・1978年創設
・東京都山岳連盟所属
・例会毎月第1水曜日

芝倉沢(谷川山系)  滑走

2009/04/04(土)
報告者
伊達定治
山域
谷川岳
ジャンル
山スキー
天候
高曇り
行程

谷川岳ロープウエイ = 天神平 ~ 谷川岳 ~ 一ノ倉岳 == 芝倉沢 == 紅芝寮 == 湯檜曽川右岸 == 土合橋
温泉民宿「宮前山荘」泊  

報告

今シーズン楽しみにしていた芝倉沢(谷川主稜 一ノ倉岳と芝倉岳の峪)MTスキーへ4月4日(土)に行ってきた。
冬季の積雪、当日の天候、そして好メンバーが合わねば行けない。

今回はA氏と2人である。
A氏これまで2回チャレンジしたが悪天候により断念、3度目のチャレンジである。

今回も天候次第であるが、先週より幾分よいかな、と思う程度だ
谷川岳ロープウエイまで来てしまっては、登ってからの判断とした。

天神平にて薄曇り、予報では今日1日高気圧が張出すはず。
朝一の熊穴避難小屋までの登りは辛い、スキーにクトー(スキーアイゼン)装着しシャツ1枚となって登る。

・尻出岩ではスキーを外し、ツボ脚で降りるが再度、スキー&シールで登る
積雪が少ないと言えど避難小屋は雪の下、全く見えない。
どんよりとした空に、目前に立ちはだかる様に谷川岳が聳えている。

・谷川岳山頂(トマノ耳)では登山者も数名いる。
 これから行く山稜が見通せて迫力満点だ セッピの先にピラミッドのオキノ耳、更にその先に黒い壁を少し見せている一ノ倉岳、その方の先に芝倉岳へと繋がっている。

・オキノ耳まで来る登山者は居ない、目前の一ノ倉岳の迫力が魅力的である。
しかしここからは足元が怪しい、スキーは担ぎ、歩行アイゼンに履き替えて前進する事にした。

・一ノ倉岳への登りには風も強くなり天候も怪しくなる。
 しかしここまで来てしまっては、もう戻れない。谷川岳主稜の中で最も厳しい登りである。セッピ踏みの危険回避にA氏と距離を置いて進む。

・一ノ倉岳山頂長居は出来ない小雪が舞い始めてきた、軽い食事を取り、スキー滑走モードへ調整後、念願の芝倉沢へといよいよ滑走と飛び込む。

・広大な大斜面である、しかし急斜面にクラフトした重たい雪質に板を回転さすことが出来ない、転倒に散々に泣かされる。
源頭部でこんな始末では、これからの中流部の危険帯の滑走が危ぶまれる。

・突然両岸が極端に狭くなり中流部からS字峡へと続くのであるが、足下が見えない。ここでの躊躇は許されない。雪が本降りとならない内に通過せねばならない。
ここからは2人だけと言えど、リスク軽減に 更なる距離を置いての滑走とする。

・今年は積雪が少ないとは言えど両岸から迫り出しているデブリ(雪崩で雪ブロックが流落ちてる処)では、スキーのコントロールが出来ない、従ってデブリを避けるがこの狭いところではそれも難しい。

・幾度転倒させられたことか、転倒しても直ぐに立上がる。
休んでなど居れない、頭上に見上げる岩肌を競り出しているセッピが何時落ちて雪崩となる危険があるのだ。

・こんな中では大声を出すのも憚られる、ホイスルを吹きながら、お互いの位置を確認して、ひたすら滑走する、快適な滑走を期待していたが そんな余裕など無いのであった。

・S字峡通過時には体力より気力で抜ける、傾斜も緩やかとなり、やや広くなり湯檜曽川の流が聞こえてきた、JR巡視小屋(無人)が見えてきた。
無事危険帯を抜けたのだ、、途端に空腹を感じた。
A氏と硬い握手を交わして、祝杯とした。

これから湯檜曽川左岸を土合橋まで滑走下降する、、途中。

芝倉沢滑走中は、もう2度と来たく無いと思っていたが湯檜曽川下降中、幽ノ沢、そして、一ノ倉沢、マチガ沢と渡渉時に振り返り見上げる谷川主稜の迫力にまたしても再訪を夢見ている。
実に、単純で、おろかな前期高齢者になってしまたな、、、。

コースタイム
4/4(土):芝倉沢 滑降
  谷川岳ロープウエイam8:00 =天神平 am8:20 ~ am9:25 熊穴避難小屋 9:35 ~ 10:40 天神ザンゲ岩 11:00 ~ 11:25 トマ耳 11:35 ~ オキ耳 ~13:35 一ノ倉岳
14:10==芝倉沢==15:05 紅芝寮 15:30 ==湯檜曽川右岸==16:25  土合橋 = 温泉民宿「宮前山荘」泊  

谷川岳山頂より、これから行く山稜を望む    手前のピラミッドがオキノ耳、その先の黒い壁を見せるのが一ノ倉岳、そして芝倉岳。
オキノ耳鞍部より、今しがた超えて来た谷川岳を振り返る。
谷川岳山頂からは歩行アイゼンへ履き替える(こんなスタイル)。
鳥居を目印に下部を巻き下る。
一ノ倉岳へと取り付く、用心にA氏とは距離を置き進む。
一ノ倉岳を越えたところから、蓬峠方面を望む
芝倉沢源頭部滑走した一段目の棚、ここから先が中流部、S字峡となる。
滑走するA氏。
S字峡へ滑走していったA氏が豆粒のように見える。
JR監視小屋(紅芝寮)
湯檜曽川を下降中、マチガ沢合流手前での渡渉。