夏合宿 槍ヶ岳 西鎌尾根(その2)
2013/08/09(金)〜08/12(月)
報告者
瀬川
山域
北アルプス・槍ヶ岳
ジャンル
夏山縦走(夏合宿・集中)
天候
行程
報告
翌朝は3時半起床、5時出発。樅沢岳の急登から始まる本日の行程。体を順応させながら登り切る。はるか前方には槍ヶ岳が見え隠れし、後方には三俣蓮華、鷲羽の連峰、右手下には鏡平山荘の赤い屋根、足下には昨日に引けをとらないお花畑が続く。こんな場所ではザックの重みも気にならぬ。極楽浄土とはまさにこんな所なのではと思わせる。大げさでなく。
次第にガスが晴れ、穂高の稜線もくっきり見えてきた。西穂からの険しさ、北鎌の苛酷さが際だつシルエット。北鎌パーティのことがチラと頭をかすめる。左手の硫黄尾根が合流したあたりから岩嶺歩きの趣が強まってきた。硫黄尾根と北鎌尾根の間に千丈沢の谷、さらに遠くに千丈出合が見えた。そこは『風雪のビバーク』で著者の松濤が友と遭難した場所なのだそうだ。H隊長のそんな話を聞きながら、好天の中、小さなピークでさえ神経を使って越していく初心者の私であった。
小槍が見え、ガレ場をジグザグに登り、槍の穂先が穂先らしく見えなくなってくると、案外あっさり肩に着いた。東鎌ルートのKさんがビール片手に出迎えてくれたのは嬉しかった。北穂、南岳ルートの皆さんはまだ着いていない。小休止していよいよ待ちに待った登頂だ。時間が早いためか登り口まで渋滞の気配はない。ラッキー。頂へは、途中梯子の待ち行列はあったものの、おおむねスムーズに登ることが出来た。岩トレの経験も間違いなく役立ったと感じた。
山頂からの下山途中、H隊長に携帯が入り、北穂、南岳ルートの皆さんも肩に到着したとのこと。見下ろすと、それらしき3人が槍ヶ岳山荘の前から手を振っている。降りてから、再会と互いの健闘を祝したのはもちろんである。