・1978年創設
・東京都山岳連盟所属
・例会毎月第1水曜日

常念岳東尾根(ピーク手前まで)

2020/03/20(金)〜03/21(土)
報告者
森(多) 他3
山域
北アルプス
ジャンル
雪山
天候
20日曇時々小雪、21日晴れ(強風)
行程

20日 府中4:30~ほりでーゆ四季の里・須砂渡ゲートP7:30/8:00→8:47登山口→13:55テン場(2050メートル地点)
21日 テン場5:55→9:30前常念→10:00引き返し地点→テン場12:15/13:00→16:07登山口→16:45ほりでーゆ~帰京

報告

常念岳登山口の三股は冬季不通の為、「ほりでーゆ四季の里」すぐ横の須砂渡ゲートPから常念岳東尾根(冬季限定のバリエーションルート)に上がり、前常念経由して山頂を目指す。
ロープを使用するような箇所もなく、天候が良ければ冬季バリエーションの入門として良いルートだと思う。

初日須砂渡ゲートPは満車に近く(満車の場合はほりでーゆに駐車可)、入山者の多さを覗わせる。林道をしばらく歩き、尾根への取り付き(巡視路)からすぐに尾根に乗る。1500過ぎまではピンクテープもある顕著な道だ。1300付近から雪道となった。そして小雪のちらつく中の歩行となる。やはり昨年より雪が少ない。ゆっくり高度を上げ、1600位より昨年も苦労した笹薮が始まった。足元は滑り跳ね返りの笹が顔に痛い。ただ今年は全体的に少し笹刈りしてあり、ルートを探す事無く導かれるままに歩けた。皆久し振りの重荷の山行なので何度か休憩を取りながら、昨年のテン場を過ぎた小さな二重山稜となっている暗部2050にテントを張った。多くのパーティーはもう少し先のピーク付近に張っているようだ。夜中物凄い強風の音で目が覚めるが、我々のテントは自然のブロック(二重山稜)で揺れなかった。

翌朝、風は治まらずますます強くなりそうだが、行ける所までと出発した。少し歩いた2150付近に、15張位のテント村が出来ていてビックリした。日帰りの人もいたので、この日の常念は20パーティー位はいたのではないだろうか。2200位で森林限界を過ぎ、前常念が目の前に見えてきた。振り返れば妙高や信州の山々がよく見える。しかし晴天だが強風の試練が待っていた。弱風、強風、耐風姿勢の繰り返し、風速30メートルはあろうか、時折ブリザードで頬も痛い。一度戻りかけたが気を取り直して前常念まではと足を進めた。前常念手前で少し岩稜となり、お社の赤い屋根だけが出ている所で夏道と合わさる。その後どんどん常念岳が迫り、穂高や笠ヶ岳や御嶽山、後立山方面も見ることが出来た。ただ耐風姿勢の時間も長くなり、予定の時間通りでは歩けない事や安全を考え、2700メートルを過ぎた所で下山を決断した。果敢にも山頂を目指すパーティーもいたが、私達はここまでと残念だがそれぞれ納得し降りた。テン場まではそう時間はかからなかった。テン場撤収後は重荷の下山だ。下りの笹薮はよく滑る。今回の核心はここかもね、と笑いながら長い尾根を下った。
今回初日はツボ足で。翌日はアイゼン装着したが、引き返しの樹林帯で外し、そのまま下山した。ワカンは不用。この2.3日で少し降った雪が綺麗に感じた。

昨年の天候不良によるリベンジ山行。また4人とも今シーズン初の雪山テント泊山行で、雪の中に身を置ける嬉しい思いの山行計画だった。しかし強風に阻まれ、また山頂を踏むことはできなかった。ただ前常念を超え最後の稜線まで歩けたので、残念だったが私自身は充実した山行であった。

初日笹薮の登り
翌日稜線に出て雪山を実感する
嬉しい瞬間
前常念から常念岳の稜線が綺麗だ
まずは手前の前常念へ
大きな岩が出てきた
頬が痛い瞬間だ
強風でも気温は高いので救われる
穂高の山並みが見えてきた
この辺で折り返し地点とする
記念撮影
風が無ければ最高の登山日和だ
下山は早い
テントに到着