・1978年創設
・東京都山岳連盟所属
・例会毎月第1水曜日

熊穴沢(谷川山系)  滑走

2009/04/05(日)
報告者
伊達定治
山域
谷川岳
ジャンル
山スキー
天候
曇り のち 薄日
行程

谷川岳ロープウエイ駅=天神平~熊穴避難小屋(雪の下)滑走開始==熊穴沢==白鷺瀧の下==谷川岳ロープウエイ駅

報告

 今夜は、A氏お勧めの湯の小屋手前の温泉民宿(静かで簡素な温泉宿をA氏は好みとの事)で、ゆっくりと寛ぐ。

夜も小雨が降り続いている。
天気予報では明日(5日:日曜日)は午後より快晴らしい、それを期待し明日の打合をする。

今日と同一ルートで谷川岳山頂へ立つ。
そこより先ず西黒沢源頭部を滑走し、更に露岸より天神尾根へ戻り、熊穴避難小屋から熊穴沢を滑走して谷川岳ロープウエイ駅下まで戻るとする。

宿で地図読するのも楽しいが、しかし昨夜の睡眠不足とアルコールに釣られて、先に寝てしまう。

<5日 日曜日>
・朝食前に、朝風呂で今日の思案をする。
 即ち、今朝となっても暖かい雨が降っているのである、山の天候は上がって見ないと判らないと言う事で現地判断とする。

・昨日より遅い時間の為か、谷川岳ロープウエイは幾分人が多い、天神平に登っても雨は止まない、昨夜は雪だった様子てトレースは殆んど消えているが、その雪の下はアイスバーンとなっており面白くない斜面である。
天神平尾根先では、登山者の一団が冬山訓練(滑落停止、アイゼイレン、コンティニュアンス等など)をしている。

・昨日同様、スキーにクトー装着で熊穴避難小屋まで登る事とする、幾分明るくなった天候にA氏山頂まで一気に行きたい様子。
しかし、自分はモチベーションは上がらず、西黒沢源流部を内心断念している。

・尻出岩では昨日同様、スキーを外し、ツボ脚で降りる。
 このあたりから空模様が何故か、荒れ模様(回復へ向かってる筈だが、、?)。

・雪に埋もれて姿/形が見えない、熊穴避難小屋では雪の下、全く見えない。
どんよりとした空に、目前に立ちはだかっているはずの谷川岳はガスで見えない。
風が強くなってきた、 A氏もここでやっと西黒沢源流部の滑走を断念。

・クトーやシールを外し、滑走モードへの準備最中に、速いスピードで近ずいてくる一団がやってきた。
「谷川岳遭難救助隊」の制服を纏った5~6名の一団であった。

・昨日下山予定のパーティが下山していないとの事で出動してるとの事であった。

・滑走前に一服していると、下山してくるパーティーが2組ほどあった、いずれも山頂は踏まず戻ってきたとの事であった、それぞれ「谷川岳遭難救助隊」の言を伝えてくれる。

・さて熊穴沢へ飛び込んでみてビックリ、その斜面の角度は45以上に見えてしまうしかもアイスバーン、自分の技術では滑れる状態では無い、横滑りで降りる始末。

・谷に降立つのを避け右岸へトラバースする、これが益々事態を悪化させてしまう、急斜面と云うような物では無い、至る所に割れが走っている、嵌まってしまったら大変だ(後で調べると 天神沢へ回り込んでしまっていた)。
A氏は しきりに驚いている「前回(2年前)こんな酷いことはなかった、快適そのものだったのだ、緩やかな適度な斜面で楽しかった」と。

・トラバースしてると自前で雪崩を誘発させてしまう。兎に角 谷へ降りようとワンターン毎に確認しながら降りる(転んだら一抹、割れ目に落ちるか、ヘルメット毎デブリに激突が想定される)

・谷に下りたが狭い、昨日の芝倉沢 以上に狭さを感じる。それも束の間、もう沢が出ている。気持は、このまま下りたいが もし踏み間違ったら雪解けの激流に落ちる。

・A氏が不思議に用心する。仕方なく再び右岸へと登る ブッシュに立木に悩まされながら、歩行トラバースで少しずつ進む。

・いささか草臥れた頃に、ロープウエイの動きが見える斜面に来ている、休みたいが、まだまだブッシュに立木が続くようだ、更に高みへ上がる様子である。
 
・トラバースも飽きてきた。白鷺瀧 当たりで田尻尾根ルートと合流と見当をつけ、谷へ一気に下る。

・白鷺瀧の下で対岸へ渡渉して休憩。天候は回復に向かって青空が顔を覗かしている。明るい日差しの中 2人とも やっと笑い顔が戻ってきた。この2日間を沢と云うより狭き渓谷の滑走を バリエーション滑走と命名して振り返った。

・下山後は、山屋が必ず寄る湯檜曽に 有名な蕎麦屋がある。
 そこで舞茸天ぷら蕎麦を 久々に堪能して帰路についた。

コースタイム
4/5(日)西黒沢、熊穴沢 滑降
  「宮前山荘」am8:20=谷川岳ロープウエイ9:15 = 天神平~10:35 熊穴避難小屋
   10:55 ==熊穴沢源頭部==西黒沢合流点==12:00 田尻沢コース==12:50
谷川岳ロープウエイ13:20= 13:35湯檜曽の蕎麦屋14:10=帰路

一瞬、明るくなった天神尾根の登り。
谷川岳へ向う「谷川岳遭難救助隊」一行。(熊穴避難小屋にて)
熊穴沢を終え晴天に、笑い顔が戻ってきた。(白鷺瀧の下にて)