・1978年創設
・東京都山岳連盟所属
・例会毎月第1水曜日

北アルプス 立山

2022/09/17(土)
報告者
加藤隆太郎
山域
北アルプス
ジャンル
秋山登山
天候
晴れ
行程

雷鳥沢-剣御前小舎-別山南峰-真砂岳-富士の折立-大汝山-雄山-一の越

報告

22-0917-19 立山・奥大日岳
 21:30吉村さんの車で「扇沢」へ出発、本日は扇沢で車中仮眠をして明日「室堂」へ向かう。台風14号が来ているので天気が気にかかる。何らかの影響は覚悟しなければならない。順調に中央高速を走り、安曇野で降りる。夕食は済んでいるが途中のコンビニでウイスキーを購入寝る前に一杯やって休もうと思う。
 扇沢に到着、残念ながら無料駐車場は満車、有料駐車場の方はまだ空きがある。12時間ごとに1000円と少し高いと感じるが仕方ない。トイレは近い。
 吉村さんの車後部をフラットにして横になって休む。午前2:00になっていた。アルペン号の始発6:30に乗るつもりだから5:00に起床3時間眠れる。少しでも休んでおきたい。
 この駐車場に橋本さんも居るのだが暗くて良く分からない。橋本さんも始発なのでそこで合流出来るだろう。このときに使用したカップを車の中に置き忘れて3日間不自由した。
 本当は1日目に「剣岳」2日目に「奥大日岳」に登る予定だったのだが、昨日から私の右膝に違和感があり剣岳は無理そうで、「立山」に変更してもらった。申し訳ない。私はこのとき立山は割と楽に行ける山かと勘違いしていた。
 朝支度を済ませザックを背負ってアルペン号乗り場へ、橋本さんが最前列で手を振っている。早い。1番目に並ばせてもらう。
 橋本さんのザックを見て驚いた。60㍍ロープ、ピッケル、アイゼン、テント、食料、シュラフなどで見た目70㍑のザックが満杯になっている。重そうだ。橋本さんはこんな格好で先月も先々月も今月も剣岳に登っているのだ。アルペン号に回数券でもあれば良いのにと思うほどだ。橋本さんはアルペンに乗り慣れていて、素早く景色の良い場所を押さえてくれるので大いに助かった。重い荷物を持っているのに素早い。
 トロリーバス、ケーブルカー、ロープウェイ、トロリーバスと乗りついで約1時間で室堂に到着。最高の天気だ。晴れて風がない。
 剣岳がよく見える。独特の山容と登頂した時のうれしさは忘れられなくて、剣岳の姿を見ると「お久しぶり!!」と思わず声を掛けてしまった。
 約50分歩いて「雷鳥沢」吉村さん持参の2人用テントを張る。2人用にしては大きい。これなら楽に過ごせそうだ。サブザックに今日の荷物を詰めて出発。10:00になっていた。
 本日のコースは、雷鳥沢-剣御前小舎-別山南峰-真砂岳-富士の折立-大汝山-雄山-一の越、を巡るコースだ。立山三山縦走コース。歩いてみると10:00に出発して17:00に帰着だった。眠りの足りていない我々にはなかなかハードなコースであった。
 雷鳥沢から歩くコースがほぼ見渡せる。まずははるか上に見える「剣御前小舎」を目指す。岩クズの急登を一歩一歩登っていく。数年前に剣沢に向かった時ばてたのぼりだ。その時は日差しが強くてTシャツで歩いていたところ腕がやけどをしたように焼けてしまった。紫外線が強いのだ。それ以来登山ではアームカバーを外さなくなった。今回は吉村さんはTシャツで腕をむき出しにしているが日焼け止めをたっぷりと塗っている。今日は荷物がサブザックだけなのでばてない。
 剣御前に到着。剣御前からは剣岳がよく見えるようになる。休憩を取り「別山」を目指す。別山まではきつくない。剣岳がさらによく見える。別山南峰で休んでいると、小学校低学年の女の子を連れたお母さんがいた。「お姉さんみたいなお母さんだね。」と吉村さん。「じゃあお菓子を食べながらここで待っててね。」と言いおいてお母さんは荷物を置いて走り出した。女の子は座ってあたりを見まわしている。お母さんは北峰まで行ってあっという間に戻ってきた。お父さんは剣岳へ向かっているのではないか、そんな気がする。
 真砂岳、富士の折立へと向かう。真砂岳は白い砂のザレバがある。真砂岳から富士の折立への道は見通せる。何十メートルか下ってこちらから見るととても両側が削げ落ちた細い尾根を登山者が行き交っている。そこを過ぎるとかなりの急登だ。コースタイムでいうと40分で大した距離ではないらしいのだがどうだろう。山の距離の感じ方は主観的なもので長く感じるときとそうでないときとある。岩場というほどではないが靴が決まりにくい道を行く。すぐ鼓動が強くなり回数が上がる。なぜか汗は多く出ない。真砂岳側から見た通りの急登だ。やっと登り切って、ここから「立山」である。
富士の折立の頂上は登山路のさらに上のほうらしい。「加藤さんどうぞ、私が加藤さんが登った証人になります。」吉村さんがなんだかわかったようなわからないようなことを言う。
登っていくと富士の折立は岩山で切り立った岩場のてっぺんに「富士の折立」と記した板が置いてあった。岩場を行くところを吉村さんに撮ってもらう。頂上ではすでに登っていた若者に自分を撮ってもらった。
「大汝山」には小屋がある。愛想のない親父さんがいる。吉村さんが「大汝山のバッチ売ってるよ。」と教えてくれる。小屋の中にはチベット風の品物が売られている。小屋のおやじさんの趣味に違いない。立山にきてチベット風のお土産を買う人はまずいないと思う。御香を焚いている。カレーライスをたのもうとした人が「もう何もないよ。」と言われている。小屋の外に出て「カレー食べそこなった。」と言っていた。
次はいよいよ「雄山」だ。かなり手前のほうから「雄山」の頂上に祀られた小さなお社が見える。これが主観的になかなか近づかない。岩場を歩いていく。雄山に近づくと神社の人が「今日はどこまで? どこに泊まるのですか?」と聞いてくる。雷鳥沢と答えると「ヘッデンは持ってますか?」「あります。」何だろう。泊まるところを世話してくれるような流れの会話だ。ここは泊まれるのかな。
ここではお祓いを700円払って受ける予定だったが、もう終わっていて登るのは無料とのことだった。荷をおいて登る。景色は最高だ。お参りをする。
ここから「一の越」まで300mを一気に下り、雷鳥沢へ向かう。帰りは少し飛ばして明るいうちにテント場に到着した。遅くなってソフトクリームは食べられなかった
寒くなってきたのでテント内で夕食の準備をする。今日は野菜とお肉の鍋ものだ。鶏肉、ナス、ネギ、にんじん、高野豆腐の具がスープとなじんでとてもおいしい。また量もたっぷりとあって大満足の食事となった。ビールを500ml飲みぐっすりと休んだ。
明日は「奥大日岳」に登る。