・1978年創設
・東京都山岳連盟所属
・例会毎月第1水曜日

玄倉川中流沢歩き

2017/06/10(土)
報告者
中島
山域
丹沢
ジャンル
沢歩き
天候
晴れ
行程

6:00南大沢駅-8:00丹沢湖ビジターセンター-9:00境トンネル先入渓点(女郎沢出会)-10:40向山大滝(70m)-1:10玄倉ダム-1:30玄倉林道-3:00丹沢湖ビジターセンター

報告

天気予報では、今日は気温が32度に上がるという、沢歩きにベストな日です。 こんな日に家に閉じこもっているなんてもったいない、と一路丹沢湖へ車を飛ばします。
圏央道から東名高速へ渋滞もなく気持ち良いドライブです。 春霞がかかっていましたが、富士山が座布団のような雲の上にそびえたって私たちを出迎えてくれます。 丹沢湖ビジターセンターの駐車場に車を止めて、H氏と現地集合します。 沢道具一式を身にまとい、玄倉川中流の沢歩きに向かいます。

ガイドブックでは、トンネルを越えた後にあるダム放流警告看板の周辺から降りるとのこと。 しかし、周囲を見回しても降りられそうな場所はない。 下の河原まで約30mの高さで、途中の斜面までしか見えない。 他に降りられそうな場所もないので、降り始めましたが、斜面は崩れやすく踏ん張りがきかない。 一度滑落したら30m下の河原まで落ちていきそう。 全員ロープを出します。リーダーは、なんと素手でロープをつかみハーネスもつけずに下降していきます。 さすがリーダーと思ったのですが、後程聞いてみますと、まさか入渓からこんな急坂でハーネスが必要になるとは思っていなかったとのこと。 油断は禁物です。
私は練習した通りにハーネスにエイト環をつけて懸垂下降していきます。 20mロープと30mロープを経てやっと河原に降り立ちます。 初めて実践で懸垂下降しましたが、繰り返し練習をしていたおかげで、スムーズに降りることができました。 後で考えると、どうも入渓点を間違えたようです。

玄倉川を遡上し始めは本当にウォーターウォーキングという感じでしたが、次第に大きな岩がでてきて、釜も深く、腰までつかって堰にたどり着き、速い流れに逆らって乗り越えるようになります。 ネットで見た静かで平穏な川とはずいぶん違います。 水の量はそれほど多くないと思うのですが、水の流れが速く、足を浮かせると川の流れに負けます。

しかし、H氏は難しそうな場所に来ると、目が輝きだして突っ込んでいきます。 通常巻いて避ける水量のある滝も、背が立たない釜も、一直線に泳いで登っていきます。 ネットで公開されている玄倉川の写真とは対照的に、私たちの写真では渦巻く急流ばかり写っています。 毎日少し表情が変わるように、今日は単に流れが速いだけなのでしょうか。 それともルートファインディングが間違っていたのでしょうか。 それでも、渦巻く急流こそが私たちの求めていたもの。 大岩の間からほとばしる水流も、足のつかない釜も楽しんで乗り越えていきます。 滝登りの醍醐味とはちょっと違った楽しみです。

最後に立ちはだかったのは深い釜と水流の速い三段堰。 ここは水の勢いが強くて登れそうにありません。 H氏は右岸の大岩の斜面を渡って、足がかり、手がかりのない目の高さほどの高さの岩を身軽に乗り越えていきます。 さすが冬の穂高に単独で登ってしまう人だと感心しました。 私にはとても危なくでできないので、ロープを出して引き上げてもらいました。

玄倉ダムが今回の沢歩きの終点です。 ユーシンブルーを見に来た方々が川のはるか上に見えます。 こちらを向いて手を振っているので手を振り替えします。 私たちの写真も撮っています。 彼らにとってはユーシンブルーの水を浴びて、全身で自然に浸っている私たちがうらやましいのでしょう。
私たちも道まで上がって玄倉ダムのユーシンブルーを見学します。 前回来たときにはユーシンロッジより上流のダムの水を見ましたが、今回の玄倉ダムの水の色のほうがブルー色が強いと思いました。
玄倉ダムを見下ろす道には若い女性の方が多くいて、お花見よろしくビニールシートの上でお弁当を開いていました。 私たちの世界とは随分かけ離れた、しかし羨ましい光景でした。

今回もベテランのお二人にお世話になり、無事帰ってこれました。ありがとうございます。

丹沢ビジターセンターの駐車場にて これから出発します
入渓地点のはずですが、下りられそうな場所がありません。
まさかの懸垂下降。
なんとか河原に着地しました
以外に流れが速いけれども、水は透明で遡上していても気持ちが良い。
歩くというよりも泳ぐ。結構深い
へつり
冷静沈着
ユーシンブルーの水を浴びて泳ぎます
登れ!登れ!
ユーシンブルーの水は中に入ると透明です。青く染まりません。
自然の中で沈思黙考するリーダー
これを登ると人間世界に戻れます
玄倉ダム 写真でよく見るユーシンブルーです。 この絶景ポイントで10人ほどの女性グループが、ビニールシートとお弁当を広げて食べていました。