八ヶ岳・権現岳
1月7日(日)4:30調布=天女山下道路7:10~天女山7:30~前三ツ頭10:30~三ツ頭11:30~権現岳12:20~三ツ頭14:00~天女山下道路16:10
1月の三連休、1日だけでも雪山を歩きたい4人が選んだのはギリギリ日帰りが可能な権現岳。予定した連休中日は移動性高気圧のおかげで終日快晴に恵まれ、南八ヶ岳の冬の名物である強風に襲われることもあまりなく、この時期にしては絶好のコンディションで雪山を楽しむことが出来ました。
冬期期間は天女山パーキングまで入ることが出来ず、往復で45分程度の時間が余計にかかります。難易度は高くないルートですがこの時間的ハンデを少々気にする計画になります。しばらく緩い登山道をオーバーペースにならない程度に快調に過ごし、前ミツ頭への急登を頑張ってこなし、稜線に出てからは優雅に雪道を楽しむというイメージです。前ミツへの登りに取り付いたころから樹林帯の登山道は雪で覆われます。傾斜が急になるにつれ足下が滑って体力を消耗します。そんな時はつま先を雪の斜面に軽く蹴り込み、母指球あたりに体重を乗せればよいとの指導を受け、試行錯誤しながら登っていきました。
前三ツ頭からは展望が一気に開け、斜度も緩んで楽しい尾根歩きの始まりです。時期的に雪が少なめで真っ白な雪景色というわけにはいきませんでしたが、この時期に八ヶ岳をのどかに歩けるのは幸運に違いありません。先行する別パーティの付けたアイゼンの跡を確認してからも、僕らはノーアイゼンで進み、結局そのまま山頂を極めてしまいました。山頂付近は強風のために岩が露出していましたし、途中つぼ足で慎重にトラバースするといった緊張の場面もあり、アイゼンに頼らない雪山の歩行訓練にもなりました。
下りもアイゼンを付けず、ただしストックをピッケルに持ち替え、万一に備えました。こういう指示もリーダーの状況判断によるもので勉強になります。三ツ頭・前三ツへの稜線に降りてからは、周囲の景色を楽しみながらの尾根歩きです。富士山へと真っ直ぐに続く尾根の起伏は見応えがあります。南アルプスも北岳はもちろん甲斐駒、仙丈、鳳凰三山。左手には奥秩父。樹林帯へ降りてしまうまでに幾度も止まっては、身体が冷えるのも忘れて素晴らしい展望を確かめました。
もう一つ、つぼ足で雪の斜面を効率よく下るには靴裏を雪面に滑らせながらスイ~スイ~と行くのだそうです。後からこの話を聞く前に自然に試していましたが、慣れれば有効だと思います。スッテンコロリンも数度味わいました。訓練あるのみです。
思えば針ノ木岳の雪訓でもそうでした。リーダーのつぼ足へのこだわりのことです。あの時アイゼンを付けたのは急斜面の直前。今回はノーアイゼン。それは冬期に疲れにくいのはもちろん、残雪期から夏山に有効だからだそうです。ちょっといやらしい雪斜面のトラバースに出くわしても、つぼ足での歩き方を知っていればキックステップで通過できます。なので重要かつ便利というわけです。
駐車スペースに出発時駐まっていたクルマは10台前後。アクセスが便利な割りに八ヶ岳の他のピークに比べて込まないことも、権現岳の良さでしょう。次回は山々が真っ白に見える頃に再訪したいものです。