・1978年創設
・東京都山岳連盟所属
・例会毎月第1水曜日

乗鞍岳(飛騨山脈南部)  滑走

2009/04/08(水)
報告者
伊達定治
山域
飛騨山脈(北アルプス)の南部 乗鞍岳
ジャンル
山スキー
天候
晴天
行程

乗鞍高原スキー国民休暇村 ~ 三本滝スキー場リフト最上 ~
林道ピーク点(昼食) ~ 朝日岳と剣が峰の中間 == 滑走 == 国民休暇村 = 乗鞍高原の民宿泊

報告

乗鞍岳(のりくらだけ)は、飛騨山脈(北アルプス)の南部にあって剣ヶ峰(標高3,025.6m)を主峰とする山々の総称。
今回は
 ・18日:メンバーはA@武蔵野、N@小平、自分の3人が乗鞍岳
 ・19日:更に、K@愛知が加わり、4人で十石山。

18日(土曜日):乗鞍岳
<山頂直下で滑落10m、そして風に舞い落ちるスキー板>

 これまでの3回は、GW2回、2月に1回、この時期は今回が初めてだ。
即ち、スキー場閉鎖からGW(臨時バス運行される)までの、この時期は静かで、快適なMTスキーが楽しめる、がしかし閉鎖して運休リフト3本分の距離は、スキー板を担いで登ることになる為、好き者だけがここへはやってくる。

額から大汗が垂れる頃にやっと、三本滝上部にたどり着く、ここからシール歩行となるが矢張り今年はここも雪が少ない、休憩2本いれ2時間半、切り開道を抜けると、乗鞍岳の広大な斜面が目の前に展開されてくる。

裾野にある夏場のバスストップの小屋、半分は雪に埋もれているが、風除けには利用。ここで遅い昼食。

山頂までは朝日岳を回りこんで尾根から剣が峰(3,025m)へ登る。右手にはコロナ天体観測所のドームが見える、その先には北アルプスの穂高や槍ヶ岳が聳えている。

ここからトップで案内するが標高2500mを越えると、縦縞状にアイスバーンが現れる為クトー(スキーアイゼン)装着でジグザグターンで登る。

2回ほど板が滑り冷や汗を掻くが、時刻が14:30分を回っている、残りの2人も5m程間隔で付いて来ている。心のエンジンをフル稼働してもう一息と直登体制にした。

山頂直下3m程となった急斜面で、クトーも効かずバランスを崩し滑落、修復体制(頭部が上、履いているスキー板を下にした状態で落ちていく)を保つが、スキー板での急激なブレーキは体制が逆転し危険(特に今日は お気楽気分でヘルメットを被っていない)。
ストックを握り替え、3点制動でどうにか停止。

処が、片方の板が外れ流れ出した、最後部で登っているN@小平に板を止めよう声を掛けるが届かなかったようだ。

このスキー板はシール貼り、流れ止め付きであり、更に今回はクトー装着もしてる為、自立で流れ止まるのである。

しかし段々スピードを増し、谷を舞っている突風に板が回転し装着してる「流れ止め」「クトー」さらにはシールすらも雪面に触れず、底へと落下していった。

A@武蔵野が、大丈夫かと体調を気使う声が聞こえてきたが、体は何処も異常なし以外と冷静な動作をしていたと思う。

しかし、自分としては3m~5m程度の滑落だったと思っている為、登り返す気力はあったが、スキー板が流れてしまっては山頂に立っても楽しみは無い。

2人のメンバーは何れも雪の乗鞍岳山頂を踏んでいない、残り僅かの頑張で山頂だ 2人には前進を、そして待ち合わせ場所は、先程の昼食を採った休息場所の小屋とした。

自分は片方のスキー板を大きなストック代わり使い、底をめがけて落下したスキー板を探しながら、慎重に下る。

標高差300m程下の、吹き溜まり状の雪面に刺さった状態で止まっていた。
しかも 流れ止め、クトー、そしてシール等は、カチカチに凍っていた。

これらの装備を外し滑走モードにする、金具の調整を確認して異常なしを確認してホッとする。

前進した2人は山頂を15:30分に滑走開始し、休息場所のバスストップ小屋前で合流。
切り開道の中間点で、休息1本を取り 今朝出発地点まで滑走して戻るがPM5:30を回っていた。約9時間の行程だった。

まずは今夜宿泊先の宿へ下山が遅くなった事を告げ、且つ夕食を30分遅くしてもらうようTEL連絡した。

そして夕闇に美しいシルエットを見せる乗鞍岳に感慨の溜息がでる、無事下山できた感謝を言葉にして後にした。

乗鞍高原温泉民宿、明日への装備点検調整を済ませ、露天風呂は3人だけの貸切。
一頻り今日の反省会となる。
お互い善き事、悪しき事が多々あった今日一日であった。
それぞれ、賞賛、苦言、叱咤 等など、何れも ありがたいと思える山仲間達である。

特に、年齢を重ねる毎に他人の苦言、叱咤は 素直に聞くことが寛容と心がける。
また、褒められ、耳に心地よき 言の葉に有頂天に成る程 おろか事はないと思うのである。

自分は昨夜の深夜運転と睡眠4時間が辛く、明日の行動予定を確認して皆より早くに床についた。

<コースタイム>
4/17日(金)PM9:00JR豊田駅=乗鞍高原温泉
     am1:25「国民休暇村」 am2:00仮眠(テント)

4/18日(土)乗鞍高原スキー国民休暇村8:20 ~ 9:15三本滝レストラン ~ スキー場リフト最上10:00 ~
12:00林道ピーク点(昼食)13:00 ~ 朝日岳山頂14:50 == 15:20滑走 == 16:45国民休暇村 == 17:45乗鞍高原の民宿泊

三本滝前のスキー場リフトは止まっている。
林道除雪はスキー場上部まで進んでいる。
広大な斜面の先に乗鞍岳が展開されてくる。
天候良しと云えど、進行方向を確認をする。
裾野にあるバスストップ小屋にて昼食タイム。
コロナ観測所(2,872m) を右に眺めながら朝日岳へと登る。
振り返ると、明日の十石山の先には北アルプスの霞岳が大きい。
滑走してくるN@小平君。