徴収に来る。今日は天気が良さそうなので八経ヶ岳を越えて楊子ヶ宿小屋をベースにして釈迦ヶ岳を往復する予定だ。気合を入れて出発、沢沿いの道を登ってその沢を橋で渡ると登りが始まる。天城山にもあった幹の色が鮮やかなヒメシャラが点在する森の急な坂をグングンと登っていくと稜線に着く。ここから「大峯奥駈道」の始まりだ。弁天の森を過ぎて気持ちの良い森の道を上り下りすると理源大師像のある聖宝ノ宿跡に着く。そこを過ぎると程なく弥山のジグザクの登りが始まる。木製の階段が多くなると弥山小屋も近い。登山者が二人休んでいた弥山小屋前のベンチに座る。水を飲んで最高峰の八経ヶ岳へ向かって出発。大きく下って鞍部から整備された登山道を登るとすぐに八経ヶ岳に着く。頂上手前で駐車場を同時に出発した二人とすれ違う。頂上には三人が休んでいたが、我々は写真を撮ってすぐに出発。八経ヶ岳までは一般ハイキング道だが、ここから先が本当の「奥駈道」だ。道幅が50cm程に狭くなり、なるほどと納得する。大峰山脈の主稜線沿いに75の靡(なびき)と呼ばれる行場(霊場)があり、時折通過するその靡には長さ30cm程のお札が積み重なって収められている。岩場をロープを伝わって降りると道が笹原状になる。標識は無いがこの辺りが舟ノ峠だろう。目の前の楊枝ノ森を左側にトラバースして足元の悪い岩場を下ると楊子ヶ宿小屋に到着する。奥駈道には水場が点在しているが、渇水していることが多く、楊子ヶ宿小屋の水場にもその不安はあった。標識と赤テープに導かれてかろうじて水流がある水場で時間をかけて5リットル水を確保する。まずは一安心だ。明日は天気が崩れると駐車場の管理人が言っていたので、釈迦ヶ岳の往復を敢行することにする。ここまでも結構疲れているが、日が落ちるまで6時間以上ある。コースタイムは4時間50分である。小屋に不要な荷物を置いて、ゆっくりと仏生ヶ岳の斜面を登る。頂上には行かないで右側をトラバースする。このあたりから目指す釈迦ヶ岳が遥か向こうに三角錐のりっぱな姿がよく見える。高低差のない山道をしばらく行くと、孔雀岳の鳥の水場に着く。
ここはパイプの先から滔々と流れている。しばらく行くとクマザサの稜線になり展望が大きく開ける。しかし、道に笹が被って足元が見えないので慎重に進む。釈迦ヶ岳の登りに入ると眼前の大きな岩壁を左下に巻いて大きく下降する。登り返して稜線に出てからもザレた急斜面や馬の背の岩稜と体力と気が休まらない。やっとの思いで釈迦ヶ岳の山頂に立つ。大きな仏像が立っていて修験道の山を思わせる。ここからの展望は広大で、先程山頂に立った八経ヶ岳が遥か遠くに見えて心が躍る。これが縦走の醍醐味だ。釈迦ヶ岳の急な斜面を慎重に下り、足元の見えない笹原を進む。淡々と歩き疲れが見えたところで、鳥の水場に着いて、ホッとして一休み。仏生ヶ岳を目指して歯を食いしばって歩く。しばらく行くと仏生ヶ岳へ行く標識に出る。そこで何の疑問もなく急坂を登ると仏生ヶ岳の山頂に出る。行きは山頂を通らなかったなと思いながら楊子ヶ宿小屋とは方向違いの尾根を下り始めた。何となくおかしいなと思い、スマホのGPS地図を見て方向違いに気が付く。再度仏生ヶ岳の山頂に戻り、ここから下って先程見た仏生ヶ岳へ行く標識に戻る。ここで30分以上ロスしただろうか。時間も18時をとっくに回っている。慎重にトラバース道をたどり、楊子ヶ宿小屋へ向かう斜面を下るが、踏み跡がはっきりしない。しまいには暗くなってヘッドランプを装着する。踏み跡を探しながらやっとのことで楊子ヶ宿小屋へたどりついた。
あたりは真っ暗である。小屋へ転がり込んだが誰もいないのが幸いであった。しばらく放心したように横になって目をつぶると元気が出てきた。焼きそばをつまみに缶酎ハイを飲む。5時に出発して19時すぎの到着、長い一日であった。