・1978年創設
・東京都山岳連盟所属
・例会毎月第1水曜日

西穂高岳~奥穂高岳(その2)

2015/09/19(土)〜09/21(月)
報告者
瀬川
山域
北アルプス
ジャンル
岩稜縦走
天候
行程

9/20(日)部分
天狗のコル10:10/10:20--コブ尾根ノ頭11:30/11:40--ジャンダルム12:00/12:15---ロバの耳12:25/13:05

報告

 天狗のコルをはさんで正面に長い急登が見えます。ルートの後半は300メートルの登りで始まることは事前に分かっていました。分かっていても見るからに長く感じます。それに気を取られてコルへ降りる下りの動作が雑になるとこれが危ない。ここだけではありませんが、前向きな気持ちを維持しないとコースに飲まれてしまいます。
 畳岩の頭というピークのような箇所があるはずですが、少しわかりにくいし、登り切ったと思ってもさらに先があるのです。まだかよー、勘弁してくれ、という声が漏れる、とにかく長い登りでした。しかも、持てる技術をすべて出し尽くして当たらないと対処できない場面が続くのです。それでもコブ尾根の頭に着き、ジャンダルムが目の前に現れたときには、ついに真打ち登場といった感じで疲れも吹き飛びました。
 少々長い休憩を取り、周囲の登山者たちを見回します。僕らが西穂あたりで追いつき、その後は案外つかず離れず歩いた夫婦とガイドの3人組がやって来ました。西穂までほぼ同ペースだった2,3人の単独行者はすでに先を行ったようです。独標の登りで先行させ、その後追い越した女性2人組はまだ来ません(夕刻になって目を真っ赤に泣きはらしながら穂高岳山荘に到着)。奥穂からの逆コースを来る登山者はそれまで案外少なくて、20人程度だったでしょうか。すれ違いで気を遣ったことはありませんでした。
 ジャンダルムを登る人々を観察しているとき、危ない場面を目撃しました。先のガイドが、そこルートじゃないよ!と叫んだのもつかの間、ジャンダルムの中腹に取り付いていた人が落石を起こしたのです。15センチくらいの石が、なんと10メートルほど下にいる登山者の頭を目がけて真っ直ぐ落ちていく。ラク!という僕らの叫びが聞こえたのか、登山者は上を見て身構え、石が当たる寸前に右にさっと除けると、石は左の肩越しに落ちていきました。大事に至らなかった場面でしたが、誰もが加害者、被害者になる事態がいつでも起こりうることを思い知らされました。
 事前の調査では、ロバの耳の通過(下り)が一番気がかりでしたが、急下降でありながらホールドとステップが思ったよりしっかりしており、一手一手慎重に進むとスムーズに通過できました。途中7,8人の中高年パーティに追いつきましたが、彼らは一人ひとりかなりの時間をかけていました。彼らは明らかにここを通る技量に達していないように見えましたが、それは私の奢りか、それとも私が腕を上げたのか、どちらかですね(笑)。(続く)

天狗岳の先、見えたのは長~い急登
いったん天狗のコルへ下る。ここ、結構緊張します
コブ尾根の頭への登りを前に、コルで残る体力を確認
単純な急登ではありません
浮き石だらけ。あの畳岩に着けば・・・
まだ終わらない登り。今度はクライマーになります
コブ尾根の頭に出るとジャンダルムが。疲れも吹き飛ぶ
ジャンダルムから、ゴールの奥穂高が間近に見える
ジャンダルム。奥穂から槍への稜線
ジャンダルムを過ぎ、振り返る
次にロバの耳への登りが待っている
すぐに飛騨側へ急降下。ジャンが高くそびえる
確保なしで降りる。緊張感が麻痺しそう
降りてはトラバースを繰り返して鞍部に着地