・1978年創設
・東京都山岳連盟所属
・例会毎月第1水曜日

上州武尊山

2024/02/10(土)〜02/14(水)
報告者
加藤隆太郎
山域
群馬県
ジャンル
冬季登山
天候
雪風
行程

【2月10日】  【宿泊】 道の駅 川場田園プラザ 川場村萩室385 0278-52-3711
 11:30小林宅 12:00たづくり集合
  152km(2:10)

 かわばオートキャンプ場 0278-25-3693
【2月11日】
8:00 川場スキー場 0278-52-3345
9:00 リフト終点             
11:30 武尊山(沖武尊)
13:30 リフト終点
15:00 川場スキー場

報告

24-0210-11上州武尊山
2月10日、90㍑のザックにシュラフ、シュラフカバー、銀マット、携帯枕を入れその上に必要なものを入れた30㍑のザックを詰める。ザックの中はまだ余裕がありそうだがかさばるものが多くザックの外に取り付けたり吊るしたりした。マット、ピッケル、ストックを取り付け、わかん、ヘルメット、アイゼンをぶら下げた。これでは4人分の冬テンパクは荷物が多そうだ。
12:00たつくり前集合、大量な荷物がSさんの車に収まった。KBさんが持ってきた6テンもかなり大きい。
テント場に到着。テントを張って買い出しに行く。コンビニで夕食と宴会の食材を求める。私はいつも360CCのビールをもとめるのに夜が長いからなど考え500CCのビールを買った。夜になると雪が降り出しテントに積もる。テントの中はいろいろな話で盛り上がる。就寝、寝袋の中は暖かい。

2月11日、チラチラと雪が舞っている。朝食に昨夜わかしたサーモスのお湯をカップ麺に注ぐ。おにぎりは食べたがカップ麺がどうも食べにくい。お湯がぬるくて麺が硬いのだろうか。しかし朝食は食べないわけにはいかないと無理して食べた。
駐車場まで6キロのところに料金所がある。立体駐車場1500円、地上駐車場500円。身支度をしてリフトのチケットを求める。武尊山のリフトは提出書類が有りココヘリのない人はココヘリを借りなければならず手間取ると大変なことになるが、今回書き込み用紙は全て準備済みだからとてもはやい。他のみなさんも準備している人が多かった。その場で書いている人は少なかった。外に出てリフトを2台乗り継いで行く。圧倒的にスノーボードの人が多い。スキーは少数派になっている。アイゼンを付け、始めはストックで行く。風が止まない。
Sさんは「ここは7,8回来ていますがいつも天候に恵まれて真っ青な空の下ルンルン気分で行くのですが・・・・」今日は違う。10数人の先行パーティがあるのだが少し間があくとすぐにトレースが消える。風と雪のせいだ。Sさんを先頭に行くが登り始めの急な登りを先行Pが手間取る。先行Pはアイゼンなしの人、わかんを履く人、アイゼンの人と各人バラエティに富んだ仕様だ。わかんでこの急な登りは大変だろうと思った。しんがりをつとめていた女性アイゼンなしが途中滑落する。数メートルだったが下まで行くと切れ落ちる。しばらく進むとまた滑る。Sさん「アイゼンをつけたほうがいいですよ。人を巻き込みますよ。」Nさん「実力以上のことをしてはダメですよ。」など声がかかる。その女性は脇にどいてアイゼンをつけ始めた。
一方KBさんはアイゼンを履かずに登っていく。急傾斜のところでは短めのピッケルを素早く右左と打って手がかりを作り靴を蹴り込んで登る。私はストック替わりにも使えるかと75センチの長ピッケルを使っているが急斜面では長すぎる。確かに本当にピッケルが必要な時は急斜面なのだ。今回頭ではわかっているが実感した。それと前抓の使い方が下手だ。
私事だが上りの半分ほどきたところから私は次第に胃のムカツキがひどくなってきた。飲みすぎた。500CCビールと180CCウイスキーは確かに私には多すぎた。
途中残念ながら景色はない。雲があたりを覆い風が強弱をつけながら吹き付ける。止まると体が冷えてくる。水を飲みたいがショルダーベルトにつけた水は1時間ほど登ったあとは凍ってしまって飲めない。サーモスのお湯はおっくうで出す気にならない。ばてているのだ。いくつかピークを越えてそろそろ頂上だろうと考えるが、トレースがわかりにくい。どこを登っても変わらなくなってきた。
ストックはまるで役に立たなくなった。Sさん「ピッケルで登れますよ。」という。私もストックをしまってピッケルに持ちかえる。しかし、笹薮の上に雪が積もっているがアイゼンもうまく決まらずピッケルも刺してももぐってしまう。どうやって登ったらいいのかわからなくなる。ここで本当にばてた。私は「Sさん、行ける? もうやめる?」と声を上げた。もう登れない気がした。Sさん「私は何度も登っているからいいですけど、Kさんいいんですか?」それは登りたい。もうリフト乗り場で登山バッジまで買っている。荒く上がった息を整えていると、降りてくる人に女性が「あとどれくらいですか?」「すぐですよ。20㍍ぐらい登るかな。」この言葉に力をもらった。あと20㍍なら登る。
Nさん「最後の方はよじ登ったという感じでしたね。」まさしく全身を使ってよじ登った。上州武尊山こんなに疲れるとは思わなかった。

あとで聞くとKBさん「ピッケル効くよ。何度か打ち直せば引っかかるところがあるから。」なるほどおかしな話だが私はピッケルを一度打って登ろうとしていた。もう引っかからないと諦めて。これも後でNさん「前抓で蹴り込んで足を踏ん張らないと登れないですよ。」先程も言ったが、ピッケルワークとアイゼンの前抓の使い方が私の課題だったのだ。
 頂上で写真を撮ってすぐに下山にかかる。私たちは夏道の上を登ってきたが、どうやら通常の冬道はここではなかった。下山にとった道は登りよりははるかに歩きやすかった。
 やっとリフト乗り場に到着、私はここでムカムカに耐え切れず戻した。
今回は考えると途中何も食べ物は取れなかった。水も凍ってしまってはじめだけ、KBさんにもらった抹茶ラテいっぱいとサーモスからのお湯一杯だけが私の今回の行動水だった。忘れられない百名山がまた一つ増えた。
予定時間より1時間半ぐらい遅れてしまった。リフトを2台乗り継いで降りたところで放送が入った。「ただいまの時間をもちましてリフトの運行を終了いたします。みなさまご利用ありがとうございました。」
もしリフトがなかったら、考えたくないがさらにあと何時間か歩かねばならないところだった。あぶないところセーフの心境だ。

しかし下山して考えるとやはり楽しかった。下山途中に垣間見られた素晴らしい景色いつか快晴の雪山でまた登ってみたい。Sさん「明日良さそうですよ。天気。Kさん明日また登ったらどうですか。」いや、それはまだいいです。
 SリーダーNさんKBさん楽しい山行をありがとうございました。またよろしくおねがいします。私は写真を1枚も撮っていないので写真をお願いします