四ッ又山~鹿岳
府中5:30~府中IC~下仁田IC~鹿岳登山口駐車場7:30→大久保登山口7:50→大天狗→四ッ又山9:00~9:30→マメガタ峠→鹿岳一ノ岳10:40/11:10→二ノ岳11:20→高原降下点→木々岩峠登山口13:15→鹿岳登山口駐車場13:40
面白い低山が肩を寄せ合う西上州。この山域に精通するメンバーが春の花を観に行くと聞けば手を挙げないわけにはいかない。花のことはよく分からないが、彼らのワクワク感からきっと楽しい山行になると思ったからだ。予備知識がなく路傍にひっそり咲くような花を想像していた。だが、ゆっくり登って稜線に出ると、まずミツバツツジが出迎えてくれた。いいねえ、春の花は。そして高度を上げていくと、登山道はいつの間にかピンク色の花々に囲まれる。これが今山行のお目当ての花、アカヤシオだった。花弁は桜のように5つあるように見えるので、知らなければ桜の一種と思ってしまう。だが、実は花弁は付け根でつながっていて、ヒトツバナとも呼ばれるツツジの仲間だそうだ。それがどんぴしゃのタイミングで稜線から山頂付近まで咲き誇り、まさに春山歩きここにありといった気分。
山も面白い。四ッ又山は文字通り4つのピークからなる。それらを1つひとつ辿っていく。その間に、アカヤシオ木々の向こうに次の目標、鹿岳が垣間見える。鹿岳は2つのピークを持ち、その眺めは北アルプスのジャンダルムが並んでいるようだ。いったん標高700m近くのマメガタ峠まで降りて登り返すと、鹿岳の一ノ岳、二ノ岳の間のコルに出る。それぞれをよじ登って景色を楽しむ。もちろんこのメンバーだから、山座同定の解説付きで、西上州の山の名前が次々に出るわ出るわ。
二ノ岳から先へ進み、悪路の急降下をともなう稜線を辿って、ここではないかという地点から左へ下降する。終始ルートは不明瞭。一度歩いたというMさんの記憶とHさんのプロの勘で、作業道と交錯しながら尾根をどんどん下りると林道脇の登山口にポンと出た。朝到着した麓の駐車場はよく整備され、すでに十数台の車でほぼ満杯なのに驚いたが、多くの登山客の目当てはアカヤシオの咲く鹿岳、あるいは四ッ又岳のどちらかだけだったと思われる。両方を登り、さらに鹿岳の二ノ岳から戻らずに進んだのは僕らだけだったのではないか。
規模はコンパクトでもテクニカルな要素もあって魅力ある西上州の山々。そこに今回は花の要素が加わって目の保養にもなり、山を歩く楽しさを一つ学んだ気がする。