・1978年創設
・東京都山岳連盟所属
・例会毎月第1水曜日

鷲羽岳(写真を追加)

2016/05/03(火)〜05/06(金)
報告者
浅井
山域
北アルプス
ジャンル
雪山縦走
天候
3日:曇り、4日:晴れ、5日:曇り、6日
行程
報告

例年GWは上信越方面が続いていたので、今年は北アルプスを目指す。
目指す双六小屋は休業でビールの供給ができないが、あえて人の少ない山域に挑戦する。
当初は鷲羽岳と笠ヶ岳の両方だったが、3日から4日にかけて悪天候が予想されたので鷲羽岳1座にしぼる。
シシウドヶ原から大ノマ乗越へ登る予定だったがトレースが無く、鏡平からの下山者が大勢いたので、鏡平方面を目指す。
夏道は沢筋だが、雪が崩壊して悪いので左手の尾根を登る。
ある程度登ったところで、疲れが見え始めたので斜面の比較的平らのところを探し、スコップで整地をしてテントを設営する。
ここはジャンダルムが正面に見える絶好のロケーションだ。
鏡平から夏道は尾根の稜線を登り、右に屈折して弓折乗越を目指すが、そこは現在は雪に埋もれてトラバースは危険と感じた。
屈折点から弓折岳を直登する。雪の急斜面を慎重に登るとハイマツが出てきて、そこに赤テープの印が付いていた。
そこにはほとんど雪は無くハイマツを縫う様に、頂上まで道が付いていた。
5日は鷲羽岳を往復する日だが、出発予定時間の6時は風が強く、ガスって視界が悪かった。
7時に槍へ向かう登山者が出発したので、我々も意を決して外へ出る。昨日の降雪で20cm程積もっている。
小屋からの急登で一つ上の段に出る。ここから夏道は三方向に分かれるが、一番左の双六岳直登ルートを目指す。
広大な雪の斜面をトラバースしてハイマツが見えている、左側の尾根に出る。
ここから視界のない強風の中、ひたすら登り続け双六岳の山頂に立つ。今までは双六岳は巻き道ルートばかりを通ったので、山頂に立つのは初めてだ。相変わらず天候は悪いので、鷲羽岳はあきらめて双六小屋へ戻る。
荷物をまとめて、鏡平まで降りることにする。弓折乗越では視界が悪く、弓折岳からの下降ルートが確認できないので暫く待つ。
ルートが確認できたので、弓折岳へ登り二つ目のピークの下降点から、稜線左手の雪面を最初は後ろ向きで慎重に下る。
雪面が崩壊している個所を左に迂回しながら、鏡平から続く尾根を目指す。
鏡平山荘上の展望の良い尾根にテントを張る。丁度そのころから天候が回復して、眼前に槍・穂高の稜線がせまる。
6日の最終日は高曇りだが、槍・穂高の稜線はよく見える。
沢筋を下ると最後は水流が出て、雪面が崩壊しているのでそこを避けながらシシウドヶ原に降りる。
夏道から外れて雪のある所を下ると突然雪が無くなり、ガラガラの岩の尾根に出る。GPSを見て、夏道からそう外れていないことを確認する。
アイゼンを外してしばらく下ると、真下に雪面をトラバースしている登山道が見えた。
ここからは安心して、ふきのとうを取りながら林道に着く。
わらび平小屋の前後ででコゴミを採取して、大満足で新穂高温泉に到着する。
<感想>
営業小屋が無いので、GWと言えども登山者はほとんどいなかった。
出会ったほとんどの登山者は鏡平往復である。
GWでも主稜線上は天候が悪化すると行動はかなり厳しい状態であった。
ただし、体感気温は風が強くてもさほどではなかった。
この時期予想はしていたけれど、雪面の踏み抜きは体力・気力を消耗する。
新穂高温泉の無料駐車場は一番上の段でも数台しかなく、ガラガラだった。

林道の水溜りにいたカエルの大群
4日、晴れるのを待ってテント場を出発 後ろは笠ヶ岳へ続く稜線
目指す弓折岳 ルートはハイマツ混じりの稜線を直登
雪に埋もれた鏡平山荘
稜線に上がって、目指す鷲羽岳を臨む
双六小屋へ続く稜線
やっと雲が取れて槍ヶ岳が見えた 左に北鎌尾根
双六小屋が見えてきた ここからが踏み抜き地獄 正面の鷲羽岳の奥に水晶岳が見える
5日、弓折岳から直下降した 稜線の右手に踏み跡が見える
鏡平山荘上の槍・穂高が見える絶好場所にテントを設営
テント場から下降してきた弓折岳を臨む
テントの中から外を覗く その先は槍ヶ岳の絶景
6日朝、槍ヶ岳の絶景に別れを告げ下山する
やっと林道に降り立ち、下降ルートを臨む 片手には、ふきのとう