八ヶ岳赤岳主稜(冬期バリエーション)
1/25(月) 京王線北野駅集合(19:00)-諏訪南IC(21:30)-美濃戸口(22:00) 仮眠
1/26(火) 美濃戸口発(6:00)-赤岳鉱泉(9:30)-アイスキャンディー
/27(水) 鉱泉発(6:00)-主稜取付(8:00)-赤岳主稜登攀-赤岳(12:00) -文三郎道 - 赤岳鉱泉(14:00) - 美濃戸口(16:30) 下山
4:00起床、5:50出発。赤岳鉱泉鉱泉を出る時にチラ見した温度計は約-15℃。天気は快晴。月が綺麗だ。取り付きへ向かい行者小屋から文三郎道を上がる。
まずは文三郎からのトラバースピッチ。ロープで確保してもらっている間に、後続のコンテで歩く3人パーティ(ガイド山行)に抜かれたのだが、それが悲惨な出来事の始まりだったとはこの時は知る由も無い。
主陵最難関の1ピッチ目スタート地点に到着すると目に入って来たのは前出パーティのオバちゃんが離陸できずに奮闘している姿。
待・待・待・待・待・待・待・待・待
うつむき忍耐が身体から滲み出ていた師匠、業を煮やして先に登る。ところがその後オバちゃん離陸、第2核心の手前まで登れてしまったものだから我がパーティは動けなくなってしまった。ロープ操作もままならないオバちゃんにウーちゃんは優しく教え、松木はロープ少し出してあげてくださーい!とか上に叫ぶ。ウーちゃんはがんばって!とポジティブに応援、松木は一回降りたらいかがですか?とネガティブに応援。-15℃以下の日陰で寒風吹きすさぶ取り付きがどれだけのものかお分かりだろうか。指先の感覚がなくなってくるわ、悪寒はくるわ。。早く登ってくれと祈るばかり。
何度かのテンションの後オバちゃん成功、私たちの番だ。ウーちゃんもオバちゃんが苦労したムーブで少し悩んでいたが、足の置き場所をちょっとコーチしたら上がれた。頑張った!アイゼントレーニングはしていないので不安もあったが、前爪を岩にかける感覚は1本目でなんとなく会得出来た。
そんなこんなで何ピッチかをこなし、稜線に近づいて行く。厳しいピッチは1ピッチ目(場M-)と中間ピッチの(場L+)はず。ところがロープ解除後、赤岳稜線へ繋がるやさしいピッチが緊張感MAX!疲労と寒さで血行不良になっているのか、まるで足も手も力が出ない・・・。そんなふたりの様子を見た師匠はこりゃダメだとローブを出してくださいました。毎回お手数おかけします。
赤岳頂上で記念写真を撮り文三郎で下山。途中デポしたストックを回収して行者に降り、鉱泉でテント撤収後美濃戸へ向かった。いや~クルマの中は天国だ!
----松木の感想----
●寒い、寒すぎる。八ヶ岳厳冬期バリエーションの寒さ対策ができていなかった。途中意識がもうろうとする場面もあり(?)自分の人生の中でお産の次に頑張った記憶になった。
●トップで登るテクニック、体力、経験、判断力・・渡邉さんはやっぱりすごい。
●文三郎の取り付きまではストックだったが、個人的には行者でピッケルに持ち替えるべきだったと後悔した。寒さで脳みそもフリーズする松木は取り付きでモタモタしてしまったからだ。(今回も師匠の喝!を頂きましたm(_ _)m)
●前日にアイスクライミングを体験していたことで、前爪で雪壁を蹴るムーブが蓄積されていたことが良かった。まだピッケルを打ち付けて登るムーブができていない。
●ビレイ中は、帰ってあったかい風呂に入る妄想ばかりが浮かんだ。
●極寒の赤岳鉱泉テント泊4人用テント/-17℃以下、モンベルダウンハガー800 Women's #1でヌクヌクだった(ただしダウンの上下着用でテントシューズにホッカイロ)910gなので重量も軽い。マットはサーマレストのプロライトプラス3.8mm*120cm/R値 3.4。上半身は空のザックを敷いて。個人差があるのでご参考まで。
●私は寒さに弱い体質のようで、指先が軽ーい凍傷に。バラクラバの大きさやヘルメットとのフィットも重要。今回様々な経験をさせて頂いたので、装備その他でご相談があれば承ります(女性限定)。