・1978年創設
・東京都山岳連盟所属
・例会毎月第1水曜日

南八ヶ岳縦走

2007/11/23(金)〜11/25(日)
報告者
原田
山域
八ヶ岳
ジャンル
テント泊縦走
天候
晴れ
行程
報告
 今回の山行も天気に恵まれラッキーでした。阿弥陀岳南稜から権現越えというハードでわくわくしてしまうような山旅を建部さんありがとうございました。勝沢さんの山を歩き通す体力、というよりもテクニックはいつでも凄いなあと感じています。三日間最高の天気の中、最高の山を頼もしい先輩二人と歩いた心に残る山行となりました。  23日6時建部さんの車で八王子発。8時半船山十字路に駐車し、肌寒い中歩き始める。天気はなかなかいいぞ、今回も三日間快晴か、隠れ晴れ男の原田は最近天候に恵まれている。広河原沢を横断し立場岳尾根まできつい急登。立場岳まで長かったが気持ちのよい尾根道。途中に南アルプスから北アルプスまでの大展望。10月に歩いた大キレットまで見えました。やはり北アルプスは別世界、真っ白に雪化粧している。  12時半に青ナギに着くと、阿弥陀岳、明日越えるはずの権現岳が姿を現す。権現に背を向け、遠ざかるように無名峰へきつい登りが続く。  無名峰を越え、P1P2のコルにテントを張った。誰もいない自分達だけのテン場、阿弥陀岳と赤岳の岩山が眼前に迫る。眼下には諏訪の町、本当にゼイタクです。テントの中は少し暖かいくらい、さっとおでんを温め、お酒が美味しい。4時を過ぎると急に寒くなり、さっさと寝る準備。なんせ明日は長丁場ですので。 夜、外からの勝沢さんと建部さんの声に起きて出てみると、なんだか明るい。すごい月光だ。赤岳が満月に照らされてはっきり見える。下界からは諏訪の夜景が、三人で夜の様相を満喫。思いもよらない夜の贈り物に感動してしまいました。でもメチャクチャ寒かったです。  24日3時起床5時半出発。まだ月が出ている。今シーズン初ピッケルとアイゼン、寒さで足の親指が痛いのも久しぶりの感覚だ。今朝も諏訪の町灯りが見える。諏訪の人達は早起きだなあと思いながら、ヘッドランプを頼りにゆっくり歩く。もう山頂までは油断できない、緊張していた。P3へ着くともうライトは必要ない。P3はこの阿弥陀南稜の核心部。教科書通りに左へトラバース、岩溝をトップで建部さんに登っていただき、勝沢さんがビレイ、ラストに原田が続き、再び稜線に上がるとやっと朝日が差してきた。  P4はコンテで歩き、7時半静かな阿弥陀岳山頂に到着。誰もいませんでした。小さな三脚を使って記念写真。とりあえず無事に第一関門突破。休憩もそこそこに中岳のコルへ下降。日焼けしそうなくらい太陽が出てきたので薄着になる。中岳山頂辺りでカモシカに遭遇。赤岳への登りではやはり風が強くなってきた。  赤岳とキレットの分岐から恐る恐る権現を見ると、遠い。本当に今日中にあの山を越えられるのか疑問に思う。でもとりあえず歩くしかない。不思議なもので、ゆっくり一歩一歩足を前に運んでいくと、だんだんと当たり前だけど権現に近ずいていく。そして山頂直下の長い梯子を登り振り返ると、朝から歩いてきた山が一望でき、今朝立った阿弥陀山頂があんなに遠くに、凄いなあと、なにかに感心してしまう。青年小屋に今日中に着けることをやっと確信する。15時半到着。テントでくつろぐ、あ~天国だ。自分に「ご苦労さん」と言ってあげたいくらいよく歩いた一日でした。  25日 またまた3時起きの5時過ぎ出発、真っ暗です。  西岳に着くとうっすら明るくなってきたので、朝日を見ようということになりました。このままだと早く下山しすぎて、鹿の湯温泉が開いていないということもありましたので。朝日は編笠山の影らしく断念、急峻な西尾根を下り立場川本谷へ降りると、滝が真っ白に凍っていました。旭小屋経由船山十字路9時着。最後は落ち葉の林道を、のんびり三人で話をしながら歩きました。無事に下山できたことに感謝。