裏妙義山 丁須の頭
調布5:40~旧国民宿舎裏妙義8:10==9:45大岩==丁須の頭11:00==三方境12:40==14:30旧国民宿舎
上信越道からいつも見える妙義山。見た目通り、困難が幾重にも続く表妙義。一方、西へ少し離れた裏妙義は、表ほどの難しさはないけれど色々な要素が次々に展開され、歩いて飽きることのない楽しい山だった。
大きな岩をいくつも乗り越え、鎖場もいくつも通過し、沢筋を詰めるように登っていく。最後はまた鎖場かと上を見ると、丁須の頭が独特な形のアタマを空に突き上げていた。メットにハーネス姿のMさんはカラビナを鎖に掛けながらの安全着実な登攀。ベテランクライマーのSさんは確保もなしにあれよあれよという間に登り切ってしまう。もう一人のSはスリングで簡易ハーネスをこしらえて挑戦するも、踏み外して落下したときの肋骨の痛さを想像し、序盤のうちに撤退。行けそうな気はしたが、Mさんに正しい判断だと褒められる。
この場を借りて説明したい。もしなにかの拍子に120センチ・スリング分を落下すると、あとで試算したがざっと2トンくらいの衝撃が瞬間的に体を襲う。簡易ハーネスではとてもじゃないが肋骨にひどいダメージを受けるだろう。クライミング技術が未熟な身、やはり正しい判断をしたのだろう。
丁須の頭からは、稜線伝いに楽しいアップダウンやトラバースを繰り返す。右手、北西の上信越道側からの風が心地よい。一カ所、20メートルほどの鎖を使った下降があるが、腕力に頼らないでステップを探りながら降りればよい。烏帽子岩のトラバースを過ぎた三方境前後からは打って変わって、気持ちの良い広葉樹林の間を穏やかな山道が延びる。落ち葉の堆積した柔らかい道を踏んでいく。林道までは長く感じるが、おしゃべりしながら歩けば楽しい。そういう意味でもメンバーに恵まれた。ありがとうございました。