剱岳北方稜線 3日目(その2)
9月16日:池の平3:50~小窓雪渓4:40~小窓5:35/5:50~三ノ窓7:30/7:50~池ノ谷乗越8:35/8:45~池ノ谷の頭9:00/9:15~長治郎のコル10:05/10:15~剱岳10:40/10:55~一服剱13:30~剱山荘13:50/14:00~剱沢小屋14:25/14:30~剱沢テント場14:40(テント泊)
傾斜が緩むと池ノ谷の頭だ。ここからの展望は思わず息を呑む素晴らしさだ。チンネ、八ツ峰の頭が眼下に見え、その下にギザギザの八ツ峰。ここで初めて剱岳本峰が顔を覗かせる。最初は岩の間を縫うように登り、北方稜線で一番難しいと言われる一枚岩のトラバースを残置スリングを掴みながら難なく越え、稜線の長治郎側のガレを巻くように進むと、長治郎のコルに懸垂下降で降りるポイントに立つ。懸垂下降の準備をしているとHさんが簡単な巻道を見つけ、無事に長治郎のコルに着く。ここから剱岳本峰までは、しっかりとした道だ。一歩一歩踏みしめるように登り剱岳頂上の立つ。北方稜線から一転して物凄い人の数だ。下りはカニのヨコバイ渋滞があるので、記念写真を撮って急いで出発。早月尾根の分岐を右に見て間もなく渋滞の末尾に並ぶ。列は止まりながら少しずつ少しずつゆっくりと進み、40分程でカニのヨコバイを通過する。ロープを着けて岩登りの経験のない人には、肝を冷やす場所だ。平蔵のコルの手前の岩場も結構際どい。その後も何箇所か岩場が続き、前剱の長い下りにかかる。ここは過去に何度か落石死亡事故が起きているので、落石に注意をしながら慎重に下る。下り切ると今度は一服剱の登りだ、ずっと下り続けてきた身体に登りはキツイ。一服剱の頂上から目指す剱山荘、剱沢小屋を見下ろす。降り立った剱山荘で小休止。一踏ん張りで剱沢小屋、乾杯用のビールを買ってテント場へ急ぐ。ずっと登り坂だが最後の力を振り絞る。3連休なので剱沢のテント場には色とりどりのテントが何百張もある。しかしここは広いのでテント2張並んで張れるスペースを難なく見つける。手早くテントを張って、北方稜線踏破を祝って乾杯。少しして、夕食時用のビールを剱沢小屋まで買いに行く。暮れ行く剱岳を望みながら、最後の宴会は暗くなるまで盛り上がった。