赤岳(県界尾根&真教寺尾根)
6/29(月)調布22時発~美し森駐車場泊。
6/30(火)大門沢林道入口(駐車) 6:05~県界尾根取付点 6:40~小天狗 7:30~大天狗 8:30~巻き道分岐 10:00~赤岳山頂10:40/12:10~真教寺尾根分岐12:30~牛首山 14:25~賽ノ河原 15:05~大門沢林道入口 15:30
元々はトレーニング目的のロングコース企画でした。東面から赤岳に続く二つの厳しい尾根。これをあえて日帰りで結び、かなり覚悟して臨んだ日帰り山行。ところがどうして、終わってみれば楽しいの一言。楽しすぎてトレーニングのつらさを忘れてしまう。とにかく、このルートはオススメです。
県界尾根は大門沢から小天狗までの若干の急登を除けば、緑したたる穏やかな尾根歩きをしばらく楽める。しかも南アルプス、富士、奥秩父、四阿山(?)の展望付き。ただ、クマ笹の朝露にズボンを濡らすのが嫌な人はスパッツ持参のこと。ルートの終盤になると様相が一変し、だしぬけに急な岩場が表れる。もろい岩質で要所に鎖、ハシゴはあるけれど、それまでからのリスクの急変にすぐに体が順応できない感じ。慣れてくると今度は面白くて手足がどんどん動き出す。右手の天望荘から横岳、硫黄、天狗への稜線がいいなと思っているうちに、はい頂上。
ルート上の雪が完全に消えていたのは幸いだった。小屋で確認したところ、例年は7月上旬まで一部残るという。2週間前に電話で尋ねたときは残雪のためアイゼン、ピッケルが必要だと言われたが、融雪が急速に進んだわけだ。雪の有無によって難易度がまったく変わるだろうことを、登りながら実感。
山頂では、眺望と風のあまりの気持ちよさに思わぬ長居をする。梅雨の中休みが、この日しかないという一日に当ったのも幸運。平日だから人も少ない。いつの間にか人が現れ、そして降りていく。流れる時間が違う。平日山行、気に入りました。
さて、真教寺尾根へ下る分岐は、キレットへ向かってかなり下がったところにあった。地形図をGPSで確認しながら進んだが、実際は地形図上の分岐点よりも下にある。こちらの尾根も急な岩場が終わると突然穏やかな表情に変わる。メリハリの効いた山の形。なんだろう、アレグロとアンダンテの差が際立つような、交響楽を思わせるコースだと思った。キザーッ。
駐車場は多くの場合、美し森駐車場が前泊に使われるが(きれいな水洗トイレもあるため)、今回は僕らだけ。そこから2kmほど入ったところに大門沢入口があるが、ここに5,6台停めるスペースがあり(最後の写真)、往復で1時間程度の短縮になる。ここから県界尾根にも真教寺尾根にもアプローチできる。今回は他に2台が停めに来た。休日は早い者勝ちになるだろう。そうそう、注意点として美し森駐車場は夜中で霧もあって、入口を見つけるのに思いがけず難儀したことも付け加えておきます。そりゃ、スケールはアルプスに分があるかもしれないけれど、色々な要素がぐっと詰まった八ヶ岳、もっと極めたいと思いました。