西穂高岳~奥穂高岳(その3)
9/20(日)部分
馬の背13:20---奥穂高岳13:40--穂高岳山荘14:30(泊)
9/21(月)
穂高岳山荘6:10--白出沢出合9:40---駐車場11:50
あとは目の前の馬の背を越えれば奥穂の山頂です。エッジにあるゴジラの背中をがっちり掴み、信州側の岩の境目にそって登ると案外簡単に通過できましたが、その切れ落ちて先の見えない信州側の急勾配に目をやったときには、嫌なモノを見たとはまさにこの事とばかり咄嗟に視線を前方に切り替えました。
奥穂で一同記念写真に並んで収まりました。1年前から計画し、準備してきた山行を成し遂げた達成感と安堵。この日にまたとない好天を天が与えてくれた幸福感。リーダーとチームメンバーへの感謝。いろいろな感情を胸に4人は穂高岳山荘へ下っていきました。
翌日の行動について触れておきます。計画書上では再び西穂へ戻るとしてありましたが、実際にはエスケープルートとしていた白出沢を降りました。出発までに少しでも不安要素があったときは迷わず降りようと始めから決めていたので、私たちとしては計画の範囲内の行動でした。逆ルートを歩きたかったのは確かで、難コースの往復という記録的快挙のようなものに挑戦したい気持ちもありました。が、山小屋の大混雑と隣人たちの傍若無人振りのためにほとんど眠れず、挑戦心と不安がせめぎ合うような状況のまま突っ込んでいくのは、このルートを考えればやはり危ない選択だったでしょう。翌朝リーダーがメンバーの声を聞き、即座に判断を下したのには敬服しました。
最後に誤解を恐れずに書きますが、このコースは山をやる人間にとって大変面白い所だと思います。山で体力と手の内をここまで使い切ることを(イノチと引き換えに?)求められた経験は初めてで、準備してきたことは一々役に立つのだと実感する楽しさも味わいました。ついでに、新穂高温泉で祝いの宴を用意していたのも大正解。温泉で体を労り、山行を振り返りながら旨い郷土料理に舌鼓を打ち、地酒を堪能した幸せを想像してみてください。そして隣人に気を遣うこともなく、羽毛布団で眠りにつく至福の瞬間を。オススメですよ。