・1978年創設
・東京都山岳連盟所属
・例会毎月第1水曜日

北ア西穂高岳

2018/01/07(日)〜01/08(月)
報告者
橋本
山域
穂高連峰
ジャンル
雪山
天候
青空→雪
行程

・1/7(日):京王高尾山口駅→(圏央道)高尾IC→(中央道)→(長野道)松本IC→深山荘P→新穂高ロープウェイ:0900→(RW)→西穂高口:1000→西穂山荘(テント泊):1115(下山:1645)←→西穂独標:1320(下山:1600)←→ピラミッドピーク:1400(下山:1540)←→西穂高岳山頂:1450
・1/8(月):山荘:0730→RW西穂高口:0840→(RW)→RW新穂高→深山荘P→ごはん→帰京

報告

・昨年に続き、非常に良いコンディション(天気、雪質)の中、登頂することが出来ました。 YKさんの天気図読みに感謝します。

・当初、初日(/7)は山荘までの計画でした。 しかし、翌日が午前中の早い時間から荒れる天気図に変わり、急遽、その日のうちに山頂を目指すことに計画変更。 ロープウェイ降り口から山頂までを一気に踏破しないといけないため、身体的にはかなり厳しい山行となりました。 それでも、青い空の下、登頂出来たことは、大変良かったと思います。
さすがYKさん! 雪岩ミックス、切れ落ちた斜面、キツイ角度の登攀には慣れたもの。 サポート無用でサクサク、カツカツ上がっていきます。 この日の登頂は私達が最後だった故、誰もいない山頂を二人締めすることが出来ました。 槍が見える中、遮るものが無い360°パノラマの至極の時間です。

下山後はお待ちかね、YKさん特製タレのすきやき。 登頂後に最高の夕ご飯を頂くことが出来ました。 美味しかったー!

・翌日は朝から雪。 前夜に山荘の方から「明日は夜半から天気が荒れるので、ロープウェイが止まる前に早めに下山をしたほうがよい」とのアナウンスあり、それに従い早々に下りてきました。 風はそれほど強くありませんでしたが、視界が既に悪くなっていたので、ロープウェイ降り口まで戻ってきた時は、ホッとしたところです。

*来年、再来年と、この先も繰り返し来ることが出来ればいいなー、と思います。
橋本

-
----------------------------
覚え書き

●天気
7日は高気圧に覆われ穏やかな日本列島。しかしその後は2つの低気圧に挟まれる形のいわゆる"二つ玉低気圧"になる予報だ。

(二つ玉低気圧→2つの低気圧が日本海と日本の南岸を挟むように通過するものである。初冬や晩冬によく発生する。各地で雨や雪となるが、日本海低気圧による暖気の影響で気温が上がるためほとんどが雨、もしくは湿り雪主体の天候となる。また、大気の状態が不安定になり、強風や激しい雷雨になることもある。東日本の東方沖で低気圧が1つにまとまり、爆弾低気圧化することもある。低気圧が抜けた後は冬型の気圧配置へと変わる*ウイキペディアより)

二つ玉?こりゃヤバイ!早速H本さんにLINEし日程の変更を協議。
7日は高気圧のど真ん中、天気は夕方に向かい安定して行くため、独標まで戻ってしまえばあとはヘッデン下山でも安全は確保されると判断し、7日アタックと決定した。
西穂山荘のご主人は天気予報士であることはご存知の方も多いと思う。彼は、7日夜、宿泊者だけでなくテント泊の人にまで予報を伝えてくれた。しかも低気圧の発達条件からロープウェイの運行予想まで、登山者の立場に立った予報(説得?)だった。感謝。

●雪
一昨年行った時より少なく、氷結個所はなし(時期的にそうですよね)。もちろんラッセルもナシ。独標丸山側は階段状で前向き(横向き)で降りる事は可能な状態。

●支点
丸山側は岩にペツルが1個あるが降りる際の補助に出来る場所ではない(振られる)。万が一使用する場合は1ピンでの懸垂下降となる。西穂側には支点構築(2ピン+残置スリング)され懸垂が出来る状態。独標から西穂まで支点に出来そうな岩はあまり見受けられない。そのため確保に関しては「人間」を使うしか無さそうだ。

●アミノバイタル
7日、西穂山荘を昼前にどうにか出発→丸山→独標。。しかし山荘まで焦って歩いたため足に乳酸が溜まって動かない。そこでポケットに忍ばせていたAJINOMOTOのアミノバイタルを(めちゃマズイ!)喉に流し込むと・・因果関係は定かではないけど、その後復活(これがなかったら敗退だったかも(^^;))。

●ヒヤリハット
岩稜帯は楽しく歩いたのだが、ふとしたところで足を取られてヒヤッとした。トラバースの雪面に石が混ざってるような箇所、見た目は雪なのでサクサク歩いていきなりグキ!と来るので、個人的にはひじょーに怖かった。

●今後
シーズン初めは雪訓などで冬靴とアイゼンの重さに慣れた方がいいかもしれない。岩稜に行く人はそれに加えアイゼントレーニングをすると余裕のある山行ができると思った。

松木
写真置き場
https://photos.app.goo.gl/kt2OPW7PNd04zixH2
登頂動画
https://photos.app.goo.gl/JY13zLnwwxjEQN2o1

西穂山荘のFacebookより抜粋
< 急速に発達する低気圧 >
本日1月7日(日)の西穂高は朝から快晴。予想されていたよりも上層の雲の広がりは遅く、午後になってから薄雲に覆われてきました。
朝方は西穂の稜線で20m近い風が吹いていましたが、10時頃にはだいぶ弱まり、夕方はほとんど風はありませんでした。
明日8日から明後日9日にかけて、日本海にある低気圧が急速に発達し、荒れた天気をもたらすと予想されています。
北アルプスでは、8日は強い南西風により気温が上昇して雨または湿った雪が降り、9日は一転して気温が急降下して吹雪となります。
8日(月)の西穂高は、昨日の時点の予想よりも天候の悪化が早まり、朝から雪が降り出す見込みです。
気温の上昇は昨日の予想ほどではなく、雨となるのは山荘付近から下になりそうです。
稜線の風は朝方が西南西の風18m、午後3時には25mくらいまで強まる予想です。
ロープウェイ付近では今のところ強い風は予想されていませんが、次第に強まる可能性もあるため、当日の状況をよく見極める必要がありそうです。

さて、日本海の二つの低気圧は、なぜ急速に発達するのでしょうか?
画像5~7は500hPaの予想天気図で、8日9時、8日21時、9日9時のものです。
8日9時の時点では日本の上空には気圧の尾根があり、華北付近に深い気圧の谷があります。
それが東へ移動し、9日9時の時点では日本の東に気圧の尾根、日本の西に気圧の谷と、日本列島がちょうど尾根と谷にはさまれる形になっています。
温帯低気圧は暖かい空気と冷たい空気が混ざり合うことによって発生・発達します。
気圧の尾根は南から暖かい空気を運び込み、気圧の谷は北から冷たい空気を運び込むため、日本付近は低気圧の発達しやすい状況にあることが分かります。
地上天気図との関係で見ると、上空の気圧の谷の前面(東側)に地上の低気圧があるとき、低気圧は発達します。この位置にあるとき、暖気と寒気が混ざる力が最も強まるからです。
8日から9日にかけて、日本海にある低気圧が急速に発達すると予想されているのは、このような理由によるものです。

RW展望台から見た西穂。 YKさん楽しそー。
RW西穂口。これから出発。
毎年恒例、山荘の雪だるま。今年もまたご挨拶が出来ました。
西穂丸山。
これから登るぞー!
うれし、楽し。
まずは、独標。
独標の下りは慎重に。
雪庇に注意。
ピラミッドピーク。
最後の登り。あと少しだ!
西穂高岳登頂!
稜線も慎重に。
独標の登り。
今夜は、すきやきだー!卵付きよ。
暖炉、あったかーい。